今回は「新型 ジャガー F-TYPE R AWD クーペ」を試乗レポート。
2013年にコンバーチブルが登場した後、少し遅れて2014年からこのクーペが販売されています。
ボディからシャシーまで多くの部品にアルミニウムが使われた、2ドア・スポーツ・クーペです。
外観
全長4470mmX全幅1925mmX全高1315mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2620mmとなります。
肉感的な曲線を全身にまとった、力強くもエレガントな雰囲気を持つスタイリングです。
フロント
優美なラインで構成されたフロントノーズに、小さな縦型ヘッドライトが装備されます。上質でスポーティなイメージのフロントフェイスです。
サイド
ロングノーズ&ショートデッキの古典的FRルック。流れるようなルーフと低いボディが組み合わされ、優美な大人の雰囲気を感じさせます。
リア
流れるようなルーフラインと、フロントフェンダーから連続する力強いキャラクターラインが、リアエンドでギュッと絞り込まれ、美しいファストバックスタイルを構成しています。
内装
オレンジのステッチが施された本革内装。ダッシュボードから天井までぐるりと本革素材が張り巡らされ、しっとりとした大人っぽい雰囲気が漂います。
後方視界は流石にセダンやハッチバックのようにはいきませんが、バックモニターを併用することでそれほど不自由さは感じられません。大きなボディと低いヒップポイントが相まって、前後左右の視界はかなり制限されています。
シート
がっちりとした肉厚のクッションに、しなやかな本革表皮が組み合わされます。立体的な形状と相まって、長時間ドライブでも疲れを感じにくいシート構造です。
シートヒーターが標準で装備されるため、寒い冬の朝も快適なドライブが可能です。
荷室
リアに小さなトランクスペースが用意されます。小さいといっても結構奥行きがあるので、積み方を工夫すれば2人で1泊2日旅行くらいは可能です。
静粛性
巡航時は比較的静かですが、アクセルを踏み込むと猛々しいサウンドが車内に進入してきます。
エンジンとミッション
4999ccのV型8気筒DOHCスーパーチャージャーに、8速ATが組み合わされます。
エンジンは、550ps/6500rpmの最高出力と、69.3kgf・m/3500rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1860kg。JC08モード燃費は、8.1km/lとなります。
エンジン
5.0Lツインカム・スーパーチャージャーで4輪を駆動。大排気量エンジンをスーパーチャージャーによって過給しているため、低速域から力強いトルクが立ち上がります。走り始めはいたってスムーズですが、中高速ではたっぷりとしたトルクを使ってパワフルな加速をみせます。
パワフルと言ってもそのフィールはいたって緻密でコントローラブル。アクセルの加減によって意のままにこの大きなボディを操ることができます。
さらにそこからアクセルを踏み込むと、これぞスポーツカー!といった猛々しいエンジンサウンドが車内に響きます。ご近所迷惑が心配な方には、オプションとしてセンターフラップを使った「サウンド・コントローラー」も用意されます。
トランスミッション
搭載されるトルクコンバーター式の8速ATは、DCTほどではありませんが、ダイレクトなフィールと素早い変速スピードを持ったスポーティなトランスミッションです。
足回りとハンドリング
前後ともにダブルウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。
足回り
適度に引き締まったスポーティな足回り。路面の段差では僅かに突き上げ感がありますが、ストロークのたっぷりとしたサスによって不快な衝撃はキレイに遮断されます。
ハンドリング
しっとりとした質感を伴ったリニアなハンドリングです。初期操舵から正確に反応して、しなやかにノーズの向きを変え始めます。といっても過敏なところは一切無く、ジャガーらしい深い味わいのあるフィールです。
評価のまとめ
ジャガーシリーズ最高峰のスペックを持つ、超高性能スポーツカー。高い性能を持つといっても、そこはジャガー。緻密で上質なフィールを感じさせる、大人のスポーツクーペに仕上がっています。
週末や長期休暇でロングドライブに出かけたり、山道や高速道路で運転を楽しむのにピッタリな車です。
といっても、市街地などの日常領域でも充分対応できる懐の深さも持ち合わせています。「ウィークデーは通勤や買い物にも使いたい」といった人が購入しても後悔することはありません。
価格
価格 | 14,730,000円(消費税込み)