F1GPには世界中から様々なマシンが出場しています。これらのマシンには、チームごとにそれぞれ違った工夫が施されているはずですが、その見た目のデザインはなぜか非常によく似ています。
厳密なレギュレーションが、マシンのデザインを似たものにしている
F1GPに出場するためには、レース規定により定められた厳密な規定を守ることが求められます。この規定は、エンジンなど内部構造だけに留まらず、F1マシンの外観にまで及びます。
当然ながら各チームの設計者は、マシンにこの規定の中で最大限のパフォーマンスを発揮させようとしますから、どうしても最終的なデザインが似てしまうのです。
例えば、車幅が1800mmまでと定められていれば、1800mmギリギリの車幅にする方がマシンの走行性能は安定します。つまり、車幅が1700mmや1600mmのマシンは存在しえないのです。
21017年における、F1マシンのレギュレーション
それでは、具体的に2017年のマシン・レギュレーションを外観上から見てみましょう。
ウィング端までの車幅が1800mm。フロントタイヤ自体の幅は305mm。タイヤ両端までの車幅が2000mmと定められています。
その他には、ボディ中央部の車幅が1400mmから1600mmまで、リアタイヤ自体の幅が405mm。リアウィングの幅が950mmと定められています。
これ以外にも、フロントウィングやリアウィングの形状および位置、大きさまで細部に渡って厳密に規定されています。このレギュレーションを読めば、なぜF1マシンの形があれほど似ているのか一発で分かると思います。
レギュレーション変更の目的は、マシン速度の向上
2017年のレギュレーション変更を見ると、マシンがワイド化され、タイヤの幅も広くなっています。そのため、2017年のマシンは2016年のマシンよりもちょっとカッコいい印象です。
といってもこのレギュレーションの変更は、マシンのカッコよさを向上させるためのものではりません。マシンの安定性を向上させ、ラップタイムを速くするのがその一番の目的です。
ただし、マシンの幅が広くなる事によって車重も増加しています。これはコーナーの進入やコーナリング中に、ブレーキやタイヤに今まで以上の負担を掛けることを意味しています。そのため、マシンを操縦するドライバーには、昨年までと違ったシビアなドライビングスタイルが求められるでしょう。
僅かなマシンの違いを把握しておけば、レースをさらに深く楽しむことが出来る
このように、F1マシンに厳密なレギュレーションが規定されているため、各チームのF1マシンは、結果的によく似た形になっているのです。
また、厳密に規定されているといっても、ホイールベースや全長など、ある程度の自由な設計が許されている部分もあります。このあたりは、各チーム設計者の腕の見せ所といえますね。
レースを観戦する時は、事前にこのあたりの違いを調べておく事で、さらにレースを深く楽しむことができます。