今回は「新型 トヨタ エスクァイア HYBRID Gi」を試乗レポートいたします。
このエスクァイアは、2014年に発売されたブランニューモデルです。
「ノア/ヴォクシー系」のプラットフォームをベースに開発された姉妹車です。
ガソリン仕様車については、同じプラットフォームが使われている「新型トヨタヴォクシー」のレポートをご覧ください。
外観
全長4695mmX全幅1695mmX全高1825mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2850mmとなります。
外観の基本デザインは姉妹車のノアがベースになっています。ヘッドライトの形も、ウィンカーの色が違うだけで、ほぼノアと同じデザインが使われています。
正面の大きなグリルが目を引きますが、このグリルのモチーフは西洋の盾だそうです。まるでアルファードの様な威風堂々とした面構えです。
サイドのガラスエリアもノアと共通のデザインですが、ガラスエリア下端のラインにメッキモールが施されており、ノア/ヴォクシー系との差別化がはかられています。
リア周りも、ノア/ヴォクシー系とほぼ同じデザインで、ディティールやモールドに小さな違いがあるだけです。直線基調で実用性重視の真面目なスタイリングです。
全体をまとめて見ると、ノアの基本デザインを使いながらも、グリルやクロームメッキなどで高級感のある加飾が施されており、上質で大人っぽい雰囲気に仕上がっています。
内装
インパネ周りのデザインも、ノア/ヴォクシー系とほぼ同じデザインです。ただ、シックなブラックのプラスチックと、シルバーの加飾が加えられ、少し上質な雰囲気になっています。
シートの構造もノア/ヴォクシー系と同じですが、表面にしっとりとした合皮が張ってあり高級感が増しています。
サイズと厚みともに必要十分な量を確保していますが、少し硬さが不足しており、耐圧が腰に集中しがちです。中距離(50km程度)の使用であれば問題ありません。
サードシートはサイズも小ぶりで、硬さコシともに不足しています。形も平板なため緊急用途に限って使用した方がいいでしょう。
トランクスペースは、前後長が不足していますが、高さが十分にありますので、積み方を工夫することで十分に使えます。
また、サードシートを折りたためば、たっぷりとした容量を確保できますので、家族でキャンプなども可能です。
ハイブリッドシステムにより、巡航中はエンジンが静かで、車内の静粛性も高まります。
エンジンとミッション
1800cc直列4気筒DOHCエンジン+電気モーターに、CVTが組み合わされます。
エンジンは、99ps/5200rpmの最高出力と、14.5kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。
また電気モーターは、82psの最高出力と、21.1kgf・mの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、23.8km/lとなります。車重は1620kgです。
重量級ボディながら、ハイブリッドシステムによる低速トルクがたっぷりとあるため、日常領域での使い勝手に不足はありません。
また、トヨタのハイブリッドシステムには、ガソリン車から乗り換えても気になるような癖が少なく、ハイブリッドから乗り換えても違和感がありません。
このハイブリッドシステムには「エコモード」という省燃費モードが備わりますが、このモードはレスポンスが悪くもっさりとしています。まあ、パワーモードを選択すればいいだけなので、大した問題ではありませんが。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
リアサスにはスタビライザーが装備されており、大柄なミニバンにしてはロールは控えめです。
ゆったりとした挙動ながらも、素直で自然なフィールのハンドリングを持ちます。
ハイブリッド化による重量増加と、リアトーションビームサスにより、低速域ではゴツゴツと段差を拾います。
逆に、段差のないフラットな路面では、この重量増がいい方向に作用し、しっとりとした重厚感のある乗り心地を味わうことができます。
この重厚感は、ガソリン仕様車には感じられなかったものです。
評価のまとめ
ノア/ヴォクシー系をベースにしながらも、様々なメッキモールなどで加飾が施されており、ベース車両にはない上質感や高級感が感じられます。
しかし車の基本構造に違いはありませんので、乗り味や走行性能の印象は変わりません。
そのため、車の基本構造に関わる本質的な部分で上質さを求めている方には、アルファードなど他の高級ミニバンをおすすめします。
コンパクトな使い勝手の良さと、見た目だけの手軽な上質さを求めている方にはこの「エスクァイア」がおすすめです。
価格
価格 | 3,255,709円(税込み)