今回は、2013年に登場した「新型プジョー308SW(T9系)シエロ」を試乗レポートします。
従来は末尾の数字をモデルチェンジごとに一つずつ増やしていましたが、今回からは新興国向けのモデルには末尾が「1」の名前、それ以外のモデルは末尾が「8」と固定される事になりました。
つまり結果的に、この308は先代のネーミングを引き継ぐ、2代目モデルとなります。
5ドアハッチバックについては、「新型 プジョー 308 HB(T9)」をご覧ください。
外観
全体の印象はシンプルできれいなスタイリングです。
やさしい印象ながら、ネコ科の動物を彷彿とさせるアグレッシブなデザインのヘッドライトを与えられています。
側面には、軽やかに跳ね上げられたようなキャラクターラインが描かれます。
ハッチバックと共通のイメージでデザインされながらも、細長く流麗なリアコンビランプです。
短いフロントノーズと、短いリアオーバーハングにより、ステーションワゴンにしてはコンパクトでスポーティな印象です。
Aピラーからタイヤハウスまでの距離が短く、同じFFワゴンのアウディA4と比べると若干寸頭まりな印象を持ちます。
ただこれは、プジョーの方がモダンで、アウディはクラシックともいえ、どちらがかっこいいというものではありません。
内装
シンプルで使い勝手の良い内装デザインです。
ステアリングは小径化され、上部にはメーターがレイアウトされており新鮮な印象です。
また、メーターとセンターコンソールは、同じ八角形のモチーフが繰り返されます。
幅の薄いメタリック素材が、しっとりした樹脂の素材感とあいまって上品で上質な室内を演出しています。
身体にフィットする立体的な造形のシートは、座り心地が良く、硬さとしなやかさを合わせ持ったフランス車らしい上質なシートです。体圧のコントロールも絶妙で、長距離移動でも疲れません。
ホイルベースの延長により、後席の足下空間は広々しています。
ロードノイズや風切り音の侵入は最小限で、遮音材がしっかり効いています。エンジンのノイズも少なく、音質も不快なものではないので車内は静かです。
全長が伸ばされたことと、3列目シートの廃止により、大きな荷室スペースを確保しています。
このリアシートを倒す事で、さらに広大な荷室として使用できます。
エンジンとミッション
1.2L3気筒ターボエンジンと、アイシン製6速ATが組み合わされます。
130ps/5500rpmの最高出力と、230Nm(23.5kgm)/1750rpmの最大トルクを発揮します。
このダウンサイジング化されたエンジンは、先代の1.6Lエンジンとほぼ同じトルクを発揮します。低回転から最大トルクを発揮する使いやすいエンジンです。
旧型から180kg軽量化されたボディと、この大きな低速トルクにより必要十分以上の動力性能です。
ダイレクトな印象の6速ATとあいまって、気持ち良く加速していきます。
足回りとハンドリング
前輪にストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
ステアリングフィールは軽めで特性はスローながら、リニアな反応を示しながらしなやかに旋回していきます。
コーナリングは安定しており、オンザレール感覚のハンドリングです。
長いホイールベースと高剛性軽量ボディにより、直進安定性は高いです。
引き締まっていながらしなやかで乗り心地のいい足回りとあいまって、路面追従性も非常に高くフラットな乗り心地です。
これはフランス車というより、ドイツ車を彷彿とさせるようなスタビリティ感です。
評価のまとめ
フランス車的なしなやかさと、ドイツ車のスタビリティを合わせ持つ、良いとこ取りのステーションワゴンです。
荷室も広く、内外装もおしゃれです。また、エンジンも静かで使いやすく素晴らしくスムーズです。
もし、このおしゃれな内外装が気に入ったのなら、走りの楽しいオススメできる車です。
主要諸元と価格
全長X全幅X全高 | 4585mmX1805mmX1475mm
JC08モード燃費 | 16.1km/l
価格 | 3,450,000円(税込み)