新型 トヨタ・プリウス α S(5人乗り)【レビュー】穏やかで上質な乗り味を持つ大きなプリウス [DAA-ZVW41W]

トヨタ・プリウス α Sのイメージ

今回の【レビュー】は「新型 トヨタ・プリウス α S(5人乗り)」。
2011年に登場した、小型ステーションワゴン(5ドア)です。

ハイブリッドカーの先駆者として高い人気を維持するプリウスですが、その独特のスタイリングから「もうちょっと室内が広ければなぁ」といった声が聞かれるのも事実です。

そういった声に応えるかたちで開発されたのが、今回の「プリウスα」。ホイールベースが50mm拡大され、それに合わせて全長(150mm)および全幅(30mm)、全高(85mm)も一回り大きくなっています。同時に室内空間も拡がり、後席と荷室を中心にたっぷりとした余裕を確保。ボディバリエーションは、ミニバンのような使い方もできる「3列シート・7人乗り仕様」と、「2列シート・5人乗り仕様」の二本立てです。

プラットフォームには3代目プリウスと同じ「新MCプラットフォーム」を使うものの、ボディパネルやインパネはプリウスα専用パーツとなります。

2014年にマイナーチェンジを実施。内外装の小変更と装備品の見直し、および先進安全技術「Toyota Safety Sense P」をセットオプションで用意(その後2017年に「Sツーリングセレクション」と「GR SPORT」を除く全車に標準装備)。

※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「【レビュー】のまとめ」をどうぞ。

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外観

全長4630mmX全幅1775mmX全高1575mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2780mmとなります。

フロント

トヨタ・プリウス α Sのフロント

短く傾斜したノーズに鋭利なヘッドライト。台形型に大きく広がるフロントバンパー。マイナーチェンジによってフロント周りの印象が変わり、穏やかさと中にも力強さを感じさせます。

その他には、「アンダーグリル(ダークグレーメタリック)」や「LEDクリアランスランプ」といった装備が追加されています。

サイド

ノーズからルーフへと連続的に繋がるワンモーションフォルム。Aピラー(一番前の柱)の傾斜が強く、かなりスポーティな印象です。Dピラー(一番後の柱)はリアエンドで跳ね上がるような形状で、軽快なリズム感を生んでいます。

リア

多角形型のリアウィンドウにがっしりとした形状のリアバンパー。デザインの新しくなったクリアタイプのリアコンビランプ。重厚感あふれるクリーンな後ろ姿です。

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内装

トヨタ・プリウス α Sの内装

直線を基調としたシンプルな室内。ベースとなる3代目プリウスよりちょっとだけ上質です。センタークラスター上部には4.2インチ・マルチインフォメーションディスプレイを標準装備。中段にはナビゲーションディスプレイ。エアコンは操作性の高いダイヤル式。アップライトなポジションと見晴らしの良い視界によって、運転がしやすいです。

マイナーチェンジによって、「ピアノブラック調センターパネル」や「合皮アームレスト」が追加されています。

シート

トヨタ・プリウス α Sのフロントシート

フロントシートは肌触りの良いファブリックシート。コシのあるクッションが使われ、座り心地も上々。適度な立体感によって、太ももから腰を包み込むように支えます。

リアシートはフロントシートより平板な形状となるものの、座面および背もたれの長さは十分。足元、頭上空間にもゆったりとしたスペースを確保します。

荷室

ハイブリッド用バッテリーを ラゲッジボード下に

ステーションワゴンとしては、十分以上のスペースがあります。これなら家族4人で荷物の嵩張るキャンプも可能です。

静粛性

室内にはしっかりと遮音材が施され、静かなハイブリッドシステムとあいまって、クラス標準以上の静粛性能を持ちます。

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パワーユニットとミッション

1797cc・直列4気筒DOHCエンジン+電気モーターに、CVT(電気式無段変速機)が組み合わされます。
エンジン最高出力99ps/5200rpm、および最大トルク14.5kgf・m/4000rpm。
電気モーターは、82psの最高出力と、21.1kgf・mの最大トルクを発揮。
車両重量1450kg。JC08モード燃費は、26.2km/l。

パワーユニット

1.8Lツインカムエンジンと電気モーターによるハイブリッドシステムで前輪を駆動(FF)。プリウスよりも重いボディを(プリウスと)同じパワーユニットで駆動するため、有り余るほどのパワーは期待できません。それでも、低速からしっかりと電気モーターが立ち上がり、必要十分の力強さを発揮。1.4t以上の重量級ボディをスルスルとスムーズに加速させます。

そこからさらにアクセルを踏み込むと、即座にエンジンが始動して力強いハイブリッドモードへと移行。エンジンへの継りもスムーズで違和感はありません。このあたりの挙動は、熟成され尽くした感があります。

トランスミッション

ハイブリッドシステム全体でCVTのような働きを担う、電気式無段変速機。厳密にはトランスミッションではありませんが、スムーズでダイレクトなフィールがあります。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは205/60R16を装備。

プリウス(3代目)よりも拡大されたホイールベース(前後ホイール間の距離)と重くなったボディによって、穏やかで上質な乗り心地を持ちます。

目地段差や橋脚ジョイントではゴツゴツとした不快な衝撃をまろやかに緩和して、鋭い衝撃を車内に伝えません。

高速域でのフラット感も強く、安定して直進することができます。

ハンドリング

穏やかで自然なハンドリング。キビキビとした軽快感や切れ味の良さはありませんが、この方がプリウスαの性格には合っています。もうちょっと歯切れを良くしたいという場合は、空気圧を高めると多少印象が変わります。

最小回転半径は5.5mと標準的なレベル。ボディが拡大された割に取り回しが良く、日本の狭い路地でも扱いやすいです。

その他

マイナーチェンジによって、ミリ波レーダーと単眼カメラを使った「Toyota Safety Sense P」を搭載。このシステムには予防安全技術として「レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報&車線維持)」や「プリクラッシュセーフティシステム(衝突被害軽減ブレーキ)」を。運転支援技術として「オートマチックハイビーム」や「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付き前方車輌追従機能)」といった技術を装備しています。

【レビュー】のまとめ

「トヨタ・プリウス α S(5人乗り)」は、3代目プリウスのプラットフォームをベースに、一回りボディを拡大したプリウスのステーションワゴン(5ドア)です。

基本的なパワーユニットはプリウスと同じものの、ホイールベースが拡大されボディも重くなっているため、上質で穏やかな乗り味を持ちます。

ボディ拡大に伴って室内空間も大きくなり、特に後席や荷室スペースはベーシックなプリウスとは比べ物になりません。

「ベーシックなプリウスでは室内が狭すぎて使い勝手が悪い」とか、「ちょっとだけ上質なハイブリッドカーが欲しい」といった人にピッタリな車です。

中古車市場では

2017年式「トヨタ・プリウス α S(5人乗り)」で220万円前後。2011年式で100万円前後となります(2018年3月現在)。

価格

価格 | 2,708,640円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)