新型 日産 シーマ ハイブリッド【試乗評価】フーガをロングホイールベース化したお手頃価格の高級車 [DAA-HGY51]

日産シーマ・ハイブリッドの前面画像

今回の【試乗評価】は「新型 日産 シーマ ハイブリッド VIP G(5代目)」。
2012年にフルモデルチェンジした、Lクラスの高級サルーン(4ドア)です。

日産には超高級車の「プレジデント」がありますが、あちらは法人向けに設計されたショーファードリブン(運転手付きの車)です。ということで、オーナードライバー向けとしては「シーマ」が実質的なフラッグシップとなります。

初代シーマが登場したのは、日本経済がバブル絶頂期を迎えようとしていた1988年。セドリック/グロリアの上位モデルとして開発され、強烈なターボエンジンと、3ナンバーの専用ボディが与えられていました。当時の浮かれた気分に乗って大ヒットとなり「シーマ現象」という流行語まで生んでいます。

今までクラウンやセドリックに憧れてた人たちに、それ以上の高級車を見せつけて、さらにそれがなんとか買えるってんですから人気になるのも当然ですね。

この時、僕はちょうど高校生でしたが、あの当時のウキウキした気分と共に、颯爽と登場したシーマの高級感あふれる姿は今でも忘れられません。見るもの聞くものが新鮮で、本当に楽しい時代でした。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 日産 シーマ ハイブリッド」の概要

2001年に登場した先代シーマ(4代目)は、シーマよりさらに上級の「プレジデント」をベースにしていました。その後2010年まで長々と製造販売されたところで生産が中止。最上級車種の座はしばらく空席となります。つまり、実質的にはひとクラス下の「フーガ」が暫定フラッグシップとなったんです。

ただし、「シーマ」には初代の頃から乗り継ぐ根強いユーザーがいます。日産としても「フーガ」がフラッグシップじゃちょっとばかり弱いです。

日産フーガハイブリッド前面画像

新型 日産 フーガ HYBRID(Y51)【試乗評価】アメリカンな雰囲気たっぷりのプレミアムカー [DAA-HY51]

2016年6月27日

ということで、「4代目シーマ」が廃止されてから2年後の2012年。ユーザーの声を受ける形で「5代目シーマ」が復活をはたします。ただし、ベースとなるのは先代が使った「プレジデント」じゃなくて、一つ格下の「フーガ ハイブリッド」です。パワーユニットも、フーガのハイブリッドシステムをシーマ用に熟成させて使ってます。いわゆるハイブリッド専用車で、販売は日本国内に限定されます。

ボディとプラットフォームも「フーガ」をベースにしてますが、全長で+175mm、ホイールベースで+150mm延長して上級感を出しました。ホイールベースの拡大分は、そのまま後席のレッグスペースに使われており、ファーストクラス並みのゆとりがあります。ドライバーズカーとして開発された初代と違って、ショーファードリブン(運転手付き)としてもいけそうです。

プラットフォームなど

2012年に登場した5代目シーマは、「日産フーガ」のプラットフォーム(車台)をストレッチして開発された日本専用モデルです。フーガにも搭載される「1モーター+2クラッチ」のハイブリッド仕様だけが設定され、ガソリン仕様はありません。

先代の「シーマ(4代目)」が、上位モデル「プレジデント」をベースにしていた事を考えると、「フーガ」ベースというのはちょっとばかり物足りないです。

ライバルは

ライバルは「レクサス LS ハイブリッド」と言いたいところですが、今回のモデルは「フーガ ハイブリッド」がベースなんで、ひとクラス下の「レクサス GS ハイブリッド」ってところでしょう。

マイナーチェンジ情報

2017年にマイナーチェンジ。インテリジェントエマージェンシーブレーキや、インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)といった先進安全技術を標準で装備。安全面を中心に機能が強化されました。

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外観

ボディサイズ、全長5120mmX全幅1845mmX全高1510mm。ホイールベース、3050mm。

シーマの外観は、ベースとなるフーガのホイールベースと全長を伸ばし、前後のデザインを僅かに変えただけ。といっても全長を伸ばすことで全体の印象は大きく変わり、日産のフラッグシップモデルにふさわしい上品な伸びやかさがあります。

