今回の旧型レポートは「日産 ブルーバード シルフィ 20G(2代目)」。
2005年から2012年に渡って製造販売されていた、小型の4ドアセダンです。
ベースとなるプラットフォーム(基本骨格)には、日産ティーダと共通のものが使われています。
また、メインターゲットを40代の女性と定めており、女性の目線に立った細やかな作り込みが施されています。
外観
全長4610mmX全幅1695mmX全高1510mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2700mmとなります。
ふくよかなボディに、メカニカルな形状のヘッドライトをあわせ持つ、モダンで優しい印象のスタイリング。
フロント
がっちりとした肉厚のフロントノーズに、複雑な形状のヘッドライトが組み合わされます。重厚感を持ちつつも上品な印象のフロントフェイスです。
サイド
なだらかな弧を描くように形作られた大きなキャビンに、ふくよかで肉付きの良いボディサイドが印象的です。しっとりとした大人の色気を感じさせます。
リア
もっちりとしたヒップラインに薄型のリアコンビランプがレイアウトされます。傾斜の強いリアウィンドウと相まって、グラマラスでモダンなリアエンドを構成しています。
内装
ベースとなるティーダと多くのイメージを共有するインテリアデザイン。しっとりとした質感の樹脂に木目調の化粧パネルが組み合わされます。
ボディの見切りも良く、背の低い女性でもしっかりとした視界が確保できるように配慮がなされています。
シート
前席には乗員を包み込むような形状のシートが装備されます。やわらかな表面の当たりとたっぷりとしたストローク、適度なコシがバランスした座り心地の良いシートです。これなら長時間ドライブも苦になりません。
後席は、たっぷりとしたサイズの座面と十分な高さのあるシートバックが装備されます。足元にはLクラスセダン並の広大なスペースが確保されており、成人男性ふたりであっても十分な余裕を持って座ることができます。シート中央にはドリンクホルダー付きのアームレストが装備され、長距離ドライブでも疲れにくい工夫が施されています。
荷室
ややサスペンションの張り出しが気になりますが、荷室容量自体は十分です。家族4人で2泊3日旅行くらいであらば余裕を持ってこなすことが出来ます。
静粛性
静かでスムーズなエンジンが搭載されるため、室内の静粛性は高いです。
エンジンとミッション
1997ccの直列4気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、133ps/5200rpmの最高出力と、19.5kgf・m/4400rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1230kg。10モード/10・15モード燃費は、16.0km/l。JC08モード燃費は、13.4/l。
エンジン
2.0Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。低速からフラットなトルクを発生する扱いやすいエンジンです。急な坂道でもたつくこともありません。
ノイズやバイブレーションも少なく、スムーズに加速することができます。
トランスミッション
金属ベルトとプーリーによって無段階に変速するエクストロニックCVTを装備。CVTの違和感を最小限に抑え、素早い変速とアクセル操作に対する高いレスポンスを実現しています。
足回りとハンドリング
前輪にストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
やや引き締まった印象の乗り味。といってもスポーティなほどではありません。重厚感のある快適な乗り心地です。
高速域での安定性も高く、フラットな姿勢を維持して何事も無かったかのように巡航します。
ハンドリング
若干重めのステアリングフィール。乗用車らしい中庸なフィールで、長時間ドライブをこなしても疲れにくいです。
評価のまとめ
ターゲットは40代の女性という事ですが、実際に乗ってみると性別に関係なく中高年層にぴったりな扱いやすい車だと思いました。
特に広々とした室内空間と荷室スペースはクラス標準レベルを超えています。やや硬めの足回りは気になるものの、不快なほどではありません。扱いやすいエンジンと相まって、使い勝手の良い車に仕上がっています。
「普段は通勤に使い、週末は奥さんとドライブに出かける」といったニーズにピッタリな車です。
日本ではこういった小型セダンの人気が極端に低く、程度の良い極上の中古車であっても、ビックリするくらい安い価格で購入することができます。「見た目の地味さは全く気にならない」という人や、「ミニバンやコンパクトカーよりも、小型セダンが好き」という人とっては、ここ最近の中古車市場は、まさに「買わなきゃ損」のお得なボーナスタイムといえます。
価格
新車当時の価格 | 2,362,500円(消費税込み)