今回の【評価レビュー】は「新型 ホンダ フィット ハイブリッド S Honda SENSING(3代目)」。
2013年にフルモデルチェンジした、コンパクトサイズの5ドアハッチバックです。
2001年に初代フィットが発売されて以来、日本の道路事情にマッチしたコンパクトなサイズとキビキビとした走り、ホンダお得意のクラスレスな魅力が受けて、3代目となった現在でも大ヒットを続ける息の長いモデルです。
今回、新たに新世代プラットフォームが採用され軽量高剛性ボディを実現。さらに独創的なセンタータンクレイアウトも継続採用され、広い荷室と低重心、優れた前後重量バランスといった数々の美点を持ちます。
モデルチェンジによって若干ボディサイズが拡大されましたが、なんとか5ナンバーサイズを維持しているのも嬉しいポイントです。
2017年には初のマイナーチェンジが行われ、内外装のデザイン変更および運転支援システム「Honda SENSING」を採用。その他にはエンジンや足回りの見直しや、ボディ剛性の強化なども実施されています。
※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「【評価レビュー】のまとめ」をどうぞ。
外観
全長4045mmX全幅1695mmX全高1525mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2530mmとなります。
フロント
マイナーチェンジによって、新型シビックの様な「いかつい」フロントバンパーを装着。グリルを中心にメッキモールドの量も増やされ、ちょっとだけ豪華になりました。
初期モデルのシンプルで清楚な美しさから一転して、ゴージャスでダイナミックな印象を強めています。
サイド
短いフロントノーズからフロントウィンドウ、ルーフラインがひとつになったワンモーションフォルムを構成。
サイドパネルには彫刻的なキャラクターラインが刻まれ、一体感と躍動感を高めています。
リア
リアコンビランプは、赤レンズを基調とした一体感のあるデザイン。リアバンパー下部が薄くなり、腰高感を強めています。
ダイナミックなフロントに対して、逆にリアエンドはシンプルなデザインへと変更されています。
内装
簡素な樹脂パネルにシルバーパーツ。センターコンソールにはピアノブラック調パネルが配置され、コンパクトカーらしいシンプルで機能的な内装。
メーターナセルには、大きな一眼メーターの左右に小さなサブモニターを配置。情報が端的にまとめられており、使い勝手、視認性ともに良好です。
すべての席になんらかのUVカットおよび、遮熱ガラスが装備され、日差しの強い初夏から真夏にかけて快適なドライブを助けます。
シート
フロントシートは適度なサイドサポートのあるスポーティなデザイン。マイナーチェンジによって表皮パターンが変更されています。
リアシートには大人二人が十分座れるスペースを確保。ロングホイールベースによって足元スペースも十分です。
荷室
荷室スペースには小型セダン並の容量を確保。家族4人であれば1泊旅行くらいは可能です。シートバックを6:4で倒すことで、さらに容量を拡大することもできます。
静粛性
マイナーチェンジによって遮音材とガラスが分厚くなり、静粛性能が向上。クラス標準を大きく超える静かさを手に入れています。
エンジンとミッション
1496cc・直列4気筒DOHCエンジン+電気モーターに、7速AT(DCT)が組み合わされます。
最高出力110ps/6000rpmと、最大トルク13.7kgf・m/5000rpmを発揮。
電気モーターは、30psの最高出力と、16.3kgf・mの最大トルクを発揮。
車両重量1170kg。JC08モード燃費は、31.8km/l。
パワーユニット
1.5Lツインカムエンジン+電気モーターによるハイブリッドシステムで前輪を駆動(FF)。マイナーチェンジによってエンジンとモーターの連携が向上、より一体感のあるスムーズな走りを実現しています。
アクセルを煽るとフラットなトルクが立ち上がり、スッと軽やかに動きだします。中高速域までこの穏やかな加速感が続き、市街地からワインディグまで力強い走りが可能です。反面、アクセルに対する反応が今一つでキビキビとした軽快感は希薄です。
トランスミッション
デュアルクラッチ式7速AT(DCT)を装備。初期モデルにあったギクシャクとして動きは抑えられ、ダイレクトで切れ味の良い変速フィールへと熟成されています。
乗り心地とハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪には車軸式サスペンションを装備。
乗り心地
装着されるタイヤは前後ともに185/55R16。
よく動くサスと高剛性ボディが組み合わされ、しなやかで上質な乗り味。目地段差を通過した時の衝撃もまろやかで、鋭い衝撃を伝えることはありません。
サスの動きが良くなったことで路面追従性も向上。高速域ではフラットな姿勢を維持してまっすぐに突き進みます。
ハンドリング
最小回転半径は5.2mと小さめ。
ステアリングの剛性がアップするとともに、操舵の正確性も向上。微小舵角から正確に反応して、素直にノーズの向きを変えます。
反面、タイヤ性能に頼ったハイスピードコーナリングは苦手。タイヤのグリップ力に対して足回りが柔らか過ぎて、大き目のロールが唐突に発生するからです。
その他
搭載される先進安全技術は最新の「Honda SENSING」。レーダーとカメラを使った「衝突軽減ブレーキ」や「誤発進抑制機能」、「歩行者事故低減ステアリング」、「路外逸脱抑制」といった機能を実現しています。
【評価レビュー】のまとめ
「ホンダ フィット ハイブリッド S Honda SENSING」は、長年に渡って高い人気を維持するコンパクトな5ドア・ハッチバック。エンジンを主体とする「パラレル方式」のハイブリッドシステムが搭載され、力強い走りと低燃費を両立しています。
独創的な「センタータンクレイアウト」によって広い荷室と広々とした居住空間、コンパクトなボディサイズを維持しているものフィットの変わらない魅力です。
今回のマイナーチェンジいでは、先進安全技術「Honda SENSING」を搭載するとともに、遮音材やインシュレーター、防音ガラスといった遮音対策が施され、Mクラスセダンに匹敵する静粛性能を手に入れています。
「実用性の高いコンパクトカーを探していいて、静粛性能や乗り心地も重視したい」とか、「燃費の良いコンパクトクラスのハイブリッドカーを探しているが、若々しいイメージも大切」と考えている人にピッタリな一台です。
中古車市場では
2017年式「ホンダ フィット ハイブリッド S Honda SENSING」で200万円前後。2013年式「ホンダ フィット ハイブリッド Sパッケージ」で100万円台前半となります(2018年2月現在)。
価格
価格 | 2,205,360円(消費税込み)