今回の旧型レポートは「4代目 アウディ 80 2.8E シュポルト(1992年)」。
1992年にモデルチェンジが行われたMクラス4ドアセダンです。
3年後の1995年に実質的な後継車「アウディA4」が発売され、「80」のモデル名は消滅することになります。
初代 アウディ A4 アバント(B5系)【旧型試乗】程よい上質感を伴ったスタイリッシュなボディ [E-8DAGA]
外観
全長4485mmX全幅1695mmX全高1400mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2610mmとなります。
先代のイメージをほぼそのまま踏襲し、ホイールベースとトレッドを拡大。居住スペースの拡大と走行安定性の向上を同時に実現しています。
5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディ。日本の道路事情にぴったりと合った取り回しの良さが嬉しいです。
フロント
ふっくらとした上品なラインを持つフロントフェイス。先代からグリル周りのデザインが変更され、立体的な彫りの深い表情を持ちます。
サイド
端正な水平貴重のサイドビュー。シンプルなラインで構成されたクリーンなデザインが施され、都会的な趣味の良さを感じさせます。
リア
重厚感のあるリアビューに、左右で一体化されたリアコンビランプが組み合わされます。硬質感のある上品なリアエンドです。
内装
しっとりとした樹脂に上質な本革とウッドが組み合わされ、趣味の良さを感じさせる上質な内装です。
メーターナセルには、大型の二連メーターが装備され、視認性も抜群です。
シート
適度なサイドサポートの施された立体的なフロントシート。しっとりとした表皮に、コシのあるウレタンが組み合わされ、長時間座っていても疲れにくい快適なシートです。
ホイールベースが拡大された事もあり、リアシートの足元には適度な余裕があります。シート自体の作りも上質で、座り心地の良い快適なシートです。
荷室
リアシートと荷室の間にあったガソリンタンクは床下に移動され、ホイールベースの拡大とあいまって、たっぷりとした荷室を実現しています。
家族4人でキャンプに行っても困ることはありません。
静粛性
エンジンとミッション
2771ccのV型6気筒SOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、170ps/5500rpmの最高出力と、25.5kgf・m/3000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1400kg。
先代と見た目はほとんど変わらないものの、シャシーやエンジン、トランスミッションは全て新しく刷新されています。3年後の「A4」登場を見越した、暫定的なモデルチェンジだったのかもしれません。
エンジン
2.8LのV6エンジンで前輪を駆動します。低速から力強いトルクを発生するパワフルで扱いやすいエンジンです。フィールも上質かつスムーズ。抜群の快適性を誇ります。
トランスミッション
エンジンの低速トルクが太いため、市街地走行においては、頻繁な変速やエンジン回転の高まりを必要としません。ダイレクト感あふれるスムーズなトランスミッションです。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
引き締まったスポーティな足回りが装備されます。といっても適度なしなやかさを併せ持つため、ゴツゴツとした不快な印象はありません。
高速域ではビシっとした直進安定性を示します。ただ、高級車にしてはFF独特のバイブレーションがちょっと気になります。
ハンドリング
重厚感のある重めのステアリングフィール。入力に対して素直にボディが反応するため、スポーティな運転の楽しさがあります。
評価のまとめ
この後、先進的コンセプトを持つ「アウディA4」の登場が控えている事もあり、そのスタイリングは先代80のコンセプトをそのまま受け継ぐ大人しい印象です。
といっても、シャシーやエンジン、トランスミッションを一新し、先代のネガを丹念につぶしているため、機械としての完成度は先代大きく上回ります。
見た目の高級感を求める人にはちょっと物足りないかもしれませんが、「走りのフィールや質感に何よりも強い拘りがある」という人にオススメしたい一台です。
価格
新車当時の価格 | 5,280,000円