今回は「新型ボルボ V40 D4 SE」を試乗レポートいたします。
このV40は、Cセグメントに位置する「5ドアハッチバック」です。
初代V40は三菱自動車と共同開発されたくるまでした。三菱自動車では「カリスマ」として販売されていました。
しっかりしたボディと足回りを持ち、ヨーロッパ基準の上質なシートを装備していました。
当時不人気ながら、動的質感の高い日本車離れした良い車でした。
その初代V40が生産停止されてから、実に8年ぶりの復活となったのが、2014年に登場した2代目「V4O」です。
初代の正式名称は「ぶいよんじゅう」でしたが、今回から「ぶいふぉーてぃー」と改められています。
外観
フロントノーズがぐっと伸びて、ボディの角がV字型に絞り込まれているせいで、なんだかヘッドライト周りが少し間延びして見えます。
サイドビューは後ろに行くに従いキャビンが絞り込まれ、なおかつDピラーも極端に傾斜していているので、クーペのような流麗なスタイリングです。
しかし、実際に絞り込まれているのはサイドウインドウの形だけで、後部室内空間は必要最低限の広さを確保しています。
リアビューは、一度ショルダーラインでキックしてからバンパーに繋がる形状で、スポーティなデザインです。
リアコンビランプも、一目でボルボと認識できるかっこいい形です。
このリアコンビランプを横から見ると、L字が強く跳ねた様な形になっており、スタイリング全体のアクセントになっています。
内装
近未来的な雰囲気と伝統家具のデザインが融合した、なんともいえない奇妙で居心地の良い不思議なデザインで、うっとり見入ってしまいます。
メーターは合理的で大きく見やすいです。このメーターは「エレガンス」「エコ」「パフォーマンス」と3種類の表示が切り替えられるようになっています。
「パフォーマンス」モードでは、スピード表示がデジタルになり、周囲にアナログタコメーターがレイアウトされます。
シートの形状はスポーティなタイプで、サイズが大きくコシと硬さのあるしっかりとした構造です。
体圧を分散しつつ、身体をしっかり支えてくれるので、長距離運転でも安心です。
後部座席の質感も前席に準ずるものですが、リクライニング機構がなくシートも立ち気味なため、長距離では姿勢を変えたくなるかもしれません。
頭上空間と足下空間は、共に必要最小限の広さが確保されています。
エンジンとミッション
2L直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジンに、アイシン製8速ATが組み合わされます。
またこのディーゼルエンジンには、デンソー製の高燃圧燃料噴射装置が装備されています。
アイドリング中は、多少ディーゼル音が気になりますが、走り出せばガソリン車と変わらない壮快なフィールのエンジンです。
逆に、僅かに残るディーゼル音のおかげで、古き良き味わいのあるボルボフィールが感じられます。
軽い車重と太い低速トルクを生かして、非常に軽快な出足です。
また、力強くスムーズな回転フィールを残しつつ、急な坂道でもグイグイと加速していきます。
足回りとハンドリング
前輪マクファーソンストラット式サスペンションに、後輪はマルチリンク式サスペンションを装備しています。
ゆったりとしたスローな操舵感ですが、素直でリニアな特性を持っていて、運転しやすいです。
また、前輪加重がガソリン車より重いため、前輪の設置性が高まり、ダイレクト感溢れる安定したハンドリング特性を持っています。
ガソリンより少し重めの車重と、それを支える硬めの足回りにより、高い直進安定性と重厚感あふれるしなやかな乗味です。
評価のまとめ
軽快感のある動きでは、ダウンサイジングターボに分があります。
しかし、ディーゼル特有の太いトルク感は、それはそれで違った魅力を持っています。
太いトルクを使って、快適に移動したいと考えている人には、このV40のディーゼルエンジン仕様車がオススメです。
また、独特の北欧デザインによる室内空間は、他の車では味わえない魅力です。
ありきたりな日本車やドイツ車の内装デザインに嫌気がさしている人にも、個性的な世界観を持つボルボをオススメします。
主要諸元と価格
全長X全幅X全高 | 4370mmX1800mmX1440mm
JC08モード燃費 | 20.0km/l
価格 | 3,990,000円(税込み)