ラリーには様々な専門用語が使われていますが、今回はその中でもラリーを見る際に欠かせない使用頻度の高いラリー用語について解説したいと思います。
成績採点表
成績採点表とは、自分のラリー成績を計算してオフィシャルに提出するための書類です。
各チェックポイントで発行された「CPカード」をコントロールシート(採点表)に貼り付け、「FCP(最終チェックポイント)」で渡される正解表(オフィシャルが計測した各チェックポイント間の通過時間が記入された用紙)を元に自分の通過時間との誤差を計算して記入していきます。
通常のラリーであれば、1秒の誤差は「-1点」として計算されます。スペシャルステージの場合は、掛かった時間の全てが減点対象となります。
スタート(ST)
スタート(ST)地点は、ラリー競技の開始地点であると同時に、距離や時間の計測を開始する地点でもあります。スタートは一台ごとに1分程度の間を空けて行われます。また、コースがいくつかのステージに分かれている場合は、それぞれのステージごとにスタートが行われます。この地点のことをスタート地点とは別に「再スタート」地点と呼びます。
チェックポイント(CP)
チェックポイント(CP)ではチェックポイントの通過タイムを計測することによって、ラリーカーがチェックポイント間を定められた平均速度で走行しているかどうかを判定しています。
「CP」の通過時にはCPでの計測時間が記載された「CPカード」と呼ばれるカードが発行されます。これはいわばラリーの成績表ともいえるカードで、レース終了後にはこのカードのタイムを元に各ラリーカーの総合成績が計算されます。
アメリカ方式
現在、国内で行われているほとんどのラリーでは、この「アメリカ方式」のチェックポイントが採用されています。
アメリカ方式のチェックポイントでは、各チェックポイント間の時間計測がそれぞれ独立して行われます。つまり1番目のチェックポイントで10秒の遅れが発生している場合、2番目のチェックポイントではそのまま1番目のチェックポイント通過時間がスタート時刻となります。
1番目のチェックポイントでは「-10点」の減点が課されますが、それが2番目のチェックポイントに影響を与えることはありません。
最終的にはこの各チェックポイントでの減点が合計されて最終的な競技成績が計算されます。
ヨーロッパ方式
ヨーロッパ方式のチェックポイントでは、各チェックポイントを速く通過する事で減点対象となることはありません。逆に遅れて通過した場合はその遅れは次のチェックポイントに持ち越しとなります。
つまり、それまでのチェックポイントで累積された遅れを取り戻すには、次のチェックポイントでは今まで以上に速い速度で走る必要に迫られます。
そのため、このヨーロッパ方式のチェックポイントが導入されたラリーでは、レースがどんどん高速化してしまう傾向にあります。そういった事情から日本国内で行われるラリーとの相性が悪く、ほとんどの国内ラリーがアメリカ方式のチェックポイントを採用しているのです。
オドメーター・コントロールポイント(OMCP)
ラリーが行われる前にオフィシャルの車両が計測した距離と、ラリーカーにそれぞれ搭載されている距離計(ラリーコンピューター)が計測した距離との誤差を修正するために設置されているポイントです。
通常はスタートから「オドメーター・コントロールポイント(OMCP)」までの距離を使って再計算しますが、「OMCP」が設置されていない場合は「コマ地図」に記載されている「距離」を使って再計算します。
パス・コントロールポイント(PC)
パス・コントロールポイント(PC)は「速度変更地点」のことで、このポイントを通過すると設定されている平均速度も変更されます。
通常のチェックポイントに常駐している様なオフィシャルスタッフはいません。また目印になるような看板も設置されておらず、コマ地図上の交差点や目標物を起点にして設定されます。
レスト・コントロールポイント(RC)
レスト・コントロールポイント(RC)とは、給油やサービスを行うためのポイントの事です。チェックポイントのようにピンポイントの限定された場所ではなく、「CP3からCP4の間」というようにある程度の幅を持たせた区間に設定される事が多いです。
フィニッシュ・チェックポイント(FCP)
最終チェックポイントの事です。多くの場合ここでラリーが終了となりますが、別にゴールが定められている事もあります。
ゴール(G)
ゴール(G)とはその名の通り、ラリー競技が終了する最終ゴール地点のことです。通常はFCPがゴール地点となることが多いのですが、FCPの後にゴールが設定されている場合はその区間をフリー走行(減点対象とならない走行)で走りゴールに向かいます。