加えて塗装の質感もフーガとは段違い。熟練工による「磨き」と「塗り」が行われ、大量生産では表現出来ない深い「艶」と「輝き」が再現されています。

フロント

ふくよかな面で構成されたフロントノーズに、肉食獣のように鋭いヘッドライト。ゴージャスなメッキモールドで彩られた大型グリル。威風堂々としたフロントフェイスです。

ベースとなったフーガと比較すると、シーマのフロントグリルはエッジにわずかな丸みが付けられ、より上質な印象を感じさせます。

サイド

フーガと比較すると、より薄くて長い「シロナガスクジラ」のようにおおらかなプロポーション。同時にキャビン(居住空間)の前後長も延長され、ホイールベースの拡大によるスタイリング上の破綻はありません。FRらしいロング&ビッグキャビンを活かした優雅なスタイリングです。

リア

日産シーマ・ハイブリッドの後部画像

ふくよかなヒップラインに、ハイデッキ化されたリアエンド。クーペのように強く傾斜したリアウィンドウ。ワイド感を強調するリアコンビランプ。大型高級サルーンにしてはかなりスポーティな印象です。

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内装

日産シーマ・ハイブリッドの内装画像

しっとりとした樹脂に木目パネル、メタルフィニッシャー。大らかなラインで構成された高級感あふれる室内。「VIP G」グレードは落ち着いたブラウンを基調とするシンプルな構成です。

巨大なボディとスタイリング優先の伸びやかなデザインによって、ボディの見切りは今ひとつ。この大きな車を自由自在に乗り回すには、それ相応の車両感覚が要求されます。

メーターナセルには、大型二眼メーター。シンプルなフォントで表示され視認性は高いです。中央には、走行距離やシフトポジションを表示する、小さなインフォメーションディスプレイ。

センタークラスター最上段には、ナビゲーションなどを表示する大型ワイドディスプレイ。中段には、エアコンとナビゲーションのコントロールユニット。コントロールパネルが手前に突き出しており操作性は高い。エアコンは小さなプッシュ式スイッチで、手探りだけで操作するのは難しいです。

ベース車両のフーガと比較すると、全長とホイールベースが拡大されており、その分室内にはたっぷりとした余裕があります。

シート

フロントシートには、コシのある上質な「あんこ」が詰め込まれています。肩周りまでしっかりと包み込むタイプのデザインで、腰の高い位置からお尻、太ももの裏に掛けて均一な力で支えます。表皮には上質な「セミアニリン本革」を使用。適度な柔軟性によって、長時間座っていても身体が痛くなることはありません。

シートには電動リクライニング機構が用意され、疲れた時の小休止も簡単。さらに「VIP G」グレードには、前席ヘッドレスト裏に7インチ液晶モニターまで付きます。まさに至れり尽くせりといったところですね。

リアシートの快適性はフロントシート以上。ボリュームのあるクッションに柔軟な表皮が組み合わされ、身体をしっとりと支えます。ホイールベースの延長分がそのまま後席空間の拡大に活かされ、足元には広大な空間を確保。頭上空間にもたっぷりとした余裕があります。ショーファードリブン(運転手付き)としても十分使える快適なシートです。

リアシートは完全なリクライニングをしませんが、背もたれを倒すことで僅かに座面先端がせり出し、身体をリラックスした状態で支えます。

荷室

リチウムイオンバッテリーをリアシートと荷室の間に搭載するため、荷室の前後長は大きく制限されます。それでも、幅と高さに余裕があるため、家族4人で2泊3日旅行くらいは余裕です。

静粛性

室内にはたっぷりと遮音材と吸音材がほどこされ、日産のフラッグシップモデルにふさわしい高い静粛性を実現。

さらに、スピーカーから騒音と逆位相の音を発生させる「アクティブ・ノイズ・コントロール」を装備。室内に侵入する不快な騒音を大きく抑制して、異次元の静けさを作り出します。

エンジンとトランスミッション

3498cc・V型6気筒DOHCエンジン+電気モーターに、7速ATが組み合わされます。
エンジン:最高出力306ps/6800rpm、最大トルク35.7kgf・m/5000rpm。
電気モーター:最高出力68ps、最大トルク27.5kgf・m。
車両重量1950kg。JC08モード燃費、15.6km/l。

