ドライブしていると目にする事の多い「◯◯まで◯◯km」と表記される道路標識ですが、この距離数は正確にはどこまでの距離を表しているのでしょうか?
例えば、「東京まで100km」といっても、東京自体がかなり広く、端から端、「江戸川区」から「西多摩郡」まで移動すると、自動車でも3時間以上、120km以上の距離があります。
厳密に「東京まで100km」と表示してあるからには、どこか起点となる場所が定められているはずです。「大体東京のへんだよ」なんてアバウトに決められているはずはありません。
距離を計算するための基本的なルールとは
こういった距離数を表示している標識には、当然ながらその距離を計算するための基本的なルールがあります。
それは、「その道で行ける一番遠くの大都市」を目標として、「その大都市の中心部までの距離が表示される」というルールです。
中心部とは役所のある場所の事ですから、さらに厳密に言うと、その大都市の中にある役所の正面玄関までの距離という事になります。
例えば、「岡山まで23km」なら岡山県庁の正面玄関まで23kmという事になりますし、「長崎まで30km」なら長崎県庁の正面玄関まで30kmとなります。
都市によってはルールが適用されない場合も
ただし、これには例外もあります。あまりにも都市の中心部から役所が離れた所にある場合は、その役所の場所ではなく、中心部にある駅、繁華街、主要交差点が中心として設定されます。
その他には、名古屋の場合は、標識によって「愛知県庁」が中心に設定されている場合や、「栄交差点」が設定されている場合、その他には「東山公園」が設定されている場合もあります。
この記事のタイトルにもなっている「東京まで100km」の場合は、主要幹線道路7路線の起点となっている「日本橋」が中心として設定されています。
つまり「東京まで100km」という時には、日本橋まで100kmという事になります。
高速道路の場合
高速道路の場合は、その都市の中心部までの距離ではなく、インターチェンジ出口までの距離が表示されます。高速道路で「東京まで100km」と表示されている場合は、「東京I.C.まで100km」という事になります。
この高速道路の距離表示ですが、このインターチェンジまでの距離に加えて、そのほかに、道路脇に小さく「100km」などと表記された四角い標識があります。
これは「キロポスト」と呼ばれるもので、インターチェンジまでの距離を表すものでな無く、高速道路の起点からの距離を表しています。主に道路整備のために使われる表示ですが、一般のドライバーにとっても重要な標識となることがあります。
高速道路は通常の道路と違って目印となるものがほとんどありません。そのため、万が一交通事故を起こして救助を要請する場合は、正確な場所を伝えることが難しくなります。
その時にこの「キロポスト」の距離を使うことで、正確な場所を伝えることができるのです。