【コラム】静粛性の高い静かな車


静粛性の高い車の画像
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記憶に残る静粛性の高い車

秋ろーが今まで所有してきた車の中で、印象に残るほど静かだった車は残念ながらありません。しかし、知人の車に乗せてもらったり、ちょっと試乗した車の中にはいくつかあります。
それは現行クラウンとE38型のBMW750iです。

この現行型クラウンは、何やら魔法の絨毯の上に載っているような、快適でゆったりとした乗り心地に驚かされました。また、遠くでエンジンとロードノイズの合わさった「コー」という音がかすかに聞えるだけで、本当に静粛性の高い静かな車です。

しかし、このクラウンが欲しいかと言われれば、そうでもありません。乗せてもらっている分には楽ちんで快適なんですが、走らせている実感や楽しさといったものがあまり感じられない車だったからです。「静かだなぁ」というより「無音」といった表現の方が近いです。

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難しいノイズの処理

静粛性いというのは実はそう単純ではなく、よくNHVといわれますが、「N」ノイズ(騒音)、「H」 ハーシュネス(突き上げ)、「V」 バイブレーション(振動)という指標で語られます。

この中では、特にノイズの処理が静粛性の向上には重要で、また難しいところでもあります。このやっかいなノイズを消し去るには、エンジン自体の音を小さくする事と、たっぷりと遮音材を詰め込む以外に確実な方法はありません。
先ほどのクラウンの場合は、遮音材の塊といってもいくらい車内にたっぷりと遮音材が詰め込まれており、全車重のうち5%以上の重量をこの遮音材が占めている程です。

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静かさの種類が違うBMW750I

しかし、静粛性といっても単純に音が聞こえなければそれで良いというものではありません。遮音性が高すぎて車内が「無音」になってしまうと、運転する実感が感じられず楽しく運転ができなくなったり、なんともいえない違和感を感じてしまいます。

例えば、「無音」に近いクラウンに対して、BMW750iは「静かだなぁ」と感じさせつつも、決して無音というわけではなりません。エンジン音やロードノイズが小さいながらも車内に進入してきますので、測定器で測ればある程度の数値が記録されるでしょう。

ただ、この僅かながらも進入してくる「音」が、人間の生理を考えた気持ちの良い音に調整してあるため、音を聞かせることで上質な空間を感じさせたり、運転する実感や楽しさといったものをドライバーに与えることができるのです。

「鈴虫の鳴き声」や「風鈴の音」といった音を聞くことで、かえって静かさや情緒を感じてしまう、あの「静かさ」に近いものがあります。

「西洋人は鈴虫の鳴き声を騒音としか認識できない」という話をよく聞きますが、本当でしょうか?少なくとも自動車作りでは、日本人の方が感性が鈍くなっているような気がします。

コンパクトカーではあえてノイズを聞かせる

しかし、この遮音材を詰め込んでノイズを消し去るという手法は、ボディが小さくコストの安い小型車では使えません。そこでヨーロッパの大衆車メーカーは、この騒音の元となるエンジン音やロードノイズを消すことを諦め、逆にドライバーに心地よく聞かせてやろうというチューニングが行われます。

フィアット500に搭載される「ツインエアエンジン」は、ガーガーと騒々しい2気筒エンジンですが、エンジン音に快活で運転が楽しくなるようなチューニングが施されています。古き良き時代の趣を残す楽しいエンジンです。昔の4代目三菱ミニカの5MTも、決して特別なチューニングがされていたわけではありませんが、同じような素朴な楽しさがありました。

日本の小型車やコンパクトカー。特にトヨタ・カローラの場合は、小型車といては異例にこのNHV対策が進んでおり、抜群の静粛性能を誇ります。といっても、小型車ですからコストの掛かる遮音材がふんだんに詰め込まれているわけではありません。工作精度の向上や設計の工夫で、元々騒音をあまり発生させない車づくりが行われているのです。このあたりのコストを掛けない静粛性能技術については、トヨタの右に出るものはありません。

今後の静粛性対策技術

最新型のBMWi8やホンダS660には、スピーカーから擬似的なエンジンサウンドを補完する音を出して、多気筒エンジンのような官能的なサウンドを演出するという技術が搭載されています。また、人間には聞こえないような周波数の音(逆位相)を騒音にぶつけて、騒音を人工的に消すといった技術もあります。これは、コンサートホールやヘッドフォンに使われている音響技術を応用したものです。

BOSEのノイズキャンセリング技術

例えば、音響機器メーカーの「BOSE」が発売している「QuietControl 30」というワイヤレスタイプのヘッドフォンは、周囲の騒音をヘッドフォン内のセンサーが拾い、これに逆位相の音を発生させてぶつける事で周囲の騒音を相殺しています。また、スマートフォンにダウンロードした専用アプリと連携させることで、この遮音効果(ノイズキャンセル)を状況に応じて任意にコントロールすることも可能です。つまり、音楽を聴きながら仕事に集中したい時には、「ノイズキャンセリング」の効果を高めておき、隣の人とミーティングをしたり、電話で取引先の人と話したい時は、「ノイズキャンセリング」の効果を低くするという使い方ができるのです。

これは車に搭載されている「ノイズキャンセリングシステム」も同様で、車内の会話はスムーズにできるが、社外の騒音は完全に除去するという調整が施されています。

車の省エネ化を進める上でボディの軽量化は大切な要素です。こうしたノイズキャンセリング技術は重量とコストを増やさず遮音できるので、次世代のコンパクトカーにぴったりな技術といえます。

また、最近はトヨタプリウス日産リーフなどの電気自動車やハイブリッドカーといった、始めからあまりエンジン音を発生しない静かな自動車が増えています。ただ、こういった車は逆にエンジンが静かすぎて、ロードノイズが気になるとか、歩行者に気づかれにくいといった新しい問題も生んでいます。

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時にかけてを予定しています。

謎のアクセス減少地獄継続中!(2017年11月)

※記事を何百件入れてもドンドンアクセスが下がるので、記事更新を1にして、余力で過去記事の修正をしようかなあと思案中です。