今回の旧型レポートは「3代目 スズキ スイフト XS」。
2011年から2016年に渡って製造販売されていた、コンパクトな5ドアハッチバックです。
個性的な外観と欧州車のようなしっかりとした足回りが受け、高い人気を得ていた先代のコンセプトをそのまま継承しています。見た目の印象もほとんど先代と変わりませんが、その中身にはしっかりとした熟成と進化がほどこされています。
ライバル車としては、トヨタ・ヴィッツやホンダ・フィット、マツダ・デミオなどがあります。
外観
全長3850mmX全幅1695mmX全高1510mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2430mmとなります。
ひと目でスイフトだと分かる、オリジナリティあふれる存在感のあるスタイリング。
フロント
ブラックアウトされたAピラーに、丸みのあるスムーズなフロントノーズ。スイフトならではのオリジナリティあふれる縦型ヘッドライトが組み合わされます。キビキビとした俊敏さと優しい表情が上手く表現されています。
サイド
キャビンに対して、サイドパネルの面積が大きいため、重心が低く力強いサイドビューを構成しています。前後ギリギリにレイアウトされたホイールと、どっしりとしたフェンダーが相まって、フットワークの軽さをイメージさせます。
リア
小さく絞り込まれたキャビンと、大地を踏みしめるように広がるリアフェンダーが組み合わされ、どっしりとした安定感を感じさせます。リアコンビランプには、ヘッドライトのデザインが反復され全体の統一感を高めています。
内装
しっとりとした質感のパネルに、にぶく光るメタリック素材が組み合わされます。機能が適切に整理され、シンプルで使い勝手の良い内装に仕上がっています。
シート
一体成型による簡素なフロントシートが装備されます。適度なサイドサポートと硬さ、コシが与えられ、中距離(30km)程度であれば快適に移動することができます。
リアシートは、ホイールベースが拡大された事に加えて、前席シートの下につま先を入れるスペースがあるため、大人が何とか座れるだけのスペースが確保されています。
荷室
荷室容量自体は標準的なものですが、リアハッチの開口部が若干小さいため、荷物の出し入れがしづらいです。家族4人であれば、2泊3日旅行くらいは可能です。
静粛性
エンジン回転が低く保たれているため、室内の静粛性に問題はありません。風切音、ロードノイズともにクラス標準レベルです。
エンジンとミッション
1242ccの直列4気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、91ps/6000rpmの最高出力と、12.0kgf・m/4800rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量990kg。10モード/10・15モード燃費は、12.0km/l。JC08モード燃費は、20.6km/h。
エンジン
1.2Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。やや高回転型のエンジンながら、CVTのマッチングが優れており必要十分のパワーを引き出します。
全長が拡大されたにも関わらず、驚くことに、車両重量自体は軽くなっています。そのおかげで動力性能やハンドリング、燃費性能など様々な面に良い影響が生じています。
トランスミッション
副変速機付きのCVTを装備。エンジンのおいしいところを巧みに使って力強く加速します。エンジン回転が低く保たれるため、スムーズで振動の少ない走りが可能です。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
少し引き締まったスポーティな足回り。ライバル欧州車がスタビリティを保ちながら、快適な乗り心地を実現している事を考えると、もう少しソフトなセッティングでもいいのかなと思います。
目地段差では、コツコツとした硬質な衝撃を車内に伝えます。
ハンドリング
キビキビとした切れ味の良いステアリングフィール。ドライバーの操舵に対して素直な動きで応えます。
評価のまとめ
必要十分の動力性能に、良く出来た副変速機付きのCVT。コンパクトな外観に効率の良い室内空間。独特の存在感をもつ個性的なスタイリング。大成功をおさめた先代の魅力をそのまま受け継ぎ、さらに熟成進化して魅力的なクルマに生まれ変わりました。
「使い勝手の良いコンパクトカーを探しているが、ヴィッツやフィットではありふれていて面白くない」とか、「コンパクトカーでも走りの楽しい車が良い」といった人にオススメです。
具体的には、「独身者で通勤の足に使いたい」とか、「高齢者が引退後の移動に使いたい」、また「すでに自宅には大きなミニバンがあるので、お母さん用にコンパクトカーが欲しい」といった幅広いニーズに応えることができます。
価格
新車当時の価格 | 1,475,250円(消費税込み)