今回の旧型レポートは「トヨタ カローラ XE(1992年式)」です。
このカローラは、1991年にモデルチェンジが行われたコンパクトな4ドアセダンです。
当時、トヨタの屋台骨を支える重要なモデルでした。販売台数も大きく、膨大な開発費を掛けてじっくりと作り上げられています。
そのため、同業他社のライバルと比較するとあらゆる部分がよく出来ていました。とくに車に趣味的なこだわりが無ければ、このカローラを選んでおけば間違いありません。
外観
全長4270mmX全幅1685mmX全高1380mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2465mmとなります。
フロント
バランスの取れた保守的なスタイリングです。当時、沢山のカローラが街中を走っていましたので、こういった他の車に自然に溶け込む無名性は大切です。
サイド
オーソドックスな3ボックススタイルです。ノーズ、キャビン、トランクの配置が絶妙で、端正な佇まいをみせます。彼女の家に挨拶に行った時、このカローラがガレージにあればちょっと安心してしまいます。
リア
ボクシーなトランクエンドに、横長のがっちりとしたリアコンビランプが装備されます。真面目さとともに力強さを感じさせるリアエンドです。
内装
この当時のレベルでみれば、質感の高い内装デザインです。センターコンソールに微妙な曲線が使われ、波打つようなリズム感が表現されています。
視認性の高い大きなメーターが装備され、使い勝手も良好です。
シート
サイドサポートの装備された立体的なシートが装備されます。クッションにコシが無いため、長時間座っていると体圧が腰まわりに集中して疲れてしまいます。
リアシートの質感もそれなりですが、居住空間が広く、足元、頭上空間ともにたっぷりとした余裕があります。中距離(30km)程度なら十分に使えます。
荷室
セダンボディを活かして、たっぷりとした荷室空間が用意されています。4人家族で2泊3日旅行程度なら十分にこなすことができます。
静粛性
大衆車レベルで考えれば、そこそこ静かな車内空間を実現しています。
エンジンとミッション
1498ccの直列4気筒DOHCエンジンに、3速ATが組み合わされます。
エンジンは、105ps/6000rpmの最高出力と、13.8kgf・m/4800rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1020kgで、10モード/10・15モード燃費は、12.0km/lとなります。
エンジン
1.4Lツインカムエンジンが搭載され、1t前後のボディを力強く加速させます。特に特徴の無い実用型エンジンですが、街中であればパワー不足を感じることもありません。
坂道や合流など、力強く加速したい時には若干もたつきます。
トランスミッション
ギアが3段しかありませんが、1.4Lの高回転型エンジンの特性を上手く活かして、過不足の無い加速をサポートします。
足回りとハンドリング
前後ともにストラット式サスペンションが装備され、後輪のみスタビライザーで強化されています。
足回り
ふわふわとしたソフトな足回りが装備されます。そのため、多少の段差であれば不快な衝撃を車内に伝えることはありません。
ハンドリング
足回りがソフトなセッティングのため、ゆったりとしたロールを発生します。といってもドライバーを不快にするような不自然さはありません。
ドライバーの意図に穏やかに反応する、自然なステアリングフィールです。
評価のまとめ
安楽な乗り心地、そこそこ静かな車内、破綻のないハンドリングなどあらゆる部分がライバル他社よりも高次元でまとめられています。これは、トヨタの経営資源と、たっぷり掛けられた潤沢な開発資金の差ですから、そう簡単に他社が追従することはできません。
ただし、この当時のトヨタ車は「80点主義」と言われるように全ての部分で高いクオリティを見せるとともに、これといった特徴や趣味的なこだわりが感じられないのが大きな特徴となっていました。
自動車を道具としてガンガン使い倒す人にとってはこれ以上ないほうどの最高のパートナーとなりますが、もうちょっと面白みを感じたいというマニアックな人達にとってはちょっと物足りない部分があるのも事実です。
価格
新車当時の価格 | 1,310,000円