今回の旧型レポートは「初代 マツダ アンフィニ MPV 本革シート仕様」です。
このマツダ アンフィニ MPVは、1988年に登場したLクラスの高級ミニバンです。
ルーチェのプラットフォームを流用して作られ、国産ミニバンの中では唯一、フロントエンジンで後輪を駆動するFR方式を採用しています。
ゆったりとしたボディサイズとスタイリッシュな外観が受け、アメリカ市場ではそこそこの人気を博していました。
当時、秋ろーはこの上質でカッコイイ外観に魅せられ、度々試乗に行ったことを思い出します。結局予算が足りず、その時は購入することはありませんでした。
外観
全長4665mmX全幅1825mmX全高1745mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2805mmとなります。
FRプラットフォームに、大きなミニバンボディが組み合わされます。ちょっと腰高で伸びやかな雰囲気はFRならではのものです。
フロント
大きな直線基調のボディに、角型の端正なヘッドライトとシンプルな角型グリルが装備されます。重厚感と誠実さを併せ持ったフロントマスクです。
サイド
ロングホイールベースに、巨大なキャビン、短く切り詰められたフロントオーバーハングが相まって、スポーティで堂々とした佇まいをみせます。
リア
シンプルな直線基調のリアエンドに、角型のリアコンビランプが低めレイアウトされます。上質で力強い印象のリアビューです。
内装
スタイリッシュなカッコイイ外観を持つMPVですが、なぜか内装デザインは昭和の商用車といった淋しげな雰囲気です。
使い勝手の良いコラムシフトが装備され、足元には広々とした空間が広がります。内装デザインは乗用車に近い印象で、自然なドライビングポジションで運転することができます。
シート
フロントには、あたりがソフトでしっかりとしたコシのあるシートが装備されます。ふかふかとした快適なシートです。
セカンドシートとサードシートの間を歩いて行ったり来たりできるよう、セカンドシートの左側には小さな通路が設置されています。ただし、このウォークスルーのせいで若干セカンドシートが狭く感じられます。また、左側のシートが「2点式シートベルト」になるのもちょっと「?」なポイントです。
サードシートは若干小さめではあるものの、大人がしっかりと座るための十分スペースが確保されています。中距離(30km)程度の移動であれば問題ありません。
荷室
Lクラスミニバンにふさわしい、たっぷりとした荷室が装備されます。家族4人でキャンプにバーベキューと行動範囲が広がりそうです。
静粛性
長いドライブシャフトが多くの振動を吸収するため、車内に不快な振動が進入することはありません。
遮音材もしっかりと施され、非常に優れた静粛性を持ちます。
エンジンとミッション
2954ccのV型6気筒OHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、155ps/5000rpmの最高出力と、23.5kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1780kgで、10モード/10・15モード燃費は、5.8km/lとなります。
エンジン
3.0Lエンジンで後輪を駆動します。このV型6気筒エンジンは、パワフルで非常にスムーズな回転フィールを持ちます。
低速からたっぷりとしたトルクが立ち上がるため、街中など日常シーンでパワー不足を感じることはありません。
トランスミッション
太い低速トルクを生かして、高いギアを保ったスムーズなドライブが可能です。
足回りとハンドリング
前輪にストラット式サスペンション、後輪には5リンク式サスペンションが装備されます。
足回り
少し引き締まったフィールのスムーズな乗り心地です。この上質な乗り味は、長いドライブシャフトで後輪を駆動するFR方式ならではのものです。
ハンドリング
高級なスポーツカーのように、スッと気持ちよく向きを変えます。ある程度のゆったりとしたロールを許す、FRらしい自然なハンドリングフィールです。
評価のまとめ
アメリカンタイプのミニバンを参考に開発された、ミニバンの王道ともいうべき正統なつくりのLクラスミニバンです。
FRレイアウトによるスムーズなドライブフィール、使い勝手の良い自然なドライビングポジション。低速トルクのたっぷりと与えられたV6エンジン、FRレイアウトを存分に活かしたスタイリッシュなフォルムなど沢山の魅力に溢れています。
この後に続くMPV後継車は、ライバル他社のコンセプトに引っ張られ、平凡でつまらないミニバンとなってしまいます。そのせいで、かえってこの初代MPVの魅力が浮き上がってしまうのは、皮肉というしか他に言いようがありませんね。
価格
新車当時の価格 | 3,638,000円