車には「定価」というものが設定されていますが、ほとんどの人がこの定価のままで購入する事はありません。
というのも、車の購入に際しては、あらかじめいくらかの「値引き」が半ば常識のようになっているからです。
そのためメーカーやディーラーも、この「値引き分」をはじめから考慮に入れて車両本体価格を設定しています。
ただ、これだと値引きの知識のある人は適正価格で買う事ができますが、そうでない人の場合はその分だけ損をしてしまう事になります。
車は100万円から数百万円ほどもする高価な買い物です。たとえ数%の値引きであっても、数万円からものによっては数十万円になることもあります。
そこで今回は、ディーラーで適正な値引きを得るためのマル秘テクニックをご紹介します。
ライバル車同士を競わせる
たとえ自分の中で本命の車が決まっていても、値引き交渉に際しては、この事を営業マンに伝えてはいけません。
というのも、営業マンはすでに自分の会社の車が本命だと分かれば、それに安心して大した値引きが提示してこなくなるのです。
こういう時は、その本命の車とライバル関係にある車を引き合いに出して、値引き交渉で競わせるのが得策です。
マークXならアコード、ヴェルファイアならエルグランドやオデッセイ、ヴィッツならフィットやデミオといった具合です。
目の前のお客がライバル車との間で悩んでいると分かれば、営業マンは俄然やる気を出して高い値引き額を提示してくるはずです。
同じメーカー同士で競合させる事もできる
この他に、同じメーカーの車同士で競わせるという手段も有効です。ただし、このテクニックを使う時には、ディーラーの経営母体が違う事が前提です。
トヨタであれば、「カローラ店」と「トヨタ店」、「トヨペット店」に「ネッツ店」など4種類のディーラー網がありますので、このディーラー網同士で競合させる訳です。
その他には、県境をまたぐ事によってディーラーの経営母体が変わる事も多いです。岡山県で「カローラ店」を経営しているのは、「カローラ岡山」ですが、広島県に移動するとこれが「カローラ広島」となるのです。この場合は、同じカローラ店であっても競合させる事が可能です。
「人気車種」を競合させるとさらに効果的
これらのライバル車種を競合させる値引きテクニックについては、「人気車種」を競合させるという事が大切です。相手が人気車種であれば、営業マンも「負けてたまるか!」とメラメラと強い闘志が湧き上がってくるのです。
営業マンが他社の「人気車種」と競い合って契約を勝ち取れば、「人気車種の売上を奪うと同時に、自分の成績も嵩上げする事ができる」という一挙両得の効果が得られるのです。
値引き交渉にゴリ押しは禁物!
今回ご紹介した値引きテクニックは、あくまでもディーラーが設定した適正価格で買うためのテクニックです。
値引き額は、車種や時期によっても大きく変動しますが、最大でも15%くらいが限界です。
そこから、もっと値引きを引き出そうとしてゴリ押ししたり、あまりに強気な態度で交渉に挑むとかえって営業マンの心象を損ねることになります。
そうなれば、たとえその時は安い価格で変えたとしても、後々重要な場面で手厚いサービスが受けられないかもしれません。値引き交渉はあくまでも礼節を守って、営業マンとの信頼関係を損なわない程度にしておいてください。