車中泊に使える車といえば、コンパクトなハッチバックからセダン、ミニバン、ワンボックスカーなど、4人乗り以上の車であれば、大抵の場合なんとか車内で眠ることはできます。
ただし、眠れるとはいっても、車内の構造やシートの形状によって、その快適性は大きく異なります。
車中泊には「フルフラットシート」が最適!
一般的にセダンやハッチバックなど、運転するときに座り心地の良い立体的な形状のシートは、逆に眠る時の快適性は大きく劣ることになります。
凸凹としたシート形状が、就寝中の自由な寝返りを阻害してしまうのです。
これに対して、ミニバンやワンボックスカー等に装備されている「フルフラットシート」の場合は、シートをフルフラットにした時、凸凹とした突起が少ないので、快適に眠ることが出来ます。
ただし、フルフラットシートという名称は使われていても、実際には運転中のフィット感の方を重視した立体的なシートもあります。そのため、実際に購入する時は、ディーラーで試乗する事はもとより、出来ればレンタカーで借りて「プチ車中泊」を試してみてください。
また、凸凹したシート形状に関しては、シートの間に毛布やクッションを挟んだり、マットレスを敷いたりする事である程度の解消も可能です。
車中泊に適した乗車人数
快適に車中泊を行うためには、その車の大きさに合わせた最適な乗車人数に抑える必要があります。といっても、カタログに表記された乗車人数では多すぎます。一般的にはカタログの乗車人数の半分程度がちょうどいいでしょう。
例えば、5人乗りのセダンであれば、2人程度。8人乗りのワンボクスやミニバンの場合は、4人程度といった具合です。
ただし、この乗車人数は一般的な目安にすぎません。人によっては、もっと広々としてなければ眠れないとか、ギュウギュウに乗っている方がかえって楽しいという人もいるでしょう。このあたりの確認についても、やはりレンタカーを使った「プチ車中泊」が必要です。
車中泊の使用目的に応じた車種を選ぶ
車中泊の使用目的やシーンによっても、最適な車は異なります。
例えば、本格的なキャンプに使いたいといった場合は、やはり車も本格的なキャンピングカーが最適です。
ただし、大きな車体を持つ本格的なキャンピングカーの場合は、旅行先での高い快適性を得る代わりに、日常での使い勝手は大きく劣ります。できれば日常用としてもう一台、小さなコンパクトカーや軽自動車があると理想的です。
また、車を「宿」として使うと同時に、「移動するツール」としてもある程度の快適性や走行安定性のバランスを取りたいといった場合は、ミニバンやワンボックスカーが最適です。
これに対して、日常の足としての性能を重視して、車中泊はオマケ程度に考えている人の場合は、ステーションワゴンやロールーフ・ミニバン、状況によってはセダンでもいいでしょう。