ハイオクガソリンとは、オクタン価の高いガソリンの事です。オクタン価が高くなれば、「ガソリンは燃えにくくなる」という特性があります。
高性能エンジンは圧縮比が高いため、燃えやすい「レギュラーガソリン」を入れると異常燃焼を起こし、エンジンが焼き付いたり、ノッキングをおこしたり、といったトラブルに見舞われます。
そのためこういった高性能エンジンは、燃焼しにくいオクタン価の高いガソリン「ハイオクガソリン」を使って、異常燃焼を抑え、高いパワーが出せるように設計されているのです。
欧州と日本では、販売されているガソリンの質が違う
具体的なオクタン価は、日本車の場合レギュラーで90、ハイオクで100くらいです。これに対して欧州車の場合は、レギュラーで95、ハイオクで98となります。つまり、欧州車のレギュラー仕様車は、日本ではハイオク仕様車となってしまうのです。
そのため、欧州でレギュラー指定(日本ではハイオク指定)となっている車を日本に輸入すると、レギュラーガソリンではオクタン価が低すぎて、エンジンが不調を起こしてしまいます。
もちろん、エンジンには「ノッキングセンサー」が付いていますので、たまに入れるくらいならそれほど問題はありません。ただし、オクタン価90というのは、本来、欧州ではまったく想定されていないオクタン価です。そんなオクタン価の低いガソリンを入れ続けた場合は、どんなトラブルに見舞われるか全く想定がつきません。
そのため、日本でレギュラーガソリンを欧州車に入れる場合は、ハイオクガソリンが半分くらいになった時を狙って、レギュラーガソリンを満タンまで入れると良いでしょう。こうすれば(100+90)÷2で、本来のオクタン価95にする事ができます。
日本車のハイオク指定車に、レギュラーガソリンをいれても大きな問題は無い
これに対して日本製の高性能エンジンは、たとえハイオクガソリンが指定がされていても、メーカーの実験室でレギュラーガソリンへの耐久性がしっかりとテストされています。
そのため、ガソリン代を節約するために毎日レギュラーガソリンを入れても、ノックセンサーが働いて点火のタイミングをずらしますので、エンジンが壊れることはありません。
ただし、本来ハイオクガソリンを想定している高性能エンジンにレギュラーガソリンを入れれば、エンジン出力は大幅に低下します。加えて燃費性能も悪化しますから、ガソリン代を節約するためにレギュラーガソリンを入れても大した意味はありません。
エンジンを回す楽しみもなく、燃費も大して良くないとなれば、何のためにレギュラーガソリンを入れているのか分かりません。
毎日の燃費が気になるのなら、初めからハイブリッドカーや電気自動車を買った方がよっぽど効率的です。
車とガソリンの相性については、以下の記事でも詳しく解説しています↓
参考:ハイオク指定の車に、レギュラーガソリンを入れるとどうなる?【コラム】
自分の車に合う、ハイオクガソリンを探す
ハイオクガソリンは、メーカー毎に様々な工夫が凝らされ、成分内容も微妙に異なります。そのため、ガソリンスタンドAのハイオクガソリンが、「静かでスムーズ、力強いパワーが感じられる」という場合でも、ガソリンスタンドBのハイオクガソリンは「いまいちだ」何てことが起こるのです。
これには、自分の乗っている愛車との相性もありますので、実際に自分で色々な「ハイオクガソリン」を入れて比べるしかありません。
ハイオクガソリンを比べる時には、パワーフィールだけでなく、燃費も計測して比較してみてください。相性の良いハイオクガソリンの場合は、燃費の数値も良くなる傾向があります。
ガソリンの燃費計測については、以下の記事で詳しく解説しています↓
参考:燃料計の特性を掴んで、ガス欠を予防する!【運転のコツ】