右ハンドルの車を運転している場合、「左側面の車両感覚」は運転席の反対側ということもあって、直接目で見て確認することが難しく、同時に遠く離れているんで、苦手にしている人が多い車両感覚です。
それにもかかわらず、使う頻度、重要度ともに高いんで、「駐車場で自分のスペースにキッチリ停める時」や、「走行中に左に寄せて対向車をかわす時」、それから「路肩ギリギリに車を寄せて縦列駐車をする時」など、日曜日に遠出なんかしちゃうと何度も使うはめになります。
ということで今回の【運転のコツ】は、そんな「左側面の車両感覚」について、車両感覚をつかむためのコツと、効率の良い練習方法について詳しく解説していきます。
他の車両感覚と比べると少々難易度は上がりますが、コツコツと練習を繰り返すことで必ず身につけることができます。「左の車両感覚って苦手なんだよなあ」と思っている人も、焦らず気長に挑戦してみてください。
左側面の車両感覚と、実際の車両位置との「ズレ」を確認する
練習を始める前に、まず、今現在あなたの中にある車両感覚と、実際の車の位置との「ズレ」を確認しておきましょう。
こういった確認作業や練習を行う時は、周りに人や車のいない空き地か、ガラガラに空いた駐車場なんかを使ってください。もちろん、練習中に人や車が増えてきたらすぐに中止するという配慮も必要です。
目安となる「線」を設定する
始めに、車を寄せていく目標として、目安となる「線」を設定しましょう。普通の駐車場であれば既存の「白線」を、空き地なら地面に棒で「線」を引くか、車がタイヤで踏んでも問題の無い程度の小さな小石なんかを並べておきます。小石の場合は、なるべく地面と違う色味のものを選んでおくと見やすいです(地面が白っぽければ、黒い石とか)。
次にシートやステアリングを調整して、「正しいドライビングポジション」を取ってください。正しいドライビングポジションは、車両感覚を掴む上での基本なんでじっくりと丁寧にやる事が大切です。
「線」にクルマを寄せていく
準備が終わったらクルマを始動して、目標として設定した「線」にクルマの左側面を寄せていきます。自分の感覚で線とクルマの左側面がピッタリと合ったと感じたら、クルマを停め、シフトを「P」に入れて、しっかりとパーキングブレーキを引いて降車してください。
後は、実際にクルマの左側面にまわり、自分の目で左側面と線の間にどの程度の隙間があるのか確認します。それが現在のあなたの「左側面の車両感覚」と、実際のクルマの位置とのズレです。今後の練習において基準となりますので、しっかりと覚えておきましょう。
車両感覚の「ズレ」を補正する
「ズレ」を頭に焼き付けたら、運転席に戻ります。後はゆっくりと後退し、元の位置から再び徐行で基準となる「線」にクルマの左側面を寄せてください。ただし、今回は頭に焼き付けた「ズレ」を参考に寄せていく位置を調整します。10cm内側ならさらに10cm寄せるつもりで、5cm行き過ぎていた場合は、その分、手前で停止するわけです。
これを線とクルマの左側面がピッタリと合うようになるまで繰り返してください。
「テープ」を目印にして練習を繰り返す
ピッタリと合うようになったら、次は第2ステップです。
「線」とフロントウィンドウ下端が交わるポイントにテープを貼る
線とクルマの左側面がピッタリと合っている状態で、運転席に戻ります。次に、左の線が運転席からどのように見えているのか確認してください。
線はボンネットの左先端と交わるように見えているはずです。そこから、頭の中でイメージを膨らませて、線をフロントウィンドウ下端まで延長します。
フロントウィンドウ下端と線が交わったら、その部分に粘着力の弱いテープ(何度か貼ったり剥がしたりを繰り返すと粘着力は弱くなります)を貼ってください。この時、端を少し折り曲げておくと剥がす時に便利です。
ただし、「前方の車両感覚」の練習に使った「付箋」は使えません。粘着力が弱すぎて、エアコン吹出口に落ちる可能性があるからです。
「テープ」を目印に左側面を「線」に寄せていく
テープの用意ができたら、これを目印に何度も左側面と線を合わせる練習を行ってください。何度も繰り返していくうちに、テープを見なくても線と左側面がピッタリと合うようになるはずです。
左側面の車両感覚に自信が付いたら、テープを剥がし、自分の感覚だけで左側面とテープを合わせます。これで、ピッタリと合えば「左側面の車両感覚」の練習は終わりです。出来なかった時は、またテープを貼るところからやり直してください。
初めは難しいかもしれませんが、何度も練習を繰り返すうちに必ず出来るようになります。一日で出来なければ、何日掛かっても構いません。出来るまで気長に練習していきましょう。
車両感覚の精度をさらに磨く
車両感覚が身についた後も、普段のスーパーや自宅の駐車場で「線からどのくらいの位置に停められる」か意識しながら駐めるとさらに車両感覚が磨かれていきます。