ちょっと、あなたが子供の時を思い出してみてください。短い距離のドライブや、どこか楽しい場所に行く時のドライブは楽しかったかもしれませんが、親の用事に付き合って遠くに出かけるドライブは、苦痛で仕方がなかったはずです。
車のシートは身体の小さな子供には合わない
それもそのはずで、車のシートは本来、子どもの体型を考えて作られていないのです。そのため、そのまま子供がシートに座ると身体は安定しませんし、目線も窓の下にきてしまうので、まるで穴蔵のなかに座っているような閉塞感を感じます。
また、子供は大人に比べて同じ時間を長く感じてしまうという特性があります。あなたが子どもの時も、わずか1時間のドライブをとてつもなく長い時間に感じた事があるはずです。
つまり、子供は狭くて不安定な場所に、長い時間に渡って座ることを余儀なくされているのです。こんな状況であれば、体力のある大人であってもすぐに疲れてしまいますね。
さらに小さな子供は、耳の奥にある三半規管が未発達です。そのため、あまり外の見えない穴蔵のような場所で、右に左にと揺すられ続けると簡単に「車酔い」」を起こしてしまいます。
このように車とは、身体の小さな子供にとって苦痛とストレス、疲労の溜まりやすい不快な場所なのです。
小さな子どもにはチャイルドシートやベビーシートを
車の中で子供に快適に過ごしてもらうには、大人が積極的に気をつけてあげることが大切です。
その中でも一番大切なのは、チャイルドシートやベビーシートといった安全装置です。日本では6歳までチャイルドシートやベビーシートを装着するように義務付けられています。普通の車のシートベルトは、140cm以上の体型を想定して作られていますので、7歳以上であっても140cm未満の子供には、チャイルドシートを装備してあげたほうが無難です。
チャイルドシートを装着する事で、目線も上がりますので、身体の安定性と閉塞感の解消、2つを同時に克服することができます。もちろん、安全性が大幅に向上する事については言うまでもありませんが。
なるべく目線を遠くに
子どもの車酔いを防ぐには、遠くをなるべく見るように言い含めておき、手元でゲームや漫画を読まないように指導することも大切です。
その他には、前日にしかりと食べて早めに床につくとか、ゆったりとした着心地の良い服を切る、1時間ごとにしっかりと休憩を取るなんてことも大切です。定期的な水分補給も忘れてはいけません。
また、ドライバーの心得として、急ハンドルや急ブレーキ、急加速など、「急」のつく運転をさけてなるべくスムーズな運転を心がけるという事も重要です。
渋滞の時に備えて、気晴らしを用意しておく
渋滞したときに備えて、「子どもの喜びそうなDVDを用意しておく」というのも有効な手段です。気晴らしがあることで、堪え性のない子供さんでも長時間のドライブを楽しく過ごすことができます。ただし、DVDや映像メディアを車が激しく揺れる走行中に見るのは禁物です。車良いしやすい子供の場合は、すぐに気持ちが悪くなってしまうからです。
同じ理由で、子どもの好きなアニメやテレビ番組の音楽CDを用意しておくことも、オススメの方法です。これなら、渋滞以外で使っても車酔いを起こすことはありません。まあこの場合、子供のテンションが上がりすぎて、逆にドライバーにストレスが掛かるという可能性はあります。
また、適度におやつを与えるというのも、気晴らしと体力面、両方の意味から有効な手段です。特に子供が癇癪を起こした時は、最後に力を発揮する強力な武器となります。ただし、あまりに頻繁に与えすぎると、ここぞという時に思った通りの効果が得られなりますが。