今回は2008年に登場した「新型ホンダ フリード ハイブリッド ジャストセレクション(6人乗り)」を試乗レポートいたします。
モビリオとモビリオスパイクを統合して生まれた、ブランニューモデルの小型ミニバンです。
このフリードには、2代目フィットのプラットフォームが使われています。
(追記)2016年にはモデルチェンジが行われ、2代目の「新型ホンダ フリード ハイブリッド【試乗評価】」が登場しています。
外観
全長4215mmX全幅1695mmX全高1715mmのボディサイズを持ちます。またホイールベースは2740mmとなります。
路面電車のような個性的なスタイルのモビリオから一転、普通のミニバンスタイルに生まれ変わりました。
個性的で開放感のあるモビリオのデザインは素晴らしかったのですが、フリードのデザインにそういう面白さはありません。
フィットの面影が見え隠れする、端正でコンパクトな使い勝手のよさそうなスタイルです。
端正でかっこいいフロントフェイスは、地味ながら見飽きる事のないデザインです。
側面にまわると、コンパクトながらルーフエンドはあまり絞り込まれておらず、3列目シートの室内空間も広そうです。
このルーフエンドとDピラーとの接点は、最新のN-WGNに良く似たメカニカルに組み合わされた処理が施されています。
サイドのキャラクターラインは、緩やかに下降しながらリアコンビランプと融合しており、リズミカルで優しい表情を作っています。
また、2014年にマイナーチェンジが行われ、グリルやバンパー周り、リアコンビランプに小変更が加えられています。
内装
内装の質感はちょっと低めです。インパネの中盤あたりが妙にせり出していて、圧迫感があります。
サイズは小ぶりながら、適度なコシと硬さのある疲れにくいシートです。これなら中距離移動(50km程度)でも大丈夫でしょう。
2列目シートも独立したキャプテンシートで快適性が高いです。
3列目シートは室内スペースは十分ながら、シート自体は平板で小さく、非常用としての使用に限定されます。
バッテリーなどのHVシステムが3列目床下に設置されているため、ノーマル車と同じ室内空間を確保しています。ただし、荷室の床面が若干高くなっています。
遮音材がふんだんに詰め込まれているため、どの速度域でも静粛性が高く快適です。
エンジンとミッション
1.5直列4気筒SOHCエンジン+CVTに、電気モーターが組み合わされます。
エンジンは、88ps/5400rpmの最高出力と、13.5kgf・m/4200rpmの最大トルクを発揮します。
また電気モーターは、14psの最高出力と、8kgf・mの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、21.6km/lとなります。
モーターアシストとローギアード化されたミッションのおかげで、出足はとても軽快です。
また日常域での不足は感じられず、フラットな低速トルクで1400kgのボディを過不足なく走らせます。
高回転までスムーズに回るエンジンですが、トルクは中低速で頭打ちとなります。
その他に気になるのが回生ブレーキのフィールで、丁寧に踏んでもカックンブレーキになりやすいです。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
前後共に、スタビライザーで強化されています。
ステアリングフィールは軽すぎて、感触があいまいです。静粛性が増した分ロードノイズの侵入も気になります。
ただハンドリングは穏やかな弱アンダーで、ロールも最小限でコーナリングは安定しています。
足回りの見直しがされている事と、80kgの重量物が低重心に搭載されていることにより、ノーマル車より重厚でしなやかな乗り心地です。
ただ中高速ではハーシュネスの処理が悪く、特に荒れた路面では段差の衝撃をまともに車内へ伝えます。
評価のまとめ
ホンダ車特有の足回りの硬さが気になりますが、ハイブリッド化にあたり少し足回りは改善されています。スポーティな足が好きな人には問題ないレベルです。
人や物をたくさん積める燃費のいい車が欲しいが、大きい車は苦手という方にオススメできる車です。
価格
価格 | 2,360,000円(税込み)