今回は「マツダ ロードスター VS RHT(NC)AT」を試乗レポートいたします。
このマツダロードスターは2006年に登場した3代目のモデルです。RX-8と共通のNCプラットフォームが採用されています。
2015年に登場した新型(ND)をご覧になりたい方はこちらの記事をどうぞ↓。
【試乗レポート】新型 マツダ ロードスター S Special Package (MT) [DBA-ND5RC] MAZDA ROADSTER
同新型(ND)のリトラクタブル・ハードトップ仕様はこちら↓
新型 マツダ ロードスター RF【試乗評価】開閉ルーフを備え快適で上質になった大人のロードスター [DBA-NDERC]
外観
全長4020mmX全幅1720mmX全高1255mmのボディサイズを持ちます。ホイールベースは2330mmになります。
初代を彷彿とさせるような、シンプルな面構成のボディスタイルです。
ヘッドライトは、初代のポジショニングランプをモチーフにした前期型デザインから、少しつり目のアグレッシブな後期型デザインに変更されています。
リアコンビランプは、初代から代々受け継がれる楕円形のデザインが踏襲されます。
RHT(リトラクタブルハードトップ)のクローズド状態での、スタイリングの違和感は少ないです。
このRHTは、自動で開閉してトランクへ収納するという大掛かりなギミックの為、どうしてもデザイン上の制約が多くなりますが、今回のロードスターはその制約を上手く使いスタイリッシュに仕上げています。
内装
質素でシンプルな内装デザインで、質感も高くありません。だからといって貧乏臭いという事もなく、まさに機能的なコクピットといった印象です。
合理的で運転に集中できる、走るためのデザインです。
また、この狭い室内は運転をする為の最小限のスペースしかありません。
足下も狭く、大きな足の人はペダルワークに細心の注意が必要です。Aピラーも目の前に迫り圧迫感があります。
しかしひとたび走り出せば、このタイトな運転席のおかげで、ロードスターが自分の手足のように感じられます。
ポルシェを形容する言葉に「ポルシェを着る」というフレーズがありますが、まさに「ロードスターを着る」感じです。
風の巻き込みもほとんどなく、エアコンのパワーも強力で、冬でも快適なオープン走行が楽しめます。
シートはやや平板でサイズも小ぶりです。長距離では疲れるでしょう。
しかし体圧が集中するような事はありませんので、中距離までは問題ありません。
エンジンとミッション
2L直列4気筒DOHCエンジンと、6速ATが組み合わされます。
エンジンは、162ps/6700rpmの最高出力と、19.3kgm/5000rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、11.2km/lとなります。
リトラクタブルハードトップ装着車ながら、総重量11700kgの軽量ボディです。
良く出来た6速ATとエンジンの連携により、トルクフルでスムーズな上質感のあるエンジンフィールを持ちます。日常域での不足感は無く、じわっと力強く加速します。
2Lエンジン+6速ATのせいもありますが、3代目ロードスターは初代や先代と印象が異なり、ちょっと上質な動的質感を備えています。
足回りとハンドリング
前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはマルチリング式サスペンションが装備されます。
ステアリングの重さは適度で、しっとりとしたフィールです。
自然で気持ちのいい操舵感で、ドライバーがイメージしたラインを正確にトレースします。
足回りは適度にダンピングが効いていおり快適です。
あたりはソフトでしなやかですが、大きな段差ではダンパーがぐっと抵抗感を増し、姿勢をフラットに保ちます。
段差での入力は許しますが、衝撃の角が取れていて不快な印象はありません。
その他
クローズド状態で走行中、RHTからギシギシと異音がしました。
これだけの大掛かりな可動ギミックですから、仕方ありません。
評価のまとめ
このRHTはセダン並みの利便性と、オープンの爽快感を合わせ持つ贅沢な車です。
オープン走行時はスピード感が増し、ある程度ゆっくり走っても楽しいです。
しかし、2人しか乗車できないので日常生活では当然不便です。
長距離の旅行も不可能ではありませんが、相当疲れるでしょう。
ただロードスターには、そんな欠点を補って余りある楽しさがあります。
それは、人生の気分を変えてしまうほどのパワフルなものです。
価格
価格 | 3,020,000円(税込み)