今回の【評価レビュー】は「新型 キャデラック XT5 クロスオーバー ラグジュアリー」。
2017年にフルモデルチェンジした、MクラスのクロスオーバーSUV(5ドアハッチバック)。
MクラスのクロスオーバーSUVは、北米を中心に高い人気を誇るジャンルです。ライバル車種にもBMWX3やアウディQ5、メルセデスベンツGLCと強豪が揃います。
そんな中、キャデラックが送り出す「XT5」は、旧世代SRXから新たなネーミングを得て大きく進化。欧州勢と比較しても遜色の無い高い質感とカッコいいスタイリングを与えられています。
「XT5」の「XT」とは、「クロスオーバー・ツーリング」のこと。過酷なロングドライブをも快適にこなすクロスオーバーSUVです。
レイアウトは前輪駆動をベースとする4WD。北米では廉価なFFモデルも販売されますが、日本市場では4WDのみとなります。
※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「【評価レビュー】のまとめ」をどうぞ。
外観
全長4825mmX全幅1915mmX全高1700mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2860mmとなります。
SRXのアメリカンで大味なスタイリングから一転。ラグジュアリーSUVにふさわしい上質感を身に着けています。
フロント
むっちりとした張りのあるフロントノーズに五角形の大型グリル。小さな角型ヘッドライト、J字型に垂れ下がるLEDライナーが組み合わされ、威風堂々とした上質なフロントフェイスを形づくっています。
サイド
重厚感あふれるボディに傾斜の強いAピラー(一番前の柱)とDピラー(一番後の柱)を組み合わせた、スタイリッシュなクロスオーバーSUV。
フロントやサイド、ウィンドウ周りにメッキモールドが控えめにあしらわれ、上質感を強調しています。
リア
塊感の強いリアエンドにL字型テールランプ、傾斜の強いリアウィンドウ。どっしりとした安定感と力強さを感じさせる後ろ姿。
内装
カーボン アルカンターラ
しっとりとした樹脂に本革素材、キリッとした質感のメタリックパーツを組み合わせた上質感あふれる室内。水平基調の線が少ないため、アメ車らしいダイナミックさが感じられます。
ダッシュボード中央には大きな液晶ディスプレイが装備され、「Apple CarPlay」や「Android Auto」と接続することもできます。
シート
前席は、しなやかな本革表皮にストローク感のあるクッションを組み合わせた快適なシート。長距離ドライブでも疲れが少ないです。
後席は、足元、頭上空間ともに十分。シートサイズもたっぷりとしており、大人二人で座っても余裕があります。
荷室
荷室は幅、奥行きともに広大で、ステーションワゴンなみの容量があります。これなら荷物の嵩張るキャンプも可能です。
リアバンパー下に足先を入れるとテールゲートが自動的に開閉。
静粛性
室内にはしっかりと遮音材がほどこされており、静粛性も申し分ありません。
エンジンとミッション
3649cc・V型6気筒DOHCエンジンに、8速ATが組み合わされます。
314ps/6700rpmの最高出力と、37.5kgf・m/5000rpmの最大トルクを発揮。
車両重量1990kg。
エンジン
キャデラックCT6にも搭載される、3.6リッターV6ツインカムエンジンで4輪を駆動(4WD)。低速からフラットなトルクを発生する扱いやすいエンジン。出足は滑らかで力強く、上質なフィールです。中高速での伸びも穏やかで、大排気量自然吸気エンジンならではのゆったりとした力強さとリニアな反応が楽しめます。
トランスミッション
トルコン式の8速ATを装備。リニアなトルク感を活かした、切れ味の良い変速フィール。
乗り心地とハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。
乗り心地
装着されるタイヤは前後ともに235/65R18。
やや引き締まった印象のしなやかな乗り味。路面からの情報が豊富で、走りの実感が高いです。
高速域ではサスがしっかりと上下して路面の段差を吸収。ボディをフラットに保ったまま安定した直進をみせます。SUV特有のユサユサとした揺れも最小限に抑えられています。
ハンドリング
重厚感を伴った素直なステアリングフィール。上屋の揺れも最小限に抑えられており、適度なロールを伴った粘り腰のコーナリングをみせます。
操舵と挙動の一体感が高いため、ボディが一回り小さく感じられます。
その他
先進安全技術は、レーザーとカメラ、超音波センサーを搭載した最新型。「フロント歩行者対応ブレーキ(衝突被害低減ブレーキ)」や「インテリビーム(自動ハイビーム)」などが装備されます。
【評価レビュー】のまとめ
「キャデラック XT5 クロスオーバー」は、GM社が送り出すMクラスのクロスオーバーSUV。
アメ車らしさを残したカッコいい内外装に上質な質感が加えられ、欧州ライバル勢と比較しても見劣りすることはありません。
パワフルでスムーズな3.6L自然吸気エンジンは、ダウンサイジングターボ全盛のライバルに対して自然吸気ならではの伸びやかでリニアなフィールが魅力です。
ステアリングフィールは自然でリニア。古き良きアメ車のような大味さはありません。室内や荷室スペースも広々としており、十分な実用性があります。
「実用性の高いプレミアムSUVを探している」とか、「欧州車には飽きた」なんて人にオススメしたい車です。
中古車市場では
「キャデラック XT5 クロスオーバー」は登場したばかりなので市場にタマがほとんどありません。旧モデル「2016年式 キャデラックSRX」なら400万円台前半となります(2018年1月現在)。
価格
価格 | 6,685,200円(消費税込み)