車の最低限の安全点検を行う「始業前点検」は、法律で定められたドライバーの大切な義務です。
といっても、毎日この点検を行っている人はほとんどいません。昔の車は数分間の十分な暖機運転が必要であったため、その間に始業前点検を行う人も多かったのですが、現在の車は数秒の暖機運転で済むため、そういった点検をする人もいません。
そこで今回は、この僅かな時間で点検を行うための「最速!始業前点検」について解説したいと想います。
参考:【DIY】運転席で行う始動前点検(点検とメンテナンス)
愛車に乗り込む前には、グルリと車の周りを回る
車に乗り込む前、愛車の周りをグルリと一周するだけでも、多くの事を一度にチェックする事ができます。
例えば、ボディに凹みや傷は無いか?タイヤの空気圧が極端に減っていないか?タイヤに異物が刺さっていないか?といったポイントです。
また、時間が十分ある時はエンジンを始動した後、燈火類を点灯させたまま車の周りを一周してください。これだけで全てのライトを一度にチェックする事ができます。
点検項目を何回かに分けて行う
「最速!始業前点検」では、点検項目を何回かに分けて行います。もちろん時間がたぷりとあれば、全部のチェックを一日で済ましても構いません。逆に時間が無い時は、点検をせずに始動する事もあります。臨機応変に対応する事で、長い期間に渡って日常的に点検を続けるのが目的です。
例えば、燈火類の点検では、車庫にバックで入れている場合は、壁やガラスにストップランプを反射させてチェックします。また、次の日は頭から車庫に入れておき、始業前か帰宅後、ヘッドライトを点灯しているときにチェックします。
ヘッドライトについては、夜間走行中にもチェックが可能です。前にメタリックパーツを装備した車や明るい色の車があれば、そのボディにヘッドライトを反射させることでチェックする訳です。
燈火類は頻繁に切れやすい上に、お巡りさんに見つかると整備不良で取り締まられる事も多いポイントです。当然ながら、燈火類が切れているとそれが原因で大きな事故に繋がることもあります。ここで紹介した色々なチェック方法を使って、定期的にチェックをするようにしましょう。
手短に点検を行う
また冒頭でも述べたように、最近の車は数十秒程度の短い時間で暖機運転が終了してしまいます。そこで「最速!始業前点検」では、この時間を有効に使って手短に点検を行います。
シートに座ったら、イグニッションにキーを差し込みエンジンを掛けます。この時、右足は必ずフットブレーキに置いてください。ブレーキブースターが正常に働いていれば、スッと奥に吸い込まれるようにブレーキが沈み込んでいくはずです。
次に、メーター内の警告灯に異常はないか?ガソリンは十分な量が残っているか?といった事をチェックします。特に初心者が陥りがちなのが、このガソリンの不足です。万が一、高速道路でガス欠になった時は、走行車線で立ち往生となり大変危険な思いをする事になります。