中古車のエンジン状態をチェックするには、エンジンルームを見るだけでは不十分です。
業者の営業マンに車のキーを借りてエンジンを掛けてみましょう。普通の業者であれば、エンジンを掛けるのを嫌がる人はいません。逆に、嫌がったり怒ったりするような業者であれば、そんな業者で中古車を買うべきではありません。
エンジン始動の前に、まずは窓を閉める
エンジンを掛けてチェックするポイントは、エンジンが発する音です。そのため、このエンジンの音を正確に聞き取るために、オーディオを切り、車の窓をしっかりと締めておいてください。
窓を開けたままにしていると、かえって周りの騒音が車内に進入して、音を聞き取りにくくしてしまうのです。間違えやすいのでもう一度言いますが、「車の窓を閉める」のを忘れないでください。
エンジンが掛かりにくい時は
ここ最近のエンジンは、電子制御された「インジェクション方式」が主流です。そのため、エンジンに不具合が無ければ、すぐにエンジンが掛かるはずです。
ただし、中古車展示場に並べられた車の多くは、そこに展示されてから数日から数週間、場合によっては数ヶ月の時間が経過している場合もあります。そういった車のエンジンを久しぶりに始動させると、ガソリンが供給されるまで数秒のタイムラグが発生してすぐに始動できないケースもあります。
といっても、こういった車の場合もエンジンに不具合がなければ、二回目の始動ですぐにエンジンが掛かるはずです。逆に、二回目も一回目と同じように掛かりが悪ければ、それはエンジン自体に何らかの不具合が発生している事になります。
「クッ、クッ」とセルモーターが元気なく音を発した後、エンジンが始動しない場合は、バッテリーの劣化が考えられます。そういう場合は業者の営業マンに相談して、新しいバッテリーに交換してもらってください。あれこれと理由を付けて、交換を渋るようであれば、何もわざわざその車を購入する必要はありません。
ベルトからの異音
エンジンルームから「ギャー、ギャー」という騒々しい音が発生する場合は、オルタネーターのVベルトが緩んでいる事が考えられます。また、「キャー、キャー」という甲高い音がする場合は、エアコンのアイドリングベルトの劣化や緩みが疑われます。こういう場合も、営業マンに相談して新しいベルトに交換してもらってください。
こういったベルト類は、3000円程度のものですので普通の業者であれば気安く交換してくれるはずです。
「キュル、キュル」という異音は、ファンベルトの劣化が原因
アイドリングの時や、急加速の時、エンジンルームから「キュル、キュル」という異音が聞こえてくれば、ファンベルトの緩みや劣化が考えられます。
古い車の場合はファンベルトを指で押す事でベルトの張り具合をチェックできたのですが、現在の車ではそうもいきません。
現在の車はオルタネーターが交流式になり、プーリーが小型化しています。それに伴ってファンベルトも小さくなり、プーリーにキツく巻かれています。そのため、ちょっと指で押した位では、ベルトの緩みを感じることが出来ないのです。
こういった新しい車のファンベルトをチェックするには、プーリーを直接手で回してみることです。プーリーとファンベルトが一体となって回れば、ベルトに異常はありませんが、スルッと滑ってしまう場合は、ベルトに緩みや劣化が発生しています。