道路交通法の改正により、それまで合法だった運転中の携帯電話使用に罰則が課されるようになりました。
以前、この【運転のコツ】では、運転中に携帯電話を使うための工夫について紹介していますので、気になる方は「運転中に携帯電話やスマートフォンを使うための工夫3選【運転のコツ】」のページを御覧ください。
携帯電話の使用は目隠し運転をしているのと同じ
運転中の携帯電話使用に罰則が課されるようになり、一部の人たちからは「迷惑だ」とか、「仕事に差し支えがある」など様々な抗議の声が上がりました。
しかし、国がわざわざ道路交通法によって規制するからには、それなりの深い理由があります。
携帯電話を操作する時、僅か数秒ですが人間は運転から注意がそれ、携帯電話に気が取られてしまいます。当然、視線も携帯電話に集中していますから、速度によりますが、この間数メートルから十メートル以上を目隠しで走っているのと同じ状態となります。
1t以上もある鉄の塊を、誰も前を見ずに目隠しで運転していると考えると、どれだけ怖いことが分かってもらえると思います。
ハンズフリーホンにも危険の芽が隠れている
ハンズフリーデバイスを使って運転する事は合法とされていますが、実はこれにも大きな危険の芽が隠れています。
「俺は一度にいくつもの事を同時にこなせるマルチタスク人間だ!」という人がいますが、これは大きな勘違いです。人間は基本的にどんな天才でも、一度に一つのことしか出来ないシングルタスクです。仕事の早い人はこれを高速で切り替えているだけなので、実際には一つの事しかできません。
そのため運転中に電話している場合、会話の中で印象的な事や深い思考を必要とするような事が出てくるとこれに注意が取られ、運転に集中できないことがあります。
隣の人と話ている場合であれば、隣の人が「あっ、今は交差点だから、話しかけるのはよそう」といった気遣いをしてくれるためそう大きな問題にはなりません。しかし、携帯電話の場合は相手に今の状況が伝わらないため、危険な状況で深く考えさせるような事や注意をそぐような内容の話をしてしまいがちです。
そのため、一応ハンズフリーホンがあれば運転しながらの電話は合法と認められていますが、安全を考えたらできるだけ控えた方がいいことになります。
同時に禁止されたナビゲーションの操作
この運転中の電話と同時に禁止された項目に、ナビゲーションの操作があります。これも運転中の操作により大きく注意をそらす事になるからです。
ただ、最近のナビゲーションは音声案内や音声コマンドが装備されているため、この運転中の危険は大きく減少しています。音声コマンドであれば運転中の操作も合法です。
ただし、最近急速に普及しているスマートフォンのナビ・アプリはこの限りではありません。音声案内こそ付いていますが、操作自体は手動入力がほとんどです。そのため、ルート設定などでは一度車を駐車場などにしっかりと停車してから操作する必要があります。
その他に、道路交通法の改正では触れられていませんが、これと同じくらい危険なのがラジオやオーディオの操作です。ナビゲーションほど複雑な操作は必要ありませんが、やはり操作する時には一瞬運転から注意がそがれる事になります。
そのため、ボイスコマンドやステアリングスイッチの付いていないオーディオの場合、運転中の操作は極力控えた方が無難です。