新型 ホンダ フリード(GB5型)【試乗評価】上質な乗り心地を持った7人乗りミニバン [DBA-GB5]

今回の【試乗評価】は、「新型 ホンダ・フリード G ホンダセンシング(GB5型・2代目)」。
2016年にフルモデルチェンジした、コンパクトサイズの3列シート(7人乗り)ミニバンです。

フリードの前身となるコンパクトミニバン「モビリオ」が発売されたのは、今から17年前の2001年でした。

当時、ミニバンといえば中小型サイズの「日産・セレナ」や「トヨタ・ボクシー」、「ホンダ・ステップワゴン」が中心で、それより小さなコンパクトミニバンはありません。

そんな時代に登場した「モビリオ」は、フィットをベースにしたコンパクトなボディに、3列シートを詰め込んでいたんで大変話題になりました。同時に、「軽自動車やコンパクトカーじゃあ使い勝手が悪いけど、大きなミニバンは取り回しが悪くて運転しづらい」なんて考えていた子育て世代女性たちの心をまたたく間に掴んで、売れに売れまくったんです。モビリオの他にコンパクトサイズのミニバンは無いんですから、バカスカ売れるのは当たり前ですね。当時のホンダ経営陣は笑いが止まらなかったでしょう。まあ、当然ながら他のメーカーもこれに追従して「トヨタ・シエンタ」や「日産・キューブ・キュービック」なんて同じようなコンセプトのミニバンを続々と発売することになるんですが。

ホンダエンブレム画像

新型ホンダ フリード ハイブリッド【試乗評価】コンパクトな多人数乗りミニバン [DAA-GP3]

2016年3月13日

その後登場した「初代フリード」は、そんなモビリオのコンセプトをそのまま受け継ぐキープコンセプトモデルとしてデビュー。コンパクトなボディと3列シートという特徴を継承しながらも、機能性や使い勝手を向上させていました。

CMにはジョン・レノンの息子ショーンが登場し、「ちょどいい」というキャッチコピーとともに話題になったもんです。車自体もモビリオと同様に大ヒット。8年目のモデル末期までよく売れ続けました。

8年後の2016年にやっと登場した2代目フリードも、先代と同じコンセプトをそのまま継続。比較的コンパクトなボディに3列シートを詰め込んでおり、ボディは先代より若干大きいです。先行して発売されたフィットをベースにして、使い勝手の良さとスペース効率の高さを両立させてます。

一世代前の初代フリードについては、「新型ホンダ フリード ハイブリッド【試乗評価】」のページを御覧ください。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 ホンダ・フリード G ホンダセンシング(GB5型・2代目)」の概要

2代目フリードのラインナップは、1.5Lガソリンエンジン+CVTの「ガソリン仕様」と、1.5Lガソリンエンジンに電気モーターと7速DCTを組み合わせた「ハイブリッド仕様」の二種。それぞれにFFと4WDがあります。

このあたりのモデル構成については、ライバルの「トヨタ・シエンタ」もだいたい同じです。ライバルを研究しつくして市場調査をガチガチにやると、まあ、同じようになるんでしょうねえ。

フリードの場合は、若干ハイブリッド仕様の方が売れているということですが、逆にライバルの「トヨタ・シエンタ」は、ガソリン仕様の人気が高いそうです。ハイブリッドとガソリン車のコスト差を燃費で取り戻すには10万キロ以上掛かりますので、コストのためにハイブリッドを選択する人はそんなにいません。フリードの顧客層には、コストばかりじゃなくて力強い走りとかメカニズムにこだわりのある人が多いのかな。

フリードとシエンタは、こんなにラインナップや価格、性能まで細かく似ているのに、外観の雰囲気が大きく違うのも面白いポイントです。ラテン系の楽しい雰囲気で好き嫌いがハッキリと出そうな「トヨタ・シエンタ」に対して、「ホンダ・フリード」は直線を基調にした道具感あふれるデザインを使ってます。どっちも素晴らしいデザインですが、僕の個人的な好みは楽しい雰囲気のシエンタかな。

プラットフォームなど

基本となるプラットフォーム(基本骨格)は、コンパクトカー「フィット(3代目)」と同じです。フィットに搭載されるタイミングで新設計され、低床化を実現。乗り降りのしやすさやスペース効率の向上、優れた走行安定性など色々なところに良い影響を与えてます。まさに一石二鳥というか、「一石三鳥」といったところです。

ライバルは

直接的なライバルは、同じコンパクトミニバンの「トヨタ・シエンタ」です。モビリオの大ヒットに影響されて登場した「トヨタ・シエンタ」も、今ではフリード以上の人気モデルとなってます。自動車業界ではこういったパターンを度々目にしますが、開発した当人はどんな気持ちになるんでしょうねえ。「やはり俺には先見の明があった」なんてポジティブな人ばかりじゃあ無いでしょう、「くそー、またあの会社に真似されたぜ」なんて眠れない夜を過ごすのかな。

