今回は「新型シトロエン C3 セダクション レザー」を試乗レポートいたします。
新型シトロエンC3は、2010年のモデルチェンジで2代目となりました。同時に登場したDS3とは、プラットフォームを共有する姉妹車の関係です。また、2014年のマイナーチェンジでエンジンが1.2Lに変更されています。
外観
全長3955mmX全幅1730mmX全高1530mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2466mmとなります。
オーソドックスなプロポーションながら、細部に個性的なディティールが施されており、魅力的なコンパクトハッチバックに仕上っています。
フロント周りは、複雑な造形のヘッドライトがレイアウトされていますが、ただかわいいだけではなく、重量感と複雑な大人の表情をもっています。ヘッドライトの間には、シトロエンのエンブレムと一体化したグリルが採用されています(写真はマイナー前のモデルです)。
サイドビューは、Aピラーからルーフ、Dピラーへと半円を描くように一体化したキャビンが印象的です。
リアビューには、ヘッドライトのモチーフを反復するようなリアコンビランプがレイアウトされています。丸く重量感のあるリアまわりと、このリアコンビランプによって、全体のプロポーションが小粋で魅力的なスタイルにまとめ上げられています。
内装
精密にチリの合わされた、高品質なデザインの内装です。
細かく色々なラインや要素がレイアウトされているにも関わらず、全体としてうまく統一感を持っているので煩雑な印象はありません。ちょっと小粋で未来的なインテリアです。
ドライバーの頭上まで大きく広がるフロントウィンドウが装備されます。これをシトロエンでは「ゼニスウィンドウ」と呼んでいます。
目の前にルーフの先端が見えていないので、オープンカーとはまた違った異次元感覚の開放感があります。また信号機や標識などの確認がしやすくなるという、実用的な面も持ち合わせています。
さらにこのゼニスウィンドウには夏の日差しに備えて、熱伝導率を1/5、紫外線透過率を1/12に抑える特殊加工のガラスが装備されています。
前席には、フランス車らしいソフトなタッチで、しっかりと身体を支えてくれる上質なシートが装備されます。
後席は、シートバックが少し低いのですが、前席と同様に身体をしっかりと支えてくれるシートが装備されます。
室内の遮音性が高く、ロードノイズやエンジン音の侵入は最小限です。
エンジンとミッション
1.2L直列3気筒DOHCエンジンと、5速ETGが組み合わされます。
エンジンは、82ps/5750rpmの最高出力と、12kgf・m/2750rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、19.0km/lとなります。
マイナーチェンジで、従来モデルの1.6Lエンジンから1.2Lエンジンに変更され、数値上は16.3kgf・mから12kgf・mにトルクダウンしています。
しかし、2750rpmの実用域で最大トルクを発生を発生するため、軽量化されたボディと相まって、日常使用での不足感はありません。逆に燃費はおよそ5O%も向上しています。
さらに、このエンジンと組み合わされる2ペダル式のETGトランスミッションが、パワーの低下分をフィールの向上で補ってくれています。
このETGトランスミッションは、基本構造はマニュアルトランスミッションとほぼ同じですが、車が自動でクラッチ操作をしてくれるためATのようなルーズなドライブが可能です。
そのため普通のATと違い、MTのようなダイレクトなフィールを味わえます。
ただ、加速の時にスムーズに変速できないという事と、変速スピードが遅いといった独特のクセがあります。しかし、この事を逆手に取って変速時に少しアクセルを戻してやると、マニュアルを操作しているような面白いドライブが楽しめます。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
スローで穏やかなハンドリングですが、切った分だけ確実に曲がる素直な特性で違和感はありません。
ストロークのたっぷりした懐の深いサスが装備されており、ロールを許しながらもしっかりと路面を捉え続ける安定した足回りです。
低速で段差を超える際は、深いストロークを生かして荒い衝撃をまろやかに遮断します。
評価のまとめ
フランス車らしいソフトで懐の深い乗り味、はまると面白い2ペダルミッション、かわいすぎない小粋なスタイリングで男性が乗っていても違和感はありません。
もちろん、おしゃれで個性的な車に乗りたいと思っている女性にもぴったりの一台です。
価格
価格 | 2,150,000円(税込み)