今回の旧型レポートは「10代目 トヨタ カローラ アクシオ G」。
2006年から2012年に渡って製造販売されていた、小型4ドア・セダンです。
カローラ・アクシオとしては初代、カローラ・セダンとしては10代目となるモデルです。この他にステーションワゴンの「フィールダー」、ハイトワゴンの「ルミオン」がラインナップされています。
プラットフォーム(車の基本構造)には先代カローラの車台が使われ、ホイールベース、全幅、全長などのディメンジョンも先代と同じです。全体の雰囲気もよく似ており、モデルチェンジというよりもマイナーチェンジと言ったほうがしっくりときます。
外観
全長4410mmX全幅1695mmX全高1460mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2600mmとなります。
オーソドックスなセダン・スタイルと、近未来的なワンモーションフォルムが絶妙に組み合わされています。
フロント
ゆったりとした厚みのあるフロントノーズに、特徴的な形状のヘッドライトが装備されます。カローラにふさわしい、オーソドックスで嫌味のないフロントフェイスです。
サイド
短いフロントノーズに巨大なキャビン(室内空間)が組み合わされます。古典的なセダンスタイルというよりも、少しプリウスの影響を感じる近未来的なワンモーションフォルムに近い印象です。
リア
リアエンドは、しっかりとトランクスペースの確保されたオーソドックスなスタイリングです。リアコンビランプにはヘッドライトで使われたモチーフが繰り返され、前後でイメージの統一がはかられています。
内装
プラスチッキーでシンプルなデザインの内装。メーターナセルには大型の2眼メーターが装備され、充分な視認性が確保されています。ごくオーソドックスな内容のデザインです。
シート
フロントシートにはあたりの柔らかな快適なシートを装備。体圧が集中しがちで身体が痛くなりやすいですが、中距離(30km)程度の移動であれば問題ありません。
リアシートは、足元、頭上空間ともに充分なスペースがあります。ややシートバックの傾斜がキツイものの、大人二人が余裕を持って座ることができます。
荷室
セダンらしい広々とした荷室です。家族4人であれば、2泊3日旅行も充分可能です。リアシートを7:3で折りたたむ事によって、長いものでも簡単に搭載することができます。
静粛性
エンジン透過音、ロードノイズ、風切音ともにしっかりと遮音されており、室内の静粛性は高いです。
エンジンとミッション
1496ccの直列4気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、110ps/6000rpmの最高出力と、14.3kgf・m/4400rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1140kg。10モード/10・15モード燃費は、20.0km/lとなります。
エンジン
1.5Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。それほどパワフルなエンジンではありませんが、市街地など日常領域では必要充分の力を発揮します。低回転域からそれなりのトルクが出ており出足でもたつく事もありません。
トランスミッション
ベルトとプーリーでシームレスに変速するCVTを装備。エンジンとの相性もよく、トルクのある回転域に合わせて適切な制御を行います。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
路面が荒れていると若干バタつく印象もありますが、乗り心地自体はソフトで快適です。高速域での安定性も高く、フラットな姿勢を維持して真っ直ぐに直進します。
ハンドリング
ドライバーの意思に正確に反応する、素直なハンドリング。ハンドリングスピード自体はスローですが、大衆セダンにふさわしいゆったりとしたフィールが気持ちいいです。
評価のまとめ
モデルチェンジといっても、先代カローラのプラットフォームが再び流用され、車自体のイメージはそれほど変わりません。その分、内容はさらに磨き込まれており熟成の域に達しています。
コンパクトなボディに優れたパッケージングが施され、室内には広々とした空間が拡がります。CVTとエンジンのマッチングも素晴らしく、市街地など日常領域ではスムーズで充分な走りを披露します。
中高年以上のユーザーが通勤や普段の足に使うにはピッタリな車です。もちろん、若い人が使っても良いのですが、若々しイメージは希薄です。
「車はそこそこの人と荷物が積めて快適に走ればそれでいい」と考えている人には最適な選択です。
価格
新車当時の価格 | 1,670,000円(消費税込み)