今回は「新型アウディA4 2.0 TFSI(5代目)」を試乗レポートいたします。
プラットフォームは新型の「MLB evo」が使われています。
先代のモデルをご覧になりたい方は、こちら「アウディA4 2.0 TFSI quattro」をどうぞ。
外観
あまり車に興味がない人が見ると、先代と同じ車に見えるのではないでしょうか。
それくらい、先代と新型のデザインは良く似ています。
しかし近づいてよく見ると、先代とは随分印象の異なるデザイン処理が施されています。
フロントは精悍で切れのあるヘッドライトデザインに、ワイドなシングルグリルが組み合わされ、先代よりもスポーティでシャープな印象です。
サイドに回って見ると、キャラクターラインの入れ方も、面の張りも先代とよく似ています。
ただ新型では、キャラクターラインがヘッドライト上辺から、リアに回り込みリアコンビランプの上辺と一体化しています。
リアコンビランプの薄くシャープなデザインと相まって、軽快感のある気持ちの良いデザイン処理になっています。
ドアグリップが真横に引き出すタイプから、より人間工学に最適化された、斜めに引き上げるタイプに変更されています。
これにより、ドアグリップの取り付け角度が若干前に傾いており、他車とは違う特徴の一つとなっています。
全体のプロポーションも、少しワイドになったせいで迫力が増しています。
内装
センターメーターに装備されるヴァーチャルコクピットは、マトリックスLEDヘッドライトとの34万円のセットオプションで用意されます。
これは、メーター中央にナビゲーション地図を表示できる、近未来感あふれる面白い装備です。
ただ、車の本質に関わる機能ではありませんので、興味のない人には不要です。
水平にまっすぐレイアウトされた、木目パネルによって、室内は広々した印象です。
先代同様、インテリアの質感はとても高いです。
しかしA4の内装は、先代のようにもう少し保守的でオーソドックスなレイアウトでも、良かったのではないでしょうか。
前後ともに、上質感あふれるたっぷりしたサイズとストロークのシートです。
硬さとコシも適正で、これなら長距離でも快適に移動できそうです。
後部座席は先代より足下空間が増しており、ゆったりした座り心地です。
右ハンドル車のウィークポイントだった、運転席のセンタートンネル張り出しによる、足下の窮屈さは若干改善されています。
しっかりと遮音が効いており、ロードノイズと風切り音の侵入は少なく、車内はとても静かです。
エンジンとミッション
ミラーサイクル2.0L直列4気筒エンジンと、7速Sトロニックが組み合わされます。
190ps/4200rpmの最高出力と、32.7kgm/1450rpm-4200rpmの最大トルクを誇ります。
また、アウディFF車へのSトロニック搭載は今回が初めとなります。
低速から太いトルクを発生する扱いやすいエンジン特性です。
エンジンのレスポンスやパワーの盛り上がり方は、クワトロには劣るものの十分な仕上がりです。
さらにアクセルを踏み込んでエンジンの回転を上げていくと、トルクとパワーが一段と気持ち良く上昇していき、高回転までよどみのない軽快なフィールです。
7速Sトロニックのフィールは、ダイレクトで変速もすばやく好印象です。
先代のマルチトロニックのような違和感はありません。
足回りとハンドリング
前後ともに、5リンク式サスペンションが装備されています。
先代より120kg軽量なボディとあいまって、素直で軽快なハンドリングです。
ステアリングフィールも改善され、より自然なフィールに生まれ変わっています。
硬めの足回りながら、硬いボディと高性能なサスペンションによって、段差の衝撃をみごとに遮断します。
良く出来た足回りによって路面のうねりを見事にいなしながら、ボディの姿勢を乱しません。フラットライドな乗り心地です。
また圧倒的なスタビリティで、直進安定性も高いです。
その他
自動ブレーキ、車間距離保持機能、レーンキープ機能が標準装備されます。
評価のまとめ
先代までA4に乗るなら「クワトロ」となかば常識のように言われていました。しかし今回のA4は、標準仕様車でもクワトロに迫る上質な仕上がりを見せます。
そのため予算と目的に合わせて、どちらのA4を選んでも後悔することはないでしょう。
主要諸元と価格
全長X全幅X全高 | 4735mmX1840mmX1430mm
JC08モード燃費 | 18.4km/l
価格 | 5,180,000円(税込み)