今回は「新型ホンダ N-WGN Custom G ターボパッケージ」を試乗レポートいたします。
2013年にホンダNシリーズの第4弾ブランニューモデルとして発表され、2015年にマイナーチェンジを受けています。
ワゴンRやN-ONEと同じ、ハイト系ワゴンの軽自動車です。
外観
全長3395mmX全幅1475mmX全高1655mmのボディサイズを持ちます。またホイールベースは2520mmとなります。
N-BOXより低く、N-ONEよりは高い全高です。全高が高いハイト系ワゴンながら、それを感じさせない、まとまりの良いスタイリングです。
ノーマルのN-WGNとカスタムとの外観上の違いは、専用エアロとバンパー、各種モールド、精悍なデザインのヘッドライト、専用アルミホイールなどです。
このN-WGNは、同じNシリーズのプラットフォームを使ったN-ONEと比べると、全高以外は全く同じボディサイズをもちます。
やさしいラインでスタイリングされたN-ONEに比べ、直線基調で精悍な印象のN-WGNの外観スタイルです。
ヘッドライトも丸くノスタルジックなN-ONEに対して、N-WGNは現代的で切れ長のヘッドライトが採用されています。
側面に回ると、若干N-WGNの方がキャビンの前後長が長く、逆にグラスエリアの高さはN-ONEの方が大きくなります。
これにより、やさしく大らかな印象のN-ONEに対して、N-WGNは男性的でアグレッシブな印象を持ちます。
この印象はリア周りでも同様で、やわらかでコロンとしたデザインのN-ONEに対し、N-WGNは角張った現代的なデザインです。
内装
インテリアのデザインはN-ONEとほぼ同じ基本構造で、ぱっと見の印象も良く似ていますが、よく見ると細かなディティール変更がされています。
外観と同じくN-WGNの内装は、現代的で直線基調のデザインです。
内装の質感自体は高く、コンパクトカー並の上質感を持っています。
フロントシートはホールド感が低い構造ですが、適度な硬さとコシがあり、中距離(50kmほど)の使用なら問題ないでしょう。さらにカスタム専用のコンビシートが装備されており、上質な印象を持ちます。
リアシートは折りたたみ前提の設計のため、やや平板で座り心地の悪いシートです。
ロードノイズと風切り音の侵入は少なく、車内の静粛性はノーマル車より高いです。
エンジンとミッション
660cc直列3気筒DOHCターボエンジンと、CVTが組み合わされます。
エンジンは、64ps/6000rpmの最高出力と、10.6kgm/2600rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、26.0km/lとなります。
軽自動車とは思えない豊かなトルク感で、軽快な走り出しです。
中低速でもトルクはフラットで扱いやすく、総重量850kgのボディを力強く加速します。必要十分以上の加速性能です。
ただ加速フィールは、ホンダエンジンから想像するものとはほど遠く、高回転まで踏み込んでいってもノイズが増えるだけで、高回転での伸びも今ひとつです。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
前輪にはスタビライザーも装備されています。
ハンドリングには、カスタム専用のセッティングが施され、低速でもしっとり感のあるフィールです。
コーナリングはクイックで気持ち良く、豊かな低速トルクと相まってN-WGNをきびきびと走らせます。
カスタムターボの足回りにも専用セッティングが施されており、路面の段差をトンッと気持ち良くいなしてくれます。
これは前後サスのセッティングが上手くいっている証拠で、わざわざ専用フロントサスと専用セッティングを行った成果でしょう。
ロール感が少なくボディが安定しているのは、フロントにスタビライザーが装備されているからです。
高剛性ボディに高性能なサスが組み合わされ、コンパクトクラスのような乗り味と上質感を持っています。
軽自動車にしては高めの価格設定ですが、これだけの内容を考えると十分納得できるものです。
評価のまとめ
同じカテゴリーに2車種を展開しているのは、それぞれにキャラクターの違いがあるからです。
プレミアムでノスタルジックな雰囲気を持つ、スペシャリティなN-ONEに対して、N-WGNはワゴンR等と伍して戦えるような、普遍的なキャラクターが与えられています。
しかし、これがカスタムグレードになると、N-WGNにも上質な質感が与えられちょっと分かりづらい印象です。
現代的なハイト系ワゴンを欲しい人にはN-WGN、プレミアムでノスタルジックなスペシャリティカーなら、N-ONEという事になります。
価格
価格 | 1,500,000円(税込み)