今回試乗したのは「新型日産エクストレイル 20X エマージェンシーブレーキパッケージ(2列シート)4WD」です。この試乗車はガソリン車です。
先代にラインナップされていた「クリーンディーゼル」は今回はありません。かわりに「ハイブリッド」が設定されています。
今回で3代目のモデルチェンジです。
外観
先代は直線基調でマッシブな道具感あふれるデザインが受けて人気でした。
ところが今回はそのエクストレイルのアイコンともいえる直線基調のデザインを改め、優美で力強いデザインに生まれ変わっています。
前回のデザインがとくに不評だったわけでもなく、このような大胆な改変をした理由はわかりませんが、ひょっとしたら海外のニーズに合わせたものかもしれません。
ワンクラス上がったような上質な外装です。ただ先代のようなこの車ならではの強烈なオリジナリティは薄れています。どこにでもあるような高級SUVといった感じです。
サイドのシルエットもどこかで見たようなデザインで、ヘッドライトやテールランプにも表情が足りません。好意的にみれば優美でつつましいデザインということもいえます。スタイリング上のバランスもいいです。
内装
インフィニティ的でアメリカンな内装です。有機的な曲線で構成されています。アメリカ人はこういうエルゴノミックなデザインが好きなんでしょう。
値段なりの質感でとりたたて悪いところはありません。計器類の視認性も良く、使い勝手のいい内装です。
ハイブリッド版はメタリックの加飾などが増え、少し豪華になって差別化がはかられています。
シートは標準で防水仕様になりますが、オプションでクロスも選択できます。
この防水仕様のシートは服の生地によっては滑りが悪くなり、ちょっと運転の時気になってしまいます。
ただ合皮のような素材なので質感が高いです。ラゲッジの生地も防水仕様ですので濡れた荷物を積む時など大変便利です。
このラゲッジはもとから容量が大きめですが、後部座席を畳むことでさらに広大な荷室が得られます。
後部座席の居住性は素晴らしいのですが、前のモデルと違いシートリクライニングが装備されていません。長距離では姿勢を変えたくなることもありますので、その点では厳しいと思います。
目線の高いSUVですので、見晴らしが良くボディの見切りもし易いです。
ほかに「3列シートバージョン」も選べるのでミニバン的な使用も可能です。
エンジンとミッション
ゆるやかな出だしのエンジンですが、僕は急発進するような特性の車は苦手なのでこうい設定のほうが好みです。
また日常シーンで特にパワーが不足するようなことはありません。大きいボディに自然吸気2Lエンジンですからこんなものでしょう。
この車でレースのような事をする人はいないでしょうから、これだけの動力性能があれば十分です。
車内の静粛性も高く、高速で安定走行をするだけの十分な巡航能力を持っています。
足回りとハンドリング
SUVですのである程度のロールをゆるすおっとりしたハンドリングです。しかし、ハンドリングセンターが曖昧とかいうことはありません。
この車のエンジン特性にあったハンドリングだと思います。ダンピングが効いますので、腰砕けになるような緩い足回りではありません。
しっかりしたコーナリング性能と、ゆったりとした快適な乗り心地がうまくバランスしています。
その他
エマージェンシーブレーキは安全マージンをたっぷりとってあるのか、何も無いところで反応することがあります。
ただ反応が過敏というだけですので、必要な時に反応しないといったものではありません。
評価のまとめ
外観の個性は失われましたが、優美なスタイルでライバル達より少し高級に見えます。
法規制の問題かもしれませんが、クリーンディーゼルが無いのは残念です。
エクストレイルのキャラクターや使い方には、クリーンディーゼルが一番合っていると思います。
主要諸元
全長(前後の長さ) | 4640mm
全幅(左右の幅) | 1820mm
全高(高さ) | 1715mm
車両重量(重さ) | 1500kg
動力システム(エンジン) | ガソリン
排気量(エンジンの大きさ) | 1997cc
エネルギー源(燃料) | レギュラー
駆動方式 | 4WD
トランスミッション | CVT
最高出力 | 108kW[147PS]/6000rpm
最大トルク | 207N・m[21.1kg・m]/4400rpm
燃費 | 16.0km/l(JC08モード)
価格 | 2,619,000円 (消費税8%込)