初代 VW シャラン 1998年式【旧型試乗】高い安全性と大らかなルックス [E-7MAAA]

今回は「初代 VW シャラン VR6 スペシャルパッケージ 1998年式」を試乗レポートいたします。
この初代VWシャランは、1995年に発売されたブランニューモデルで、日本では1997年から1999年に渡って発売されていました。

この当時欧州ではミニバンがブームとなっており、ルノーエスパス、クライスラーヴォイジャー、メルセデスベンツVクラスなどが互いにしのぎを削りあっていました。

2010年に登場した2代目シャランについては、「新型VW シャラン【試乗評価】」のページをご覧ください。

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外観

全長4620mmX全幅1810mmX全高1760mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2835mmとなります。

おっとりしたスタイリングでシャランのキャラクターを上手く表現しています。

フロント

フロントフェイスに大きな特徴はありませんが、ヘッドライトをなるべく下にレイアウトすることで全体のフィルムと相まってのんびりした大らかさが漂います。

サイド

大きなグラスエリアとゆったりしたルーフラインが印象的なサイドビューです。フロントウィンドウとノーズのラインが一体化しているあたりは初代エスティマを彷彿とさせますが、エンジンがフロントに搭載されていない分、エスティマのノーズは短めです。

リア

リアエンドもゆったりしたラインとおおらかな形のリアコンビランプによりのんびりした雰囲気です。家族でこのシャランに乗っていれば、お金だけでは買えない「生活の豊かさ」を表現できそうです。

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内装

真面目でシンプルな造形の上質な室内です。木目の使い方などはちょっと前のトヨタ車のようですが、その当時はトヨタが積極的にドイツ車の品質をキャッチアップしていました。

装備されるドアは4枚のヒンジドアです。ヒンジドアはスライドドアより使い勝手の面で優れていますが、狭い駐車場や路上での乗り降りでは逆にスライドドアの方が便利になります。そういった狭い場所での乗り降りが少ない人はシャランの方がオススメです。

フロントシートにはたっぷりとしたサイズと厚みが与えられており、座り心地も適度なコシとサポートのある疲れにくいシートです。

セカンドシートもフロントシート同様にたっぷりとしたサイズが与えられています。また、セカンド、サードシートともにしっかりとしたアームレストが装備されています。

セカンドシートは折りたたむことで、シートバック部分をがっちりとしたテーブルとして使うことができます。

シートレイアウトは日本人の好きな「2・3・2」の3列シートです。ただこのサードシートは折りたたむことで荷室を広く取る事ができる緊急用シートです。そのため、サイズも厚みも不足しており、中距離(30km)以上の使用には向きません。

確かにカタログに「3列シート」の文字があるとメーカーとしては売りやすいのかもしれません。しかし、実際に使用するとなるとこういった「緊急用シート」ほど邪魔なものはありません。一般的な家庭環境を考えると、普段は1人か2人で乗車し、週末に4人家族でレジャーに出かけるといった使い方が多いのではないでしょうか。

ただ、年に2、3回あるかないかといった緊急事態に備えたいという気持ちも分かります。そういった場合、大家族なら一家に何台か他の車があるでしょうし、友達や親戚が遊びにくるというなら、その時だけレンタカーを借りれば良いと思います。

サードシートを取りやめてその分を荷室やセカンドシートのために使えば、室内はゆったりとするし車重も軽くなって自動車自体の値段も安くすることができます。

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エンジンとミッション

2791ccのV型6気筒SOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、174ps/5800rpmの最高出力と、24.0kgf・m/4200rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1790kgで、10モード/10・15モード燃費は、6.9km/lとなります。

このシリンダー角度の狭いV型エンジンは、開発当初からシャランに搭載される事が念頭にありました。エンジンを横置きにするFFレイアウトのミニバンの場合、V型エンジンのシリンダー角度を狭くすれば、エンジンの前により多くのスペースを確保することができます。そのためノーズの短いミニバンのであっても、十分なクラッシャブルゾーンを確保出来るというわけです。

ゴルフVR6を活発に走らせるこのV型エンジンも、さすがに車重の重いシャランに搭載されると平凡で鈍重な走りとなってしまいます。最近の低速トルクがたっぷりとしたダウンサイジングターボに慣れてしまうとちょっと物足りませんね。鈍重といっても市街地走行で不足の出るようなものではありません。また、この大柄なミニバンにVR6のような活発な走りを求める人もいないでしょう。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはセミトレーリングアーム式サスペンションが装備されます。また、前後共にスタビライザーで強化されています。駆動方式はFFです。

ハンドリングは穏やかでとくに大きな破綻もありません。その分、運転する喜びも希薄です。

乗り心地は適度にソフトで芯のある快適な乗り心地です。そのため、長時間運転していても疲れることはありません。

評価のまとめ

この当時の大柄ミニバンは車重が重いわりに低速トルクが少なく、燃費効率の悪い車が多いのですが、このシャランも10モード/10・15モード燃費6.9km/lとその例にもれません。そのため、普段1人や2人乗車でこの重いボディを引っ張って走るのはちょっと気が引けます。

ただ当時としては高い安全性を誇るシャランは、当時の華奢な作りの日本車と比べると大きなアドバンテージがあります。そのため安全性と大きな室内、3列シートがどうしても欲しいとい人にはピッタリな一台です。

コンパクトで取り回しの良いボディ、広々とした2列シートがあれば十分という人には「ルノー・メガーヌ・セニック」の方が良いでしょう。

価格

新車当時の価格 | 3,995,000円(税込み)←2003年以前は外税なので削除

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)