ベルト類は、冷却ファンやパワーステアリング、エアコンなどに使われ、エンジンからパワーを取り出してそれぞれのパーツを機能させています。
このベルト類が劣化して切れたり緩んだりすると、それぞれの機能が上手く働かないばかりか、場合によってはエンジンがオーバーヒートして走れなくなることもあります。
現代の車はベルト類の点検・調整が難しい
昔はこのベルト類の点検もドライバーの義務となっていましたが、現在の車はエンジンルームが狭くなっているため、手を入れることも難しいほどです。また、ベルトを調整するにしても専用の工具が必要になるので、実質的に素人が調整することは不可能です。
そのため、ディーラーや整備工場による定期点検が必要不可欠となります。ユーザーの中には、自分で車検を通してランニングコストを安く抑えていると自慢する人がいますが、こういう普段のメンテナンスにしっかりとお金を掛けることで、結果的には車を長く使うことができるようになります。
まさに「損して得をとれ」といったところですね。
ベルト類は車検ごとに交換を
このベルト類(タイミングベルト以外)は国産車の場合、全部交換したとしても5,000円くらいにしかなりません。
そのため、余裕を持って車検ごとに取り替えておいても大した出費にはなりません。路上で故障という最悪の自体を避けるためにも、トラブルが出る前に定期的な交換をオススメします。
切れると大変なタイミングベルト
タイミングベルトは、「吸排気バルブとエンジンを同調させて作動させる」という働きを担う重要なパーツです。万が一、走行中にこのタイミングベルトが切れると、エンジン自体がおシャカになる可能性がありますので、走行距離が10万キロに迫ってきたら、なるべく早く交換を検討した方がいいでしょう。
パーツ代自体は5,000円ほどのものですが、このパーツを交換するためには、エンジンを車から完全に下ろす必要があり、周りの補機類も外して作業することになるため、工賃だけで3万~5万ほど掛かる事になります。これは車の構造によって大きく違ってくるため、作業を依頼する際にはディーラーや整備工場に見積もりを取っておいてください。
この作業は熟練の整備士であっても、半日以上の時間を必要とする大掛かりなものです。また、エンジンを降ろして補機類を外したついでに、他の消耗パーツの交換も提案されることがあります。これは、決して「ぼったくってやろう」という訳ではなく、まとめて作業をすることで今後のメンテナンスコストを抑えようという意図からの提案です。今の車をすぐに売る予定があればやる必要はありませんが、今後2万、3万と継続して乗る予定があるのなら、素直に交換しておいた方がお得になります。
長く愛車を乗りたいなら定期的な点検とメンテナンスが大切
自動車の整備やメンテナンスは、オプションパーツの購入や改造と違ってお金を使う喜びがありません。
ただし、目先のお金を節約したつもりが、小さなトラブルと見逃すことになり、結果的に大きな出費を強いられる事になります。
今の車を今後も長く乗ろうと思うのなら、定期的な点検やメンテナンスは大切です。普段一生懸命働いてくれている愛車へのご褒美だと思って、半年ごとの点検や早め早めのパーツ交換など、計画的に施してあげてください。