自動車の保険には、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、ユーザーが加入を自分の意思で決定する「任意保険」があります。
万が一、相手に大きな損害や怪我を負わしてしまった場合、自賠責保険だけでは補償しきれませんので、多くの人は同時に「任意保険」にも加入しています。
ただし、この任意保険に「車両保険」という、自分の車に対しての損害を補償する保険を付帯すると、とたんに値段が跳ね上がります。そのため、現状では4割以上の人が車両保険に入っていないのです。
そこで今回は、この「車両保険」に安く加入するための方法について解説します。※時間が無い人は、次の章をすっ飛ばして、第二章からお読みください。
「車両保険」に入らない事のデメリット
車両保険に入っていない状態で、交通事故を起こしてしまうと、相手の損害は補償はされますが、自分の車に対する補償を受ける事はできません。
「俺は、絶対に安全な運転を心がけているから大丈夫!」という人も、事故の場合は「過失割合」というのをご存知でしょうか?
車が走っている時に事故を起こすと、例え相手に大きな責任があっても「過失割合」が0対100となる事はほとんどありません。良くて20対80、悪ければ40対60といった事もあります。例えば、自分の車の損害が100万円だとすれば、過失割合が40対60の場合、40万円を自腹で支払う事になるのです。
この時、車両保険に加入していればこの40万円を払う必要はありません。そういった意味からも、新車や高級車など車両価格の高い車に乗っている人は、この車両保険に入っていた方が安心なのです。
補償を限定する事で値段を安く抑えた「エコノミー車両保険」
そうはいっても車両保険の値段を考えると、中々踏ん切りがつかないのも仕方ありません。
そういった人の為に、自動車保険会社では「エコノミー車両保険」というものを用意しています。この「エコノミー車両保険」は、補償の対象を「車対車」で、なおかつ相手がハッキリと分かる場合に限定して補償しています。
つまり、落書きやイタズラ、当て逃げ、転覆、墜落、ガードレールや建物に自分の車をぶつけた自損事故の場合は保険金が支払われません。
その代わり保険の値段は「一般車両保険」と比べると圧倒的に安く、半分以下となります。
「エコノミー車両保険」に幾つかの補償を加える「限定特約」
エコノミー車両保険が安いのは分かったけど、補償の内容がちょっと物足りないという人には、エコノミー車両保険に、幾つかの補償を加える「限定特約」がオススメです。
この限定特約を付帯すると、エコノミー車両保険の補償内容に、天災や盗難、イタズラなどの補償が加えられます(自損事故は補償されません)。保険の値段も「エコノミー車両保険」よりは高くなりますが、「一般車両保険」よりは圧倒的にお得です。
車両保険に「免責」を付ける事で更にお安く
その他には、車両保険に「免責」を付ける事でも、さらに保険金を安く抑えることができます。この「免責」とは、車両保険で損害を補償してもらう時、その金額のうちいくらかを、保険加入者が支払うことで保険の値段を安くしてもらう契約条件の事です。
例えば、免責額が5万円の場合、車両保険の損害として30万円の補償を受けるには、その内の5万円を保険加入者が自腹で支払い、残りの25万円を保険会社から受け取るという事になります。
当然ならが、損害額が5万円以内の場合、保険加入者が受け取る保険金は0円となります。
※補償の内容及び保険の名称は、自動車保険会社により微妙に異なります。詳しくは、各保険会社に直接お問い合わせください。