10代目 日産 スカイライン 25GT-V(R34)【旧型レポート】上質な乗り心地とハンドリングを持ったGTセダン [GF-ER34]

今回の【旧型レポート】は「10代目 日産 スカイライン 25GT-V(R34)」。
1998年から2001年まで製造販売されていた、Mクラスの4ドアセダンです。

スカイラインという車は歴史の長いモデルで、そのルーツは1957年に発売された「初代 プリンス・スカイライン」にまで遡ります。エンジンや足回りに革新的技術を惜しみなく投入し、当時の日本車としては最高峰の動力性能を持ってました。

その後スカイラインは、「4代目”ケンメリ”」や「5代目”ジャパン”」など印象的なモデルを経て、現在のラグジュアリーなスカイラインに繋がります。

日産スカイラインハイブリッド前面画像

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2016年3月30日

そんな歴代スカイラインの中で、40代の僕にとって最も印象深いスカイラインは、なんといっても1989年に発売された「8代目 日産・スカイライン(R32)」です。特に2ドアクーペのスタイリングは、ボディが薄くスポーティで、ギュッと引き締まったカッコ良さがたまりません!

当時、僕はお金の無い学生だったのですが、「日本車でもこんなカッコいいデザインができるんだ」とスカイラインを乗り回している同級生を羨ましく眺めていたもんです。

次のモデルチェンジ(R33)ではスポーティ路線からラグジュアリー路線へと振れたものの、評判があまり良くないという事でさらに次のモデルチェンジで再びスポーティ路線へ回帰。それが今回紹介する「10代目 日産 スカイライン 25GT-V(R34)」です。

※じっくり読む時間の無い人は、文末の「【旧型レポート】評価まとめ」を御覧ください↓
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「10代目 日産 スカイライン 25GT-V(R34)」の概要

ラグジュアリー化した先代R33の反省から、再びスポーティ路線へと回帰。しかし、当時の居住空間の広さを重視する市場動向もあり、R32のような人気は得られませんでした。マーケティングを重視しずぎると、どうしても後手後手になってしまうという典型です。こういう場合はどうしたら良いんでしょう。

加えて、よりスポーティで過激な「スバル・WRX」や「三菱ランサー・エヴォリューション」の人気もあり、走り好き層へのアピールも今ひとつでした。

といっても、欧州ライバルに匹敵するボディ剛性とスポーティなシャシーが組み合わされ、スポーティセダンとしての完成度は高いです。

その証拠に20年近くを経た現在でも、程度の良いモノであれば100万円台という高値を維持しています。「その後の再評価で希少価値が出た」というところでしょう。

プラットフォーム

基本となるプラットフォーム(基本骨格)は、日産の上級ラグジュアリーセダン「ローレル」と共有。2.5リッターのストレート6と、4速AT(マニュアルモード付き)の組み合わせで後輪を駆動します。

ライバル

ライバル車種は「トヨタ・マークⅡ」など、MクラスのFRセダン。車格から捉えればFFレイアウトの「ホンダ・アコード」や「スバル・レガシィ」なども競合するでしょう。

マイナーチェンジ情報

1991年にマイナーチェンジを実施。内外装の小変更とともに安全装備の充実。グレードの追加などが行われました。

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外観

ボディサイズ、全長4705mmX全幅1720mmX全高1375mm。ホイールベース、2665mm。

「6代目・スカイライン(R30)」を彷彿とさせるような「鉄仮面」フェイスに、スカイライン伝統の丸目4灯リアコンビランプ。直線を基調とするラインで構成された力強いスタイリング。

薄いボディに窓枠の無いサッシュレスドアが組み合わされてますね。これは、いわゆる「ハードトップ」というやつで、最近の車ではほとんど見かけません。バブル後期から20世紀末にカッコ良い車が多いのは、このあたりの制約の少なさもあるんです。

フロント

シンプルな線と面で構成された力強いフロントフェイス。ヘッドライトにはブラックベゼルが内蔵され、全体の印象をスポーティに引き締めています。

ちょっと「陸戦型ガンダム」みたいでカッコいいですね。最近はガンダム世代が続々とデザイン界に流れ込んでいるようで、それっぽいデザインを見かけると嬉しくなります。

サイド

薄く長いボディにロングノーズ(ボディ先端からフロントウィンドウ先端まで)、やや小さめのキャビン(居住空間)が組み合わされた伸びやかなスタイリング。

最新の車と比較するとやや腰が高くフロントオーバーハング(前輪からボディ先端までの長さ)も長いため、ちょっとクラシカルな印象です。

リア

スパッとナイフで切り落とされたようなリアエンドに、スカイライン伝統の丸目4灯ヘッドライト。メカニカルか硬質感が最高です。

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内装

黒い樹脂だけで構成されたシンプルな室内。変にデザインをいじくり回していないので、古臭さや安っぽさはありません。

メーターナセルにはスポーティな4眼メーターを装備。見やすいフォントで視認性も良好。

スポーティなドライビングポジションでやや目線は低いものの、ボディの端がしっかりと切り立っているため車両感覚はつかみやすいです。

シート

フロントシートは、スポーティなセミバケットタイプ。適度なサイドサポートがあるため身体がズレにくいです。腰回りにもう少し”コシ”があると申し分ありません。中距離(30km/h)程度までなら快適に移動できそうです。

