今回の旧型レポートは「3代目 トヨタ セルシオ C仕様 Fパッケージ インテリアセレクション(XF30)」。
2000年から2006年に渡って製造販売されていた、トヨタの最高級Lクラス・セダンです。
海外では「レクサスLS」として販売されていましたが、日本では「レクサス」ブランドが未展開であったため、「トヨタ・セルシオ」の名称が使われています。
しかし、2005年になると日本国内でもレクサスブランドを展開することが決まり、「トヨタ・セルシオ」はこの3代目で終わりを告げます。その後の4代目モデルからは、海外と同様「レクサスLS」に統一されています。
外観
全長4995mmX全幅1830mmX全高1470mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2925mmとなります。
フロント
重厚感と穏やかさ、高級車にふさわしい威厳を併せ持つ上質なフロントフェイス。初代から2代目、そしてこの3代目と、よく似たイメージを持ちながらも、実際に施されたディティールは大きく違います。
サイド
ロングノーズ&ビッグキャビン。古典的なFRルックをもつ美しいサイドビュー。サイドパネルがしっかりと立っているため、どっしりとした重厚感を感じさせます。
リア
幅の広いリアエンドに、穏やかなラインで構成されたリアコンビランプがレイアウトされ、優しい表情を持ちながらもどっしりとした重厚感を感じさせます。
内装
旧世代のトヨタ車によく見られた、穏やかな印象を持つ上質なインテリアデザイン。上質な樹脂と木目素材、本革のコンビネーションは秀逸です。
先代からホイールベースが75mm拡大され、車内には広々とした余裕があります。
シート
どっしりとした重厚感のあるフロントシート。上質な本革表皮に、ストロークのたっぷりとした高価なクッションが組み合わされ、長距離ドライブでも快適にこなすことができます。
リアシートには、足元、頭上空間ともに充分以上の余裕があります。このセルシオは「ショーファードリブン(運転手付き)」としても使われる事が多いため、リアシートの開発にあたっては、航空機のファーストクラスが参考にされています。
荷室
たっぷりとした幅と奥行きを持つ、広大な荷室スペースです。開口部も広く真四角なため、重い荷物の出し入れも快適に行えます。
これだけの広さがあれば、家族4人でキャンプも可能ですね。
静粛性
室内にはふんだんに遮音材が施されており、ほぼ無音といってもいいくらいの圧倒的な静粛性を持ちます。
エンジンとミッション
4292ccのV型8気筒DOHCエンジンに、5速ATが組み合わされます。
エンジンは、280ps/5600rpmの最高出力と、43.8kgf・m/3400rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1840kg。10モード/10・15モード燃費は、8.2km/lとなります。
エンジン
4.3LのV8ツインカムエンジンで後輪を駆動。排気量を拡大することで、先代以上の加速性能を手にしています。低速域からたっぷりとしたトルクを発生、出足から日常領域まで力強い走りが可能です。走りのフィールもウルトラスムーズ。どの速度レンジにおいても、最上級の質感を味わうことができます。
トランスミッション
組み合わされるトランスミッションは、トヨタの最上級セダンにふさわしい、質感の高いスムーズかつダイレクトな変速フィールです。シフト・ショックもほとんど感じられません。
足回りとハンドリング
前後ともにダブルウィッシュボーン式エア・サスペンションが装備されます。
足回り
上質で柔らかな乗り味を持つ、快適な足回り。といっても乗り味の芯にはどっしりとした重厚感があり、高速域でも抜群の安定性を誇ります。
ハンドリング
高剛性ボディに高価なエアサスが組み合わされ、負荷の高まる高速域でも安定したハンドリングが可能です。
ステアリング速度はスローなセッティングですが、ドライバーの操舵に対してリニアに反応するため、ゆったりとしたドライブを楽しむことができます。
評価のまとめ
先代のセルシオから大きく手が加えられ、走る、曲がる、止まるのレベルがさらに向上しています。
しっとりとした柔らかで快適な乗り味と、低速域から高速域まで抜群の安定性。日本の速度レンジ内であれば、ドイツ高級車勢にも引けを取りません。
この日本が世界に誇る名車を、今では100万円を切る価格で手に入れることができます。丁寧に扱われた個体を探してしっかりとメンテナンスをしてやれば、まだまだ充分に上質な走りを味わうことができます。
VIPカー好きな若者が、ローダウンして乗ることが多いセルシオの中古車ですが、できればノーマルのまましばらくその上質な走りを堪能してもらいたいとオジサンは思います。
価格
新車当時の価格 | 7,300,000円