エンジン

フーガと同型の「3.5リッターV型6気筒DOHCエンジン(VQ35HR)」に電気モーター(HM34)が組み合わされ、後輪を駆動(FR)。

大排気量の自然吸気エンジンに高性能電気モーターが組み合わされるのですから、その動力性能には圧倒的です。

電気モーターのみを使った出足はスムーズで力強く、2t弱のボディをスーッと滑るように加速させます。中速域からの加速も上質で湧き上がるようなフィール。エンジンの始動を感じさせません。

平坦な市街地はもとより、急な上り坂でも流れをリードしてグイグイと加速。ラフにアクセルを踏み込んでも車体がギクシャクすることはありません。

トランスミッション

ジャトコ製の7速AT(マニュアルモード付き)、ハイブリッド・トランスミッションを搭載。

「1モーター・2クラッチ」が巧みに協調して、「電気モーター」だけを使った走行と「エンジン」だけを使った走行、「電気モーター+エンジン」を組み合わせたハイブリッドモードと状況に合わせてシームレスな制御を行います。そのスムーズな制御はトヨタ系ハイブリッドシステムと比較しても遜色ありません。

乗り心地とハンドリング

前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、245/50R18。

重厚感をともなった「なめらか」な乗り味。目地段差や橋脚ジョイントでは、路面の衝撃を柔軟に吸収して不快な振動を車内に伝えません。高級車にふさわしい上質な足回りです。

乗り心地の良さは低速になるほど向上するセッティングで、中低速域を多用する日本の市街地にピッタリとハマります。

自分でドライブして楽しさを味わうタイプの車では無く、人に運転してもらって後席で快適に過ごすための車です。

ロングホイールベースを活かして、高速域での安定性も抜群。フラットな姿勢を維持して矢のように突き進みます。

ハンドリング

重厚感を伴った穏やかなハンドリング。ドライバーの操舵に自然に反応して狙ったラインを外しません。スポーティさや軽快感は無いものの、シーマのキャラクターにはピッタリと合っています。運転の楽しさよりも快適性を重視したセッティングです。

最小回転半径、5.8m。巨大なボディの割に小回り性能はそこそこ。

その他

予防安全技術として、ミリ波レーダーを使って衝突を検知し、被害軽減もしくは回避をはかる「インテリジェント・エマージェンシーブレーキ」や「インテリジェント・FCW(前方衝突予測警報)」、斜め後ろの車を検知して衝突を防止する「インテリジェント・BSI(後側方衝突防止支援システム)/BSW(後側方車両検知システム)」、後ろを横切る車を検知して衝突を防止する「インテリジェント・BUI(後退時衝突防止支援システム)」といった機能を。

運転支援技術として、前車との距離を検知してペダル操作をアシストする「インテリジェントペダル(車間距離維持支援)」や先行車との一定の距離を保って設定された速度で追従する「インテリジェント・クルーズコントロール」、車線からの逸脱を防止する「インテリジェント・LI(前方逸脱防止支援システム)/LDW(車線逸脱警報)」といった機能を装備します。

【試乗評価】のまとめ

「新型 日産 シーマ ハイブリッド VIP G(5代目)」は、下位モデル「フーガ」をストレッチして高性能ハイブリッドシステムを組み合わせた、日産が誇る最高級フラッグシップ・サルーン(4ドア)。

重厚感あふれる上質な乗り味に、高級車にふさわしい穏やかなハンドリング。フーガと同型のハイブリッドシステムはシーマ専用のチューンが施され、優れた動力性能とスムーズなフィールをもたらします。

フーガとの最大の違いは、なんといっても延長されたホイールベースによる圧倒的な広さを誇る後席空間です。これなら重要な人物を運ぶ「ショーファードリブン(運転手付き)」としても十分使えます。

下位モデル「フーガ」をベースにして開発されているため、ライバル他車よりも比較的リーズナブルな値段で買えるのも嬉しいポイントです。

「会社やご近所の手前、派手なドイツ高級車には乗りにくい」とか、「俺は日本経済の為にどうしても日本の高級車を買う!」と考えている人にはピッタリな車となります。

中古車市場では

2016年式「日産 シーマ ハイブリッド VIP G(5代目)」で500万円前後。2013年式で350万円前後(2018年6月現在)。

新車価格

9,026,640円(消費税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)