「クリップ外し」とは、自動車の内装トリムやバンパーなどを、自動車本体に固定している「クリップ」を外すための工具です。
目次
- クリップ外しの概要
- 使い方
- ヘラ状クリップ外しの使い方
- プライヤー形状クリップ外しの使い方
- 使用上の注意点
クリップ外しの概要
クリップ外しには、てこの原理を応用して先端でクリップをこじって外す靴ベラのような形状のものと、プライアの先端にクリップを外すための加工が施されているものの2種類があります。
てこの原理を応用してクリップを外すタイプには、プラスチック製の簡易なタイプと、ドライバーの先端にヘラ状の金属が装備された剛性が高く壊れにくいタイプのものがあります。
プラスチック製のものは先端が柔らかいため、自動車パーツを傷つけにくいという長所があります。使い勝手では、金属製の方が優れますが、用途に応じて2種類を使い分けた方がいいでしょう。
またプライアの先端でクリップを外すタイプは、金属製のクリップ外しよりもさらに使い勝手の良さが優れています。先端にはクリップの中心にあるロックピンを挟んでロック解除する部分と、ジョイント中心近くにクリップを挟んで持ち上げるための部分用意されています。
使い方
クリップには様々な種類がありますが、このうちクリップピンで外せるタイプは、押し込むことでロックが掛かり外れなくなるタイプのクリップです。
ロックには押し込むことで突起部分が引っかかり固定される簡易なものと、押し込むことでクリップの内側にあるロックがかかり固定されるものがあります。
ヘラ状クリップ外しの使い方
突起部分が引っかかってロックが掛かるタイプは、「ヘラ状のクリップ外し」でこじるだけで外すことができます。内側にあるロックピンでロックがかかるタイプは、「プライヤー形状のクリップ外し」で、ロック部分を挟むことでロックを解除してから外す方が無難です。
プライヤー形状クリップ外しの使い方
「プライヤー形状のクリップ外し」の使い方は、先端部分でクリップ中心にあるクリップピンを挟んでロックを外し、ジョイント近くの部分でクリップを持ち上げるように引っ張ればクリップを簡単に外すことができます。
無理に外そうとすると、クリップを破損するだけでは終わらず、ベースとなっている自動車のトリムなどを破損してしまいかねません。こうなるとクリップを新しく用意するだけでは済みません。
その他にクリップには、中心部分にネジ式のロックが装備されているものがあります。このタイプのクリップは、クリップ外しでこじるのではなく、ドライバーである程度ロックを緩めてからクリップを持ち上げることで外すことができます。
使用上の注意点
クリップは時間の経過により劣化が進み、プラスチック本来の柔軟性を失っているものもあります。こういう劣化したクリップを無理に外そうとすると自動車の部品自体を壊すことになります。硬くて抜けそうに無い時には無理に外そうとせず、整備士などの専門家に依頼しましょう。
また中には市販されている工具では外すことの出来ないクリップもありますので、無理に外そうとするのは禁物です。