今回は「3代目 ローバー 200 Vi」を旧型レポートいたします。
このローバー200は、1995年にデビューした5ドア・ハッチバックのコンパクトカーです。
先代のローバー200は、経営危機にあったローバー側の事情によってホンダ製のプラットフォームが流用されていましたが、今回のローバー200は完全にローバー独自の開発によるものです。
外観
全長3975mmX全幅1695mmX全高1420mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2500mmとなります。
フロント
常識的なFF2ボックスフォルムに、ローバー伝統の横型グリルが装備されます。スタイリング自体に特徴的なものはありませんが、このグリルが付くだけでぐっとイギリス車らしくなりますね。
サイド
コンパクトなボディにルーミーなキャビンが組み合わされ、しっかりとした居住空間が確保されています。この3代目ローバー200にホンダの血は1滴も入っていないのですが、なぜか日本車のようなサイドビューを持ちます。
リア
ボクシーなフォルムに角の丸いラインが組み合わされ、上質で塊感のあるスタイリングとなっています。ドアグリップやドアサイドに黒い樹脂が多用されていますが、これによって全体がぐっと引き締められる効果があります。
内装
本皮素材にウッドパネルが組み合わされ、ゴージャスなインテリアとなっています。日本人がイメージする典型的なイギリス車といったところでしょうか。樹脂の質感がチープですが古いコンパクトカーならこんなものでしょう。
保守的なスタイリングのおかげで、見晴らしがよく広々とした視界が得られます。
コンパクトなボディの割に、意外と車内に窮屈感はありません。
シート
パイピングの施された豪華な本革シートが装備されます。少し硬めの座り心地ですが、体圧が集中して疲れることはありません。
リアシートにも大人がしかりと座ることのできる最低限のスペースが確保されています。座り心地もどっしりとした重厚感のあるタイプです。
荷室
荷室には必要最小限のスペースが確保されています。2人で1泊旅行くらいなら余裕でこなすことができます。
静粛性
コンパクトカーとしては標準的なレベルの静粛性ですが、小さな高級車と捉えると少し物足りません。
エンジンとミッション
1795ccの直列4気筒DOHCエンジンに、5速MTが組み合わされます。
エンジンは、145ps/6750rpmの最高出力と、17.7kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1090kgで、10モード/10・15モード燃費は、9.8km/lとなります。
エンジン
MGFと同じ形式のスポーティな1.8Lのツインカムエンジンが搭載されます。軽量ボディと組み合わされることで、キビキビとした活発な走りを楽しめます。
先代ローバー200のエンジンはホンダ製のものでしたが、今回は完全にローバーオリジナルとなっています。高回転までスムーズに回る上質なエンジンフィールです。
トランスミッション
若干高回転型のエンジンを引っ張り気味に回しながらシフトチェンジしてやると、ダイレクトで力強い加速フィールを得ることができます。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備され、前後共にスタビライザーで強化されています。
足回り
小さなボディに似合わず上質な乗り心地を持ちます。操縦安定性も高く、高速道路でも抜群の直進安定性をみせます。イギリス車らしいしなやかで上質な乗り味です。
ハンドリング
イギリス車らしい軽快で素直なハンドリングです。接地性の高いリアサスと相まって、コーナーでは抜群のラインコントロールをみせます。
評価のまとめ
小さな高級車というコンセプトは、昔から自動車各社が挑戦しているテーマですが、なかなか上手くいく事が少ないのも事実です。
そんな中でこのローバー200は、上質な内外装とイギリス車らしい足回り、スポーティで活発なエンジンと個性、上質さをバランス良くまとめています。
販売実績としては成功と言えるレベルではありませんでしたが、車の内容自体は完成度の高い魅力的な車となっていました。
ただ、100%ローバー内製としてしまったため、先代のローバー200よりも故障率が高くなってしまったのが唯一の難点です。
価格
新車当時の価格 | 2,499,000円