CVCCには触媒が使われていない
ホンダが、アメリカのマスキー法に対応した世界初の「CVCCエンジン」を開発したのは1972年のことです。
当時のアメリカのビッグスリーが到底達成できないと,さじを投げたマスキー法をクリアした事で大きな話題となりました。
さらに、その技術には「触媒」が使われていなかったという事もあり、大きな驚きを持って報道されました。
実はCVCCに触媒が使われなかった理由は、当時、これといった優秀な触媒が存在していなかったという事もあります。
そのため、ホンダはエンジン単体の技術開発で乗り切るしかなっかたという訳です。
しかし、現在では触媒技術も発達し、「炭化水素」「一酸化炭素」「窒素酸化物」の3つの有害物質を、同時に除去できる「三元触媒」という触媒が広く普及しています。
三元触媒との仕組み
三元触媒では、窒素酸化物と酸素を使って、炭化水素と、一酸化炭素を除去します。同時に、窒素酸化物自体も除去します。
そのため、適切な量の酸素の供給が重要となり、燃料と空気の比率は「理論空燃比」である「1:14」が求められます。
ちなみにこれより燃料が濃い場合を「リッチ」と呼び、薄い場合を「リーン」と言います。
つまり「リーンバーン」とは、薄い燃料を燃やすという意味です。
三元触媒の欠点
三元触媒にもいくつか欠点があります。
ひとつめの欠点は、暖機運転時や高負荷運転時に燃料が濃くなりすぎるて、理論空燃比を上回ってしまい、適正な有害物質除去機能が発揮できなくなるという事です。
これには最近の発達めまぐるしい、ECUという電子制御技術を使い、適正な値に制御する事で解決できるようになっています。
もう一つの欠点は、まだ三元触媒が暖まっていない状態の始動時などに、触媒の機能が発揮できないという事です。
これに対しては、排気管内に二時空気を導入して触媒の温度を上げる方法が取られたり、暖かいエンジンのそばに触媒を設置して、触媒の温度を上げる方法などが考え出されています。
その他には、貴重なレアアースを原料として使う事が挙げられます。
この点については、レアアースの使用量を減らすなど、様々な工夫で解決が計られている発展途上の段階です。