雨の日の運転は初心者だけでなく、ベテランドライバーにとっても怖いものです。
路面が雨に濡れるとタイヤは滑りやすくなり、本来の性能を発揮できなくなります。タイヤの性能にもよりますが、古いタイヤの場合はグリップ力が晴天時の50%以下となることもあるのです。
こんな状態ではいくらブレーキを踏んでもまともな制動力は得られません。カーブでは滑りやすくなって、思った通りのラインを走ることも難しいでしょう。
スピードを出しすぎない
雨天時の安全なブレーキングについては、とにかく制限速度を守って慎重に運転することが大切です。
雨が降り続く中、制限速度を大幅に上回る速度を出していると、いくらブレーキを踏み込んでも車はなかなか停まってくれません。
また、坂道ではフットブレーキだけを使わず、エンジンブレーキを併用したスムーズな減速を心がけてください。AT車の場合はオーバードライブをオフにしたり、マニュアルモードのある場合は積極的にシフトダウンをしてエンジンブレーキを効かせましょう。
晴天時のイメージでブレーキを掛けると制動距離が足りなくなります。普段よりも少し余裕を持って、1.5倍程度手前からブレーキを掛けていきます。
余裕のある運転を心がける
余裕のある運転はブレーキングの時だけでなく、ハンドル操作やアクセル操作など全ての操作にもあてはまります。
コーナリングではコーナーの手前から充分に減速しておき、ジワジワとコーナーの曲がりに合わしてスムーズにステアリングを操作します。
ガーと勢い良くコーナーに進入して、ギュンっといきなりステアリングを切れば、雨でグリップの少なくなったタイヤは簡単にスリップしてしまいます。
これはアクセル操作も同様です。交差点を曲がる時やUターンの時、ステアリングを切りながら急激にアクセルを踏み込むと、車はコントロールを失い簡単にスピンモードへと入ります。こんな時、交差点の近くに歩行者がいれば取り返しのつかない事になります。
雨に濡れると滑りやすくなる場所
雨が降り出すとタイヤのグリップ性能は著しく悪化します。路面上にはホコリや泥が堆積していますが、これが水分を含むことによってドロドロとなりさらにタイヤを滑りやすくしています。
また、路面上に描かれた白線や黄色い線も、アスファルトの面よりも滑りやすくなっているので注意が必要です。私有地への入り口や歩道など、コンクリート製の路面も雨で滑りやすくなる場所のひとつです。
さらに危険なのは、金属製のマンホールや格子状の側溝用カバーです。濡れた金属とタイヤの相性は最悪で、こういった場所では極端にグリップ力が落ちてしまいます。
雨の日はなるべくこのような場所に乗り上げないように注意しておき、万が一、そんな場所を通過しないといけないときは、ステアリングを真っ直ぐに保って静かにゆっくりと通過してください。