今回の旧型レポートは「初代 メルセデスベンツ Cクラス C200 セダン(W202・1997年)」をお伝えします。
このメルセデスベンツ・Cクラスは、1993年に登場したMクラスのプレミアム・4ドアセダンです。
このC200セダンは、先日このコーナーでも紹介した「初代 メルセデスベンツ Aクラス A160(W168・1998年)」が登場するまで、メルセデスベンツの中で一番安く買えるモデルでした。
このCクラスのプラットフォームは、オープン2シーターの「SLK」や、2ドアクーペの「CLK」など様々なモデルに展開されています。
外観
全長4525mmX全幅1720mmX全高1420mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2690mmとなります。
2代目スバル・レガシィや、三菱シャリオ・グランディスをデザインしたオリビエ・ブーレイがスタイリングを担当しています。
スタイリングを担当したのは「オリビエ・ブーレイ」です。彼はこの仕事の後、「2代目スバル・レガシィ」や「三菱グランディス」のデザインも行っています。
現在のCクラスよりも一回り小さく、日本の道路事情にピッタリとあった使いやすいサイズ感を持ちます。
フロント
直線基調の重厚感のあるボディに、角型のどっしりとしたグリルと角型ヘッドライトが組み合わされ、コンパクトなサイズながら威風堂々とした佇まいを持ちます。
サイド
ロングノーズに大きなキャビン、短いフロントオーバーハングが相まって、古典的なFRセダンの端正なプロポーションをみせます。
リア
がっしりとしたリアエンドにおにぎり型のリアコンビランプが装備されます。メルセデスベンツのエンブレムが中央に堂々とレイアウトされ、近寄りがたいオーラを感じさせます。
メルセデスベンツに乗っていると、他の車が勝手に道を譲ってくれまず。それを考えるとこのちょっと厳つい雰囲気は、ユーザーの安全を担保する上で大切な隠し味となっています。
内装
今の華麗なメルセデスベンツとは好対照をなす、がっしりとした印象の内装デザインです。大きなスピードメーターが装備され、視認性も良好です。
シート
しっかりとした丈夫なフレームに、上質で硬いあんこが詰められています。座り心地は少々硬めですが、体圧を上手く分散してくれる快適なシートです。ファブリックのモザイク柄はちょっと奇妙な感じがします。
リアシートは足元が少々窮屈です。ただし、シート自体はしっかりとした作りで、長時間乗っていてもそれほど疲れることはありません。
荷室
大きな開口部を持つ、広々とした荷室が装備されます。家族4人でキャンプなど余裕でこなす事ができます。
静粛性
しっかりとした遮音対策が施されており、車内はいたって静かです。ロードノイズ、風切音の進入も最小限です。
エンジンとミッション
1998ccの直列4気筒DOHCエンジンに、5速ATが組み合わされます。
エンジンは、136ps/5500rpmの最高出力と、19.4kgf・m/3700-4500rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1360kgで、10モード/10・15モード燃費は、9.7km/lとなります。
エンジン
2Lのツインカムエンジンで後輪を駆動します。上級モデルに搭載されるV6エンジンほどのスムーズさはありませんが、低速域でのトルクが太く使いやすいです。日常領域でパワー不足を感じることはありません。反面、キツイ坂道や合流地点ではエンジンノイズが増して、苦しそうな唸り声を上げます。
トランスミッション
中低速トルクの太い4気筒エンジンの特性を上手に引き出し、力強くスムーズな加速をサポートします。
足回りとハンドリング
前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。
足回り
どっしりとした重厚感のあるしなやかな乗り心地です。段差では衝撃を車内に伝えますが、不快な印象はありません。メルセデスベンツらしく、高速域では矢のような安定感をみせます。高級感のある乗り心地です。
ハンドリング
ゆったりとしたハンドリングで、ステアリングセンターには適度なダルさがあります。FRレイアウトを活かして、小さなスペースでクルリと向きを変えることができます。
ハンドリングは機敏なものではありませんが、ステアリング操作に対してリニアにボディが反応するので不快な印象はありません。
評価のまとめ
ユーザーの目線に立ったしかりとした作り込みが行われ、使い込んでいくほど車の良さがじわじわと伝わってきます。
Cクラスで最小となる4気筒エンジンが搭載されますが、中低速域にたっぷりとしたトルクがあるため廉価版ならではの使いにくさもありません。
これはエンジン性能の高さもありますが、上級グレードと同じ基本骨格が使われている事も大きく影響しています。そのため、このC200はCクラスの中で一番コストパフォーマンスに優れたグレードと言えます。
車の挙動がとにかく安定しており、長距離を走っても大きな疲労はありません。その分、車を運転する喜びは控えめです。
車の基本構造がしっかりとしているため、小まめにメンテナンスをしてやれば、いつまでも乗り続けることができます。ただし、「メンテナンス代に糸目を付けなければ」といった但し書きが付きますが。
価格
新車当時の価格 | 3,900,000円