イギリスの自動車情報サイト「Car Magazine」で、今年後半にマイナーチェンジ予定の「新型マツダ6(日本名アテンザ)」が取り上げられていましたのでご紹介します。
マツダは予てから「人馬一体」、「スカイアクティブ」、「i-ELOOP」といった独自の言語を作り出してきましたが、さらに今回のマツダ6には「Gベクタリング・コントロール」という新しい名前の機能が加わっています。
このシステムは、今年後半のマイナーチェンジによって搭載される予定の機能ですが、コーナリングの際、ホイールに配分されるトルクを微妙に制御することで、安定感とクイックなコーナリング性能を持たせるための機能です。
マツダはこのシステムにより、スムーズなパフォーマンスを提供し、ドライバーの意思に忠実なコントロール性能と、車の安定した挙動による快適な乗り心地を提供することができると語っています。
Gベクタリング・コントロールとは
具体的には、車がコーナーに侵入したとAIが判断すると、自動的にエンジンから供給されるトルクが制御され、車の重心は若干前のめりになります。これにより、前輪にしっかりとした荷重が乗り、自然でリニアな旋回フィールと安定したコーナリングが可能になります。
その後、コーナーを立ち上がってくるとAIによってトルクは徐々に回復し、後輪に荷重の乗った安定した加速が可能になります。
また、これらの制御は人間の生理に逆らわない自然な動きの中で行われますので、ドライバーを含めた搭乗者は不快な揺れを感じることはありません。そのため今回のマツダ6は、長距離を走行しても疲れにくい快適な車に仕上げられています。
スバルのレヴォーグなどに搭載されている「アクティブトルクベクタリング」と名前は似ていますが、全く制御の発想が異なる機能です(レヴォーグの場合は旋回時に内側のホイールにVDCによるブレーキを軽くかけることで、クイックな旋回性能を得ようというシステムです)。
この「Gトルクベクタリング・コントロール」システムは、今秋のアップデートでマツダ6に搭載される予定ですが、今後登場が予定されている2017年版のマツダ3(日本名アクセラ)にも、是非搭載してほしい優れたシステムです。
なお、価格はエントリーモデルの19795ユーロから、最上位モデルの28895ユーロまでとなり、現在の価格からの変更はありません。
その他に追加される予定の機能
さらに今回のマイナーチェンジでこのマツダ製エグゼクティブサルーンには、スカイアクティブDエンジンのアップデートも行われます。具体的には「過渡制御システム」が追加され、スロットル操作に対して迅速で素早いレスポンスが与えられます。さらに、「ナチュラルサウンドスムーサー」というディーゼルエンジン特有のノック音を制御するための仕組みが組み込まれ、静かでスムーズなエンジンに生まれ変わることになります。
その他には、新しいメタリックグレイ塗装オプション、カラーヘッドアップディスプレイ、新デザインの本皮巻きステアリングホイール、SE-Lナビゲーションシステム、全自動折りたたみ機能付きドアミラーなどが装備されます。
全体を通してみると、基本的に2016年の8月に日本で行われたマイナーチェンジと同等の変更内容となっています。
(参考:Car Magazine)