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外観

ボディサイズ、全長4265mmX全幅1695mmX全高1710mm。ホイールベース、2740mm。

有機的なラインを強調した「先代フリード」から、直線をたくさん使った道具感あふれるスタイルに生まれ変わってます。ちょっとホンダにしては保守的な感じもしますが、これなら積極的に嫌われることは無いでしょう。

保守的といってもひと目でフリードだという個性は残されているんで、そのあたりのさじ加減は流石だなと思います。

フロント

キリッとした角型ヘッドライトに、台形型のグリル。なんとなくベースとなったフィットを感じさせながらも、がっしりとした重厚感が添えられた感じです。そのおかげで、「フィットよりも車格が上」という雰囲気もあります。

サイド

サイドビューは、兄貴分の「ステップワゴン」とベースとなった「フィット」を足して二で割ったような印象になってます。短いフロントノーズと傾斜の強いAピラー(一番前の柱)が「フィット」のスポーティな感じを、高さのある四角いキャビンが「ステップワゴン」の道具感を感じさせるんですよねえ。

リア

全体の構成は先代とさほど変わらないんですが、面の張りやライン使いなど、ちょっとしたディティールの違いで随分とガッチリしてます。まあ、それでも一番の違いはリアコンビランプでしょう。先代よりも分厚いデザインでかなり上の方にレイアウトされてますから。

なんでも「先代のリアコンビランプは、位置が低く小さいので力強さにかける」というユーザーからの声が多かったそうです。個人的には、先代のリアコンビランプにはフリードなりの個性的な魅力があるんで良いと思いますけどね。

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内装

清潔感のある白木素材を模した樹脂に、さらっと感のあるブラック樹脂を組み合わせたシンプルな室内。高級感を主張するタイプじゃ無いんですけど、爽やかな感じで印象は良いです。

メーターはステアリングの内側ではなく、プジョー308のようにステアリングの外にあります。センターメーターをそのまま目の前に移動させた感じで、薄型なんですけど、必要な情報はメリハリを付けて大きく表示されるので見やすいです。インパネの奥にあるんで、視線移動が少なく疲れにくいというメリットもあります。

目線が高くノーズも短いので、取り回しは楽ちん。運転のしやすい車です。日産セレナのようにAピラー(フロントウィンドウ左右の柱)が細い二本の柱に分割されているため、斜め前方の死角が少ないのも助かります。ドアミラーが後に数十センチずれているのも、死角を小さく抑えるのに効いてるんですよねえ。

運転席と助手席の間に、センタートンネルを伴ったATセレクターが無いため、乗員はこの空いたスペースを使って前後左右へと自由に移動できます。僕はミニバンを一度も所有したことが無いんで、こういう機能は正直ちょっとだけうらやましいです。

シート

フロントシートは、フィットとほぼ同じ構造。ただ、フリードの方がヒップポイントが高く、若干サイドサポートが小さいです。座り心地もフィットに準ずる感じで、中距離(30km)くらいまでなら腰が痛くなることもありません。

セカンドシートは、6人乗りのキャプテンシートと7人乗りのベンチシートタイプがありますが、試乗車は7人乗りタイプでした。

クッションの厚みは十分で表皮の柔軟性にも問題はありません。足元、頭上空間ともに十分なスペースがあります。ベンチシートは三人分のシートが左右に連結されているため、座面がフラットで、左右に独立したキャプテンシートに比べればお尻の落ち着きはいまいちです。一人ひとりのゆとりや乗り心地の良さを考えるなら、シートの独立した「6人乗り仕様」の方が良いと思います。

ただし、セカンドシートに荷物を広げたり、「赤ちゃんをシートに寝かせてオムツを変える」なんて予定のある人は、シートのフラットな「7人乗り仕様」の方が使いやすいです。

ボディサイズが大きくなったこともあって、サードシートの居住性も向上してます。といっても、あくまでもコンパクトミニバンのサードシートですから、緊急用シートであることに変わりはありません。座面の厚さは十分ですが、背もたれが薄く高さも足りません。床から座面までの高さも小さいので、足を立てて座ると膝の裏が浮き上がった感じになります。まあ、このクラスのミニバンで、このあたりの事に文句を言う人はいないでしょうけどね。

荷室

サードシートを使っていると、荷室スペースはほとんどありません。ただ、シートの下にちょっとした隙間があるので、手荷物とか買い物袋くらいなんらなんとかなりそうです。

といっても、普段はサードシートを跳ね上げて5人乗りとして使うことがほとんどでしょう。それなら荷室スペースは十分以上になります。荷室の形がスクウェア(四角い)なんで、積み方を工夫すればキャンプ遊びも余裕です。

静粛性

新開発されたエンジンとプラットフォームのおかげで、このクラスのミニバンとしては静粛性が高いです。流石に登坂路では多少エンジンノイズを高めますが、平坦路や高速巡航なんかは結構静かにこなします。

エンジンとミッション

1496cc・直列4気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)の組み合わせ。
エンジンは、最高出力131ps/6600rpm。最大トルク15.8kgf・m/4600rpmを発揮。

