日本の高速道路には「走行車線」と「追い越し車線」があります。この二つの車線の使い方については、以前「高速道路を走る時の「暗黙のルール」【運転のコツ】」で解説しました。
ところが実際にはこの二つの車線について大きな勘違いをしている人がたまにいます。
それは、「追い越し車線は高級車やスポーツカーのもので、軽自動車やコンパクトカーは追い越し車線を走るべきではない!」というものです。
頭の中で考えているだけなら良いのですが、これを実際の運転にも持ち出してきて、乱暴な運転をする人もいるので困りまってしまいます。
目次
- 追い越し車線は誰のもの?
- 高級車を自分の価値の拠り所にしている
- アウトバーンにおける暗黙のルール
- 乱暴な運転への対策
追い越し車線は誰のもの?
確かに走行車線を走っている車には「コンパクトカーや軽自動車」が多く、追い越し車線を走っている車には「パワーのある高級車やスポーツカー」が多いのも事実です。
ただ、これは、前述の「高速道路を走る時の「暗黙のルール」【運転のコツ】」を読んでもらえれば分かる通り、前車を追い越して早く走りたい車に「高級車やスポーツカー」が多いだけで、階級分けとして走る区分が決まっているわけではありません。
現に軽自動車やコンパクトカーであっても、性格がせっかちで早く目的地に到着したい人はガンガンと「追い越し車線」を走っています。
高級車を自分の価値の拠り所にしている
どうもこういう高速道路に階級によるクラス分けを主張する人は、自分の車よりも安くて小さい車がチョロチョロと追い越し車線を走るのが気に入らないようです。
これは一般道でも同じで、ちょっと小さめのベンツに乗っている人がやたらと煽ってきたり、乱暴な幅寄せや無理な割り込みなど、マナーの悪い運転を良く見かけます。
その心理の奥には、「大枚をはたいてやっと購入した高級車が自慢で仕方がなく、それを平気で追い越していく小さな車にどうしようもないイライラ感を感じている」という事があるのではないでしょうか?もしくは高級車やブランド品によってなんとか自分のプライドを保とうと必死なのかもしれません。
アウトバーンにおける暗黙のルール
そういった人がよく持ち出す根拠として「ドイツのアウトバーン」での走行区分があります。当然ドイツと言っても交通法規によって走行車線が階級分けされている訳ではないのですが、ヨーロッパは日本と違って古い階級社会が残る地域ですので、暗黙のルールとして高級車には道を譲るというものがあるそうです。
しかし、ここは日本です。わざわざそんな遅れた風習を真似る必要はありませんよね。それに、欧州の階級社会とは代々続く家柄が重視される伝統に基づいた価値観です。高級車を無理してなんとか買ったような人たちは、当然、一般庶民として分類されます。
乱暴な運転への対策
ではこういった乱暴な運転をする人に出会ったら、どういう風に対処すれば良いのでしょう。こういう場合は、無理にブロックしたりクラクションで抗議したりせず、おとなしく道を譲ってあげた方が無難です。このような運転をする人たちはちょっとアレな人が多いですから、相手にするだけ損というものです。スマートな運転をして無用なトラブルは起こさないようにするのが一番です。