ターボチャージャーとは
排気ガスのエネルギーを使ってタービンを回し、そのタービンの回転によって空気を過給圧縮してエンジンに送る装置の事です。
空気は過給圧縮されることで、本来そのエンジンが燃焼できる排気量以上の混合気を吸い込む事になります。
これによって、ターボエンジンは大きなパワーを発揮できるのです。
ターボチャージャーの歴史
ターボチャージャーは、第二次世界大戦中、爆撃機や戦闘機に用いられることで普及していきました。
1960年代になると、アメリカのフォードで自動車用として製造されましたが、耐久性に問題が多く実用となるレベルにはほど遠いものでした。
その後、1969年にBMWの2002ターボで使用されると自動車への普及が広がり始めます。
日本では1979年に、日産のセドリックに搭載されて大人気となりました。
その後ターボチャージャーはその他のメーカーにも広がり、大ブームを呼ぶことになります。
ターボチャージャーの仕組み
エンジンで燃焼された混合気は排気ガスとなり、排気バルブから排気管へ排出されます。
この排ガスは自然吸気エンジンだとこのままマフラーへ送られ、車外へ捨てられます。
ところが、ターボチャージャーは排気管の途中にタービンを設置して、この排ガスの力を使ってタービンを回します。
タービンの反対側の軸は吸気管の中に貫通しており、吸気管のなかのコンプレッサーと直結されています。
排気管の中のタービンが排気ガスの力で回転すると、反対側の吸気管の中に設置されたコンプレッサーも回転します。
コンプレッサーが回転すると、吸気管からシリンダーに送られる空気は過給圧縮され、多くの空気をシリンダー内へ送る事ができるというわけです。
ターボチャージャーは、この圧縮された多くの空気を燃料と混合して燃焼する事で、自然吸気エンジンでは得られない大きなパワーを出す事ができるのです。
税制の変更と排ガス規制
1980年代に盛んに用いられたターボチャージャーですが、1990年代になると徐々に採用数が減って行きます。
その理由ですが、2L以上の排気量の税金が下げられ、ターボチャージャーで小さなエンジンを過給してやるメリットが薄れてしまったのです。
また排ガス規制が厳しくなり、ターボチャージャーではコストが合わなくなったという事もありました。
ダウンサイジングターボ
ところが最近は、このターボチャージャーと直噴エンジンが組み合わされ「ダウンサイジングターボ」として、特にヨーロッパでブームとなっています。
これは小さな(ダウンサイジング)エンジンをターボで過給してやる事で、大排気量自然吸気エンジン並のパワーとクリーンな排ガス、高い燃費性能を実現した画期的な技術です。
「ディーゼルエンジン」や「ハイブリッド」、「電気自動車」と並んで環境性能の高い技術として再び注目を集めています。