車両重量、1360kg。JC08モード燃費、19.0km/l。

エンジン

1.5リッターのツインカムエンジンで前輪を駆動(FF)。シャトルにも搭載される新世代エンジンで、先代より13馬力ほど出力が向上してます。

数値性能としてはハイブリッドの方が上ですが、ガソリン車は車重の軽さが効いているのか、はたまた出力特性の影響か、体で感じる軽快感はガソリン車の方が上です。キビキビとした印象で、平坦路の多い街中なら省燃費モード「ECON」でも十分でした。

エンジンフィールは、ホンダらしく高回転まで気持ちよく吹け上がるタイプ。出力が回転に応じて直線的に増加するんで、扱いやすいです。流石に登坂路では出力が不足して、エンジンから苦しそうなノイズを発生しますが、平坦路ではエンジンノイズも小さく抑えられています。

トランスミッション

ベルトとプーリーによって無断階に変速するCVTを装備。若干高回転型のエンジン特性をたくみに制御して、どの速度域からでも十分なトルクを生み出します。出足から低速域ではギア比を下げて力強い走りを、アクセルを強く踏み込んで加速する時は、エンジンをしっかりと回して必要なパワーを生み出します。しかもその制御が自然なんで、CVTならではの不自然さはありません。まあ、簡単に言ってしまえば「スムーズ」ってことです。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション。後輪にトーションビーム式サスペンションを装備。。

乗り心地

装着タイヤは、185/65R15。

適度な硬さを伴ったしなやかな乗り心地。低速域では小さな凹凸を拾って若干コツコツとしますが、不快な感じじゃありません。

固く引き締まったボディにサスペンションがガッチリと取り付けられているので、嫌な微振動も最小限。ひとクラス上に迫る上質感とかスッキリとしたフィールが印象的です。

リアサスは安価でスペース効率に優れるトーションビームですが、フィットと同じで独立懸架のように振る舞う工夫がしてあります。トーションビームにしては突き上げ感が少ないのは、このあたりの工夫が効いているんでしょうねえ。

ハンドリング

先代よりも重心が低いことと、ガソリン車は鼻先が軽いこともあって、ミニバンにしてはハンドリングが軽快です。もちろんスポーツカーのようにはいきませんが、比較的向きを変えやすいので自然なハンドリングが味わえます。狙ったラインをそのままトレースしてくれるんで、運転が楽しいんですよねえ。

リアの接地性が高く、コーナリング中は比較的安定してます。背が高いミニバンなんで多少のロールは許しますが、動きが穏やかで予測しやすいため不快ではありません。

最小回転半径は、5.2m。ボディがコンパクトなのもあって、小回り性能が高いです。

【試乗評価】のまとめ

「新型 ホンダ・フリード G ホンダセンシング(GB5型・2代目)」は、今流行りのコンパクトミニバン(5ドア)。

有機的なデザインの先代から様変わりして、直線を基調にした道具感あふれるスタイリングになりました。ちょっと凛々しい感じもあって好ましいです。さらに、ガソリン、ハイブリッド仕様ともにパワーユニットを新設計。ガソリンエンジンは出力を向上させてます。同時にプラットフォームも、フィットと同じ新世代アーキテクチャーに切り替わりました。その影響でボディが若干拡大され、低床化も実現。使い勝手と走行安定性を高めてます。

コンパクトなボディになんとか3列シートを押し込んでいるのも、この車の大きな特徴です。ユーザーの好みや使い勝手に応じて、6人乗り仕様と7人乗り仕様があります。厳密には「フリード+」という別モデルになりますが、一応、2列5人乗りシートも選べるんです。

3列シートは、普段サードシートを折りたたんで5人乗りもしくは4人乗りとして使い、”ここぞ”という時にサードシートを展開して使うという人が多いでしょう。ただし、よく考えて購入しないと、「一年で一度もサードシートを使わなかった」なんてことになりかねません。サードシートは跳ね上げて側面に貼り付けるタイプなので、収納してても結構目障りですし、その分重量も増加します。「万が一のためにとりあえず3列シートにしとうこう」、なんて考えている人は欲張らずに5人乗りを選んだほうが無難です。

対象となるユーザー

対象となるユーザー層は、小さな子供のいる子育て世代です。特にベンチシートタイプ・7人乗り仕様は、セカンドシートで荷物を広げたり、赤ちゃんのオムツを替えるのに便利だと思います。別モデルとなる2列シート5人乗り仕様「フリード+」は、リタイアした人や独身者が足車として使うのに向いてます。その他には、海や山へとたくさんの荷物を運ぶことの多いアウトドア好きな人にも、たくさんの荷物が積めてコンパクトな「フリード+」はピッタリです。

中古車市場では

2016年式「新型 ホンダ・フリード G ホンダセンシング(GB5型・2代目)」で200万円前後(2018年11月現在)。

新車価格

2,121,600円(消費税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)