新型 ホンダ S660 α(6MT)【レビュー】世界最安で味わえる、本格的ミッドシップスポーツの走り [DBA-JW5]

新型 ホンダ S660 αのイメージ

今回の【レビュー】は「新型 ホンダ S660 α(6MT)」。
2015年に登場した、軽自動車のオープン2シーターです。

「S660」のモチーフは、1998年まで製造販売されていた軽自動車オープン2シーター「ホンダ・ビート」。ただし、「S」の名がつくことからも明らかなように、実際には「S2000」に続く「Sシリーズ第4弾」という位置づけです。

開発責任者は、アイディアの発案者でもある20代の若手社員が担当。ベテランエンジニアがそのバックアップに付くという、ホンダとしても珍しいチーム体勢の元、開発が行われました。

ベースとなるプラットフォーム(基本骨格)は、スチールモノコックにアルミサブフレームを組み合わせた「S660」専用アーキテクチャー。これに、N-BOX用ターボエンジンを大幅にチューンして横置きミッドシップに搭載しています。

ホンダが久しぶりに開発した本格的スポーツカーという事もあり、発売当初は1年近くのバックオーダーを抱えるほどの高い人気を得ていました。

その中でも「α」は装備を充実させた上級グレード。「クルーズコントロール」や「メーターバイザーリング(高輝度シルバー塗装)」、「スポーツペダル(ステンレス)」、「本革巻きステアリング&シフトノブ」、「アルミホイール(ブラック&シルバー)」といった装備が奢られます。

※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「【レビュー】のまとめ」をどうぞ。

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外観

全長3395mmX全幅1475mmX全高1180mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは830mmとなります。

フロント

新型 ホンダ S660 αのフロント

低く身構えたフロントノーズに、精悍な薄型ヘッドライト。スポーティなシングルフレームグリル。ワイド感を強調するアロバンパー。名車ビートを彷彿とさせる、軽快感あふれるフロントフェイス。

サイド

フロントからリアエンドまで一直線に描かれたキャラクターライン。短い全長に対し、前後ギリギリに配置されたホイール。運動性能の高さを物語るスポーティなサイドビューです。

リア

新型 ホンダ S660 αのリア

ムッチリとしたヒップラインに、ブラックガーニッシュと一体化したリアコンビランプ。ナンバープレートの高さまで切れ上がる、ダイナミックなディフューザー(ブラック)。スポーティなシングル・エキゾースト・パイプ・フィニッシャー。乗員の後頭部直後に配置されたツイン・バルジ(膨らみ)。

スポーツカーのトレンドを巧みに取り入れながらも、S660の軽快感あふれる世界観をたっぷりと表現しています。

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内装

新型 ホンダ S660 αの内装

プラスチッキーな樹脂で構成された、シンプルかつスポーティな室内。ドライバーを包み込むように操作系が配置され、まるで小さな宇宙船のようです。太めの人やがっちり体系の人には、ちょっと狭いかもしれません。特に足が大きい人の場合は、隣のペダルを間違って踏まないように慎重な操作が要求されます。心配な人は、一度ディーラーで試乗してみてください。

限られたスペースを使って、小さな収納やカップホルダー、助手席裏のシートバックポケットなどを装備。普段一人で使うことが多いという人は、助手席を手荷物置き場にすれば便利です。

フロントウィンドウ上端が低いため、視界の開放感は高い。アイポイントが低くボディの見切りも今ひとつですが、サイズ自体が小さいので取り回しは簡単です。

シート

新型 ホンダ S660 αのシート

コシのあるクッションに最低限の柔軟性を持つ表皮。スポーティなサイドサポートが設置され、背中の高い位置から腰、太ももの裏にかけてしっかりと支えます。やや小ぶりなシートですが、座り心地は上々です。

荷室

シート後方はエンジンや補機類で一杯なため荷室スペースは無く、フロントフード内に小さなユーティリティボックスを備えるだけです。といってもオープン時に外したロールトップ(幌)を収納すると、スペースはこれだけで一杯になってしまいます。

静粛性

スポーティなエンジンサウンドが車内に心地よく響きます。

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エンジンとミッション

658cc・直列3気筒DOHCターボエンジンに、6速MTが組み合わされます。
最高出力64ps/6000rpm、最大トルク10.6kgf・m/2600rpmを発揮。

車両重量830kg。JC08モード燃費は、21.2km/l。

エンジン

シート後方ミッドシップに搭載した0.7Lツインカムターボで後輪を駆動(MR)。絶対的な速度としては平凡ですが、レスポンスの良さとスポーティなエンジンサウンド、しっかりとした低速トルクによって気持ちよく走ることができます。

エンジンの吹け上がりもスムーズで軽快。高いエンジン回転を保ってキビキビと走ることができます。

トランスミッション

マニュアル式の6速MTを装備。スムーズで剛性感あふれるシフトフィール。短いシフトストロークを活かして、手首の返しだけでコクコクと節度感のあるギアチェンジが可能。

3速に入れっぱなしでダラダラ走る、なんて高い柔軟性も持ち合わせています。

乗り心地とハンドリング

前後ともにマクファーソン・ストラット式サスペンションを装備。

乗り心地

新型 ホンダ S660 αのホイール

装着タイヤは前165/55R15、後195/45R16。前後異径サイズ。

適度に引き締まったスポーティな乗り味。サスストロークがスムーズで衝撃の角もまろやかなため、意外と乗り心地は上質です。

オープンボディにしては剛性が高く、不快なねじれや低級バイブレーションもよく抑えられています。

ハンドリング

軽快感あふれるスポーティなハンドリング。ドライバーの操舵に素直に反応して、気持ちよく車体の向きを変えようとします。

ロールの出方も最小限で、わずかにイン側のサスを伸ばしながら安定した姿勢で走り抜け、狙ったラインを外すことはありません。

最小回転半径は4.8m。コンパクトなボディと相まって、取り回し性も高いです。

その他

先進安全技術は、メーカオプションとして「シティ・ブレーキ・アクティブ・システム」を用意。

このシステムには、約30km/h以下での衝突を検知して回避、もしくは被害軽減をはかる「低速域衝突軽減ブレーキ」と、アクセルの踏み間違いによる急発進を防止する「誤発進抑制機能」が含まれます。

【レビュー】のまとめ

「ホンダ S660 α(6MT)」は、軽自動車の規格を使って開発されたオープン2シーター。

重量バランスに優れたコンパクトボディに、スポーティな0.7Lツインカムターボを横置きミッドシップに搭載。しなやかに引き締まった足回りが組み合わされ、走りの楽しい本格的ミッドシップスポーツに仕上げられています。

「若い頃ビートに憧れていたオジサン」とか、「なるべくコストを抑えながら、本格的ミッドシップの走りを味わいたい」と考えている人に最適な車です。

何より、こんな贅沢な車がこれだけの低価格で販売されているのは日本をおいて他にありません。興味があるならぜひ一度試乗してみてください。

中古車市場では

2017年式「ホンダ S660 α(6MT)」で190万円前後。2015年式で180万円前後(2018年4月現在)。

価格

価格 | 2,180,000円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)