ガソリンが急激に値上がりしている時とか、しばらくガソリンスタンドの無い場所(山奥など)で車を使う時、または突然のガス欠に備えてトランクに用意しておくと便利なのが「ガソリン携行缶」です。
ただし、ガソリンは非常に揮発性が高く、引火しやすい危険な物質です。これを保管する携行缶の使用にも、細心の注意が必要となります。
そこで今回はこの「ガソリン携行缶」について、正しく安全に使うためのポイントをいくつか紹介しておきます。
ガソリンは気化しやすく燃えやすい
セルフガソリンスタンドでガソリンを給油していると、なんとも言えない独特のガソリン臭が鼻をつきます。また、ガソリン給油口を給油中に眺めていると、モワモワとした透明感のある湯気のようなものが立ち上っている事もあります。
これは、気化したガソリンが空気中に拡散している時に起こる現象です。
水が気化する温度は一般的に0度~100度と言われていますが、ガソリンの場合は、-40度から気化が起こります。また、気化したガソリンは引火しやすく、火元が離れていても爆発的に燃焼するという危険な特性を持っています。
そのため、ガソリン携行缶にガソリンを入れて保管する際は、しっかりと蓋を密閉して、火の気の無い冷暗所に保管する必要があります。
長期間の保管は出来ない
長期間に渡って、ガソリン携行缶にガソリンを入れて保管していると、ガソリンは徐々に劣化して本来の性能を発揮できなくなります。
この劣化したガソリンを車に給油して使うと、エンジンにダメージを与える可能性があります。保存状態が悪い場合、数ヶ月で劣化することもありますので、長期保存目的でのガソリン携行缶の使用は控えてください。
灯油用のポリタンクは使えない
ガソリンの保管には、専用のガソリン携行缶を使用してください。灯油用のポリタンク(ポリエチレン缶)を使うと、ポリタンクの静電気が気化したガソリンに引火して、爆発的な燃焼を起こすことがあります。
また、ガソリン携行缶には品質を保証する認証マークがあります。「危険物保安技術協会」が発行する「KHK」マークです。これが携行缶に付いていれば、「危険物保安技術協会」によって品質が保証されている事になります。
ガソリン携行缶を購入する時は、安さで安易に選ばず、この「KHK」マークが添付されたものを選んでください。
セルフ式ガソリンスタンドで給油する事はできない
セルフ式ガソリンスタンドでは、自分で車にガソリンを給油することができます。ただし、ガソリン携行缶の場合は別。自分で給油すると法律違反となります。
ガソリン携行缶にガソリンを給油する時は、必ずフルサービスのガソリンスタンドで、スタッフに給油してもらってください。
車に積む時の注意点
ガソリンを携行缶に入れて車で運ぶ時、万が一、缶からガソリンがこぼれたら大変です。車にガソリン携行缶を積む時は、しっかりと缶を車に固定して、キャップに緩みの無いように注意してください。