リアシートは、広々というほどではありませんが大人二人が座るには十分。薄くカッコいいボディを持つ「ハードトップ」なんで、ちょっと室内が狭いのは仕方ありませんね。

荷室

トランクスペースは、スペース効率に優れる「FF」と比較するとやや狭め。それでも家族4人で2泊3日良好くらいは余裕でしょう。リアコンビランプが大きく張り出しているため、重く大きな荷物の出し入れはやりにくいです。

リアシートのセンターアームレスト奥には、トランクと繋がる「蓋」が用意され、これを開けることによって長尺物も積めます。

静粛性

上級車種ローレルのシャシーに、スムーズなストレート6。風切り音、ロードノイズともによく抑えられており、静粛性は高いです。

エンジンとトランスミッション

2498cc・直列6気筒DOHCエンジンに、4速AT。
エンジン:最高出力200ps/6000rpm、最大トルク26.0kgf・m/4000rpm。
車両重量:1430kg。10モード/10・15モード燃費:10.6km/l。

エンジン

2.5リッターのストレート6で後輪を駆動(FR)。自然吸気エンジンならではのスムーズなフィールで、低速からフラットなトルクを発生。上質で扱いやすいエンジンです。

上級グレードの「25GT-t」には、「GT-R」と同じ280馬力を発生するターボエンジンが搭載されます。「”GT-R”に乗りたいけれどお金が無い」という人には、このグレードの4WD仕様がオススメです。多少乗り心地はラグジュアリー志向ですが、低コストで「GT-R」気分を味わえます。

ただし、その事に気付いて指名買いする人も多く、20年近くが経過した現在でもこのグレードは結構な高値を維持しちゃってます。まあ、それでも「GT-R」を買うほどではありませんが。

トランスミッション

トルコン式の4速ATを装備。当時の最先端技術である「マニュアルモード」が付きます。これは手動でATのギアを選択する仕組みで、ポルシェで言うところの「ティプトロニック」です。

現代では少々物足りない4段ステップですが、シフトフィールはスムーズでダイレクト。流石スカイラインといった感じがします。

乗り心地とハンドリング

前後ともにマルチリンク式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、225/45R17。

適度に引き締まった上質な乗り味。ガッチリとした硬い”殻”に守られているというか、高剛性ボディの硬質感が気持ち良いです。

荒れた路面ではやや衝撃を拾いやすいものの、衝撃の角が”まろやか”なのでスポーティカーとしては快適な部類に入るでしょう。

後輪の路面追従性も高く、うねりのある路面やコーナリング中も挙動を乱しにくいです。

ハンドリング

FRらしい自然なハンドリング。ただし、「スカイライン」という名前が期待させるほどの俊敏性はありません。

ローレルのホイールベースを短縮して、ある程度の軽快感を持たせていますが、「BMW・3シリーズ(E36・3代目)」クラスの走りを目指すなら少々ボディが大きいんですよね。

といってもステアリングフィール自体は素晴らしく、後輪駆動の素性の良さを活かした上質なフィールがあります。ステアリングセンターの微小舵角から正確に反応して、ドライバーのイメージしたラインを外しません。

グランドツアラーとしては一級。スポーツカーとしては少々俊敏性が足りないといったところでしょうか。まあ、ノンターボの4ドアセダンなので問題無いとは思いますが。

最小回転半径は、5.1m。ボディサイズの割に小回り性能が高く、狭い路地でも簡単に切り返すことができます。このあたりは、フロントまわりに複雑なメカの少ないFRならでは。

安全性能

高剛性ボディや運転席&助手席エアバッグ、ABS、ブレーキアシストなどを標準で装備。サイドエアバッグはオプション。

【旧型レポート】評価まとめ

「10代目 日産 スカイライン 25GT-V(R34)」は、ストレート6で後輪を駆動するスポーティセダン。

先代「R33」では、大きくゴージャスになりすぎたボディが不評となり販売台数を落としますが、「R34」ではその反省を活かしてボディをひと回りダウンサイジング。細部までしっかりとした作り込みが行われ、大人のスポーツセダンに仕上げられています。

ただし上級セダン「ローレル」とボディを共有するため、かつてのような俊敏なイメージは少々希薄(ノンターボの4ドアセダンということもありますが)。

そこで、もっとスポーティに走りたいという人には、2ドアクーペ「25GT-t」をオススメします。このグレードのエンジンはあの「GT-R」と同じなので、4WD仕様を選ぶだけで気軽に「GT-R」を味わうことができます。

対する「25GT-V」の4ドアセダンは、自然吸気エンジンならではの素直なフィールとFRの自然なハンドリングが味わえるスポーツセダン。というよりもグランドツアラーに近いでしょうか。とにかく扱いやすさと気持ちよさが信条です。

中古車市場では

2001年式「10代目 日産 スカイライン 25GT-V(R34)」で、70万円から120万円くらい(2018年9月現在)。

新車価格

2,765,000円

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)