2017年4月、ドイツのニュルブルクリンク・サーキットで、BMWの新型SUV「X2シリーズ」のテストカーが目撃されました。
「X3」におけるクーペバージョン「X4」のように、コンパクトSUV「X1シリーズ」のクーペバージョンとして開発が進められています。
※パリ国際モーターショーに出品された「BMW X2 Concept」の動画です。
※テストカー「BMW X2」の動画です。
市販バージョンでの変更点
X2シリーズのコンセプトカーは、2016年の10月にすでにパリ国際モーターショーで発表されています。
全体のイメージはほぼそのままコンセプトカーのものが踏襲されているものの、テストカーでは、市販化に向けて現実的なデザインのヘッドライトユニットやキャビンに変更されています。
コンセプトカーでは、薄型の鋭いヘッドライトが採用されていましたが、市販バージョンでは少し配光性能の高い大きめのライトに変更されています。
クーペルックでスタイリッシュな形状は維持されていますが、キャビンは少しだけグラスエリアが高さ方向に拡げられ、実用性が向上しています。
コンセプトカーでは、大胆な形状のフロントバンパーが採用されていましたが、テスト車両では平凡な形状に変更されています。ただし、よく観察してみると、偽装による不自然なラインがあり、コンセプトカーの形状がそのまま維持されている可能性が高いです。
コンセプトカーのスタイリングが継承されているポイント
スクープ写真とコンセプトカーを見比べると、低く抑えられたルーフによるスタイリッシュなボディがそのまま維持されていることが良くわかります。
テスト車両は、全身を偽装パターンでカモフラージュされているため、SUVよりもハッチバックに近いという事がかえって良く分かります。
「スバルXV」などのように、ハッチバックベースのSUVにより近い雰囲気です。ただし「XV」は乗用車から派生したモデルですが、「X2」はコンパクトSUVの「X1」から派生したモデルという逆のアプローチになっている点が面白い所です。
リアエンドのデザインは「ボルボV40」を彷彿とさせる、厚みのあるリアビューです。コンセプトカーと比べると若干鋭さは抑えられていますが、大まかな形状はほぼそのまま維持されています。
特徴的なジェットノズルのようなリア・フィニッシャーは、平凡な普通のマフラーに変更されています。ただし、こういったオプション装備はディーラーにとって重要な収益源ですから、後付装備として選べる可能性は高いです。
市販バージョンのメカニズム
ベースとなるX2のプラットフォームには、横置きエンジンによる前輪駆動が用いられた、2シリーズ・アクティブツアラーと同系列のプラットフォームが使われます。
これはBMWグループ内、ミニの為に作られたFFレイアウト専用プラットフォームです。そのため、すでに登場している「X1」と同じようなドライブフィールになる事が予想されます。
搭載されるエンジンは、最高出力228bhp(231馬力)、最大トルク332lbf(46kgfm)を発揮する「2.5Lディーゼル・ターボエンジン」を筆頭に、X1と同じようなグレード構成となるはずです。
また駆動方式は「X1シリーズ」と同様、前輪駆動によるFFレイアウトと、悪路走破性の高い4WDモデルが用意されます。
「BMW X2」市販バージョンの販売は、2017年後半に予定されています。
(参考:CAR Magazine website)