ミニバン大国日本の定番商品「ヴォクシー」を試乗しました。
数度のモデルチェンジを繰り返し熟成されています。
むかしでいえば「カローラ」や「コロナ」といったところでしょうか?
ヴォクシーはトヨタの稼ぎ頭のひとつですので、モデルチェンジも力が入っています。
外観
まさに名前通りの端正なボックス形状です。グリルやモールドなど各部のデザイン処理で先代に比べて少し立派に見えます。
しかし、他のライバルに比べて違うところも尖ったところもありません。逆に言えば、このシンプルな箱形形状がこのモデルの最大の売りとなります。
試乗したZSはエアロと16インチホイールが装備され、少し「厳つい」印象です。ヴェルファイアやアルファードの「厳つい」デザインが受けているようですので、このエアロバージョンも人気が出るでしょう。
内装
こちらもシンプルに徹しています。しかし、先代からは少しポップな印象です。オレンジの内装を選べば、さらに楽しげな雰囲気になります。
Aピラーが細くボディ形状も四角いので、とても視界が広くて見切りがつけやすいです。このあたりに設計の細やかさが見て取れます。
プラスチッキーで質感は低いですが、悲しくなるような安っぽさはありません。質素で合理的な使い易い内装です。
子供と家族でガシガシ使うにはこれくらいの方が気兼ねがなくいいですね。
室内は先代から少し広くなっているようです。足下にも余裕があります。
実用的な短距離移動用のシートで、コシやストロークが不足気味です。長距離移動はきついでしょう。特にサードシートは緊急用途と割り切って使った方がいいでしょう。
エンジンとミッション
2Lガソリンエンジンとハイブリッドの2種類がラインナップされます。この試乗車は2Lガソリンエンジンです。
街中での日常使用では、低回転トルクがあり乗りやすいです。必要十分な力があります。出足が若干鈍い時がありますが許容範囲内です。
ただし4人以上乗車しているような時に坂道で加速しようとすれば、ちょっときついかもしれません。
足回りとハンドリング
少し固めです。ボディ形状から想像するより直進安定性があります。若干突き上げ感があります。コーナリングもミニバンにしてはまずまずです。ZSはサスセッティングが違うのかもしれません(ここは未確認です)。
その他
ぼくの弟がこれの2代前のモデルに乗っていますが、大きいトラブルに見舞われることもなく、10年以上も快適に走っています。脅威の信頼性です。
評価のまとめ
昨日のコラムで書きましたが、僕はあんまりミニバンが好きではありません。しかし、今、街中で走っていれば右も左もミニバンだらけで、まさにミニバンは日本の国民車といっても過言ではありません。日本の大いなる定番商品として数世代にわたって熟成されてきたこの「ヴォクシー」ですが、ここに来て完成の域に達しています。乗って走って過不足なく、ご近所の受けもよく、使い勝手も申し分ありません。なにより安くて維持費が安くお財布にとてもやさしいです。とくにこの「ZS」グレードは走りもそこそこで、ちょっとした威圧感もあります。
主要諸元
全長(前後の長さ) | 4710mm
全幅(左右の幅) | 1730mm
全高(高さ) | 1825mm
車両重量(重さ) | 1600kg
動力システム(エンジン) | DOHCエンジン
排気量(エンジンの大きさ) | 1986cc
エネルギー源(燃料) | レギュラー
駆動方式 | FF
トランスミッション | CVT
最高出力 | 112kW[152PS]/6100rpm
最大トルク | 193N・m[19.7kg・m]/3800rpm
燃費 | 16.0km/l(JC08モード)
価格 | 2,670,000円 (消費